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Journal of Cataract & Refractive Surgery

2005
31巻

1ピース アクリルIOLのsulcus固定に伴う合併症3例の報告

Journal of Cataract & Refractive Surgery 31巻(7号)2005

Acute haptic-induced ciliary sulcus irritation associated with single-piece AcrySof intraocular lenses
ussell M. LeBoyer, Liliana Werner, Micheal E. Snyder, Nick Mamalis, Christopher D. Riemann, James J. Augsberger(USA-OH)
J Catacact Refract Surg 2005;31(7):1421-1427
 
症例1:24歳男性、後嚢サポート不十分のためsulcus固定。術後17か月で3回以上の難治性虹彩炎と眼圧上昇(52mmHg)。Soemmerring’s ringの除去と3ピースIOLに交換。以後の経過の記載なし。
症例2:48歳男性、後嚢破損のためAcrySof  SA30ALをsulcus固定。翌日にIOL下方偏位、少量の硝子体出血。術後1wで眼圧33mmHg、線維柱帯に高度の色素沈着。術後4wで更なるIOL下方偏位と前房出血、硝子体出血再発、複視と視力低下(20/200)を自覚。Haptic部の虹彩萎縮。3ピースシリコンIOLへの交換・sulcus固定で視力改善、眼圧正常化。
症例3:70歳女性、他院で2年前に白内障手術。術後より前房炎症・前房出血・硝子体出血による視力低下の発作を繰り返す。虹彩周辺部の萎縮により照明が透過。UBMにて耳側hapticが前嚢の前にあり虹彩裏面と接触していることが判明。CCCが耳側に大きく広がり、そこからhapticが嚢外に出て虹彩と接触していた。Uveitis-glaucoma-hyphema(UGH)症候群との診断でIOL交換。3ピースIOL(MA60AC)の嚢内固定で改善。

全症例で虹彩萎縮がみられ、鏡検では摘出IOLの前面・光学部およびhapticのエッジ・研磨されていない光学部側面に色素散布がみられた。症例3では色素散布は脱出hapticおよびその付着部に多くみられた。
 四角い光学部エッジ・四角いhapticエッジのデザインである1ピース アクリルIOLはsulcus固定を推奨されない(MK)

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