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Ophthalmology

2010
117巻

IFIS眼の虹彩構造

Ophthalmology 117巻(9号)2010

The effect of α1-adrenergic receptor antagonist tamsulosin (Flomax) on iris dilator smooth muscle anatomy.
Santaella RM et al(NC USA)
Ophthalmology 117(9): 1743-9, 2010
・死亡した27患者51眼(14名の男性はタムスロシン内服の既往あり、13名の男性コントロール)で検討した
・除外例:緑内障、虹彩が関与する手術の既往、55歳未満、組織が巧く切除できなかった場合は除外したため、14名のタムスロシン群のうち、3眼は除外となった
・鼻側と耳側で、瞳孔縁部の虹彩括約筋を含まない部位を3か所測定(周辺、中央、medial:瞳孔縁に近い部位)
・糖尿病患者では、平均虹彩拡張筋厚みも、虹彩実質厚みも薄くなっていたが、偽水晶体眼では、平均虹彩厚みは誤差が大きかったが、虹彩実質厚みは有意に厚くなっていた
・平均虹彩拡張筋厚みはタムスロシン群では6.53±1.99μmでコントロール群8.50±1.61μmより有意に薄く(p=0.006)、平均23.2%薄くなっていたが、糖尿病者のみで検討すると、もっと明らかであった(タムスロシン群6.2±1.8、コントロール群8.0±1.4 p<0.001)。
・虹彩実質厚みはタムスロシン群では281.4±47.5μm、コントロール群では302.1±46.1μmで有意差なかったが(p=0.268)、偽水晶体眼のみで検討すると、タムスロシン群294.2±35.6μm、コントロール群334.3±34.2μmで有意にタムスロシン群で薄かった(p=0.005)。有水晶体眼では有意差はなかった(p=0.576)。
・タムスロシン内服期間と、虹彩拡張筋や実質の厚みには直接の関連はなかった。

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