眼科JOURNALトップ > Ophthalmology > 乾性加齢黄斑変性症の視力予後の予測

Ophthalmology

2008
115巻

乾性加齢黄斑変性症の視力予後の予測

Ophthalmology 115巻(9号)2008

Low luminance visual dysfunction as a predictor of subsequent visual acuity loss from geographic atrophy in age-related macular degeneration.
Sunness JS et al(MA USA)
Ophthalmology 115(9): 1480-8, 2008
・低照度での視機能不良でAMDによる地図状委縮(GA)患者の将来の視力予想ができるかどうかを検討した。
・脈絡膜新生血管のないAMDによるGAを少なくとも片眼にもつ患者91例を2年間経過観察した。
・BCVA、低輝度VA(2.0-logのneutral density filter装着下)、コントラスト感度、読み速度、中心10.2mm2以内のGA面積などを検討した。
・視力表示例:通常のETDRS視力が0.3-logMAR(20/40)で、低照度視力が 1.0-logMAR(20/200)であれば、1.0-0.3=0.7 logMAR、すなわち、ETDRSチャートでの7ラインとした。
・ベースライン視力が20/50以上の人は、40%が2年間で視力が3ライン以上さがったが、それ以下の視力の人では13%。
・ベースラインでの低輝度での低視力(low-luminance deficit:LLD)は視力悪化の強い予測因子であった。
・視力20/50以上群で3ラインの視力の低下は、LLDの悪い群は良い群に比して、relative risk(RR)が 2.88(95%CI=1.13-7.35)
・ベースライン視力の良い群で、そのほかの将来の視力低下を予測する因子は、中心窩暗順応感度(RR=4.20 95%CI=1.39-12.71)、読み速度(RR=2.43 95%CI=1.11-5.31)
・視力の良い群で視力低下率は、中心10.2mm2内にGAが25%-75%のものでは、25%以下あるいは75%以上のものより高かった。
・年齢、性、他眼の状況、他眼視力、GA面積、GA拡大量などは予測因子ではなかった。

過去のアーカイブ