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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2023
141巻

レーザー虹彩切開の効果についてのコホート研究

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 141巻(6号)2023

Biometric risk factors for angle closure progression after laser peripheral iridotomy.
Bao YK et al(CA USA)
JAMA Ophthalmol 141(6): 516-524, 2023
・レーザー周辺虹彩切開(LPI)は原発閉塞隅角疾患(PACD)に対する最も一般的な治療である。
・LPI後のPACや急性隅角閉塞(AAC)を予防する形態要因について、50歳から70歳以上のPACSのある中国人で、ランダムに選択した1眼のみLPIを受けた者を対象として検討した。
・隅角検査と前眼部OCT検査をLPIの2週間後に行った。
・PACへの進展あるいはAAC発作が発生したものを[進行]と判定した。
・仮説として考えられる要因を持つ集団と持たない集団を追跡するコホート研究Aでは、LPI治療を受けたものと受けていないものの混合の878例878眼(58.9±5.0才、女性82.7%)を対象とし、コホート研究Bでは、LPI治療を受けた片眼のみを対象とした869例869眼(58.9±5.0才、女性82.5%)である。
・イベントが発生するまでの期間を分析する生存時間分析である単変量と多変量のCox回帰分析を行い、進行のriskファクタを評価した。
・コホートAでは878眼中44眼に進行がみられた。
・多変量回帰では、年齢や隅角の開放度で補正すると、LPI治療は進行に関与していなかった(HR=0.67 95%CI=0.34-1.33 p=0.25)。
・コホート研究Bでは869眼中19眼に進行がみられた。
・多変量回帰では、TISA(trabecular iris space area) at 500μmが0.01mm2小さいとHR=1.33 (95%CI=1.12-1.56 p=0.001)、隅角開放の合計スコア(0-4 x4象限)が1スコア小さいとHR=1.25  (95%CI=1.03-1.52 p=0.02)で進行がみられた。
・前眼部OCTでTISA at 500が0.05mm2以下であるとHR=9.41 95%CI=3.39-26.08 p<0.001)で、隅角の合計スコアが6以下であるとHR=2.80 95%CI=1.13-6.93 p=0.04で、進行リスクが高くなっていた。
・LPI治療を行なった後に、隅角鏡、前眼部OCT検査を行なうことは重要である。(TY)

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