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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2010
128巻

白内障と喫煙や経済状況について

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 128巻(8号)2010

Smoking, socioeconomic factors, and age-related cataract. The Singapore Malay Eye Study.
Wu R et al(Singapore)
Arch Ophthalmol 128(8): 1029-35, 2010
・40歳から80歳までの3280名のマレー人で検討を行った(参加率は78.7%)。
・白内障程度は Wisconsin Cataract Grading Systemで判定した。
・白内障写真判定を行った2927名(全体の89.2%)のうち、1338名(45.7%)に白内障がみられた。
・年齢、性、Body Mass Index、高血圧、糖尿病などで補正すると、最近の喫煙が核白内障(OR=2.06 95%CI=1.46-2.98)、皮質白内障(OR=1.33 95%CI=1.02-1.74)、後嚢下白内障(OR=1.39 95%CI=1.02-1.91)、その他の白内障(OR=1.48 95%CI=1.10-1.99)の有病率に関連があった。
・Australiaで行われたBlue Mountains Eye Studyではこの関連は見られていない。
・小学校教育のみの低学歴者(OR=1.67 95%CI=1.06-2.64)、Singapore dollersで月収1000$以下(OR=1.43 95%CI=1.09-1.87)が核白内障の罹患率が高く、1-2部屋の小さな公共住宅に済んでいる人(OR=1.70 95%CI=1.28-2.25)では後嚢下白内障罹患率が高かった。
・喫煙率は男性では43.5%、女性では3.2%であり、喫煙による核白内障の人口寄与危険度(population attributable risk)は男性では17.6%であった=男性の核白内障の6人に1人は喫煙によるものであった。
・白人よりもマレー人では喫煙と白内障との関連が強かった。

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