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Journal of Cataract & Refractive Surgery

2015
41巻

円錐角膜患者の強膜、角膜の厚さの評価

Journal of Cataract & Refractive Surgery 41巻(5号)2015

Evaluation of scleral and corneal thickness in keratoconus patients
Bettina Schlatter, et al. (Switzerland)
J Cataract Refract Surg 41(5):1073-1080,2015
目的:円錐角膜の患者で角膜と同様に強膜にも影響しているかどうか調べた。
対象と方法:研究グループ 51眼(29人、男性22人、女性7人、平均年齢30.8 ± 8.5歳) 
   平均角膜中心厚447.8±57.8μm、少なくとも円錐角膜と診断されて2年以上。
標準グループ 50眼(26人、男性20人、女性6人、平均年齢30.7±6.35歳)
   平均角膜中心厚550.5±35.5μm
結果:標準グループより研究グループの方が角膜の中心部が最も薄かったけれど、周辺角膜も有意に薄かった。
中心から1.5mmの鼻側、耳側、下方に比べ上方では角膜厚は厚かった。それぞれの象限で円錐角膜グループの方が有意に薄かった。
強膜の厚さは円錐角膜グループと標準グループで差はなかった。
強膜の厚さに影響を与えていると思われるのは眼軸と性差で、長眼軸と女性で薄かった。
結論:円錐角膜では角膜の中心が薄くなる事は1世紀以上前から知られていたが、角膜周辺まで薄くなってきている事がわかった。角膜と強膜は間葉組織から発生して、類似のコラーゲンを持つ。そのため、円錐角膜で角膜と同様に強膜も薄くなるのではないかと推測されたが、強膜には影響していなかった。(CH)

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