眼科JOURNALトップ > Journal of Cataract & Refractive Surgery > IFIS発症と合併症の性差と対策

Journal of Cataract & Refractive Surgery

2019
45巻

IFIS発症と合併症の性差と対策

Journal of Cataract & Refractive Surgery 45巻(1号)2019

The role of sex in intraoperative floppy-iris syndrome.
Tzamalis A et al(Greece)
J Cataract Refract Surg 45(1): 41-47, 2019
・4年間で行った3213例3811眼の超音波乳化吸引術中にIFISを発症した症例の男女差を検討した。
・予防的にphenylephrineやadrenaline、虹彩フックやリングを使った症例は除外した。
・女性1678例(50.8%)-1937眼(72.04±7.1歳)でIFISは25眼1.29%で発生、男性では1535例(49.2%)-1874眼中(72.92±6.5歳)、IFISは97眼5.17%で発症し、有意に多かった(p<0.0001)。
・男性97眼中、α1遮断剤内服者は70例(72.2%)であったが、女性は0名だった。
・後嚢破損は女性25眼中7例(28%)で発症したが、男性では97眼中9例(9.28%)であり、硝子体脱出は女性25眼中7例(28%)で発症、男性では97眼中7例(7.22%)であり、いずれも有意差があった(p=0.01)。
・後嚢破損と最終視力は、女性ではIFISの強さに相関していた。
・文献上では不意のIFIS発症での後嚢破損の合併症は7-12%とされているが、十分な注意や対策を取れば後嚢破損の合併症はほぼ0にすることができるとされている。
・女性の症例ではIFISに対する対策がされていないため、女性でのIFIS発症時の合併症が増えたと考えられる。(TY)

過去のアーカイブ