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Ophthalmology

2010
117巻

甲状腺機能低下症は開放隅角緑内障になり易いか

Ophthalmology 117巻(10号)2010

Hypothyroidism and the risk of developing open-angle glaucoma. A five-year population-based follow-up study.
Lin HC et al(Taiwan)
Ophthalmology 117(10): 1960-6, 2010
・甲状腺機能低下の診断を受けた後にOAGを発症するリスクを検討した。
・Taiwan長期健康保険データベースの1997-2001年を調査し、60歳以上で最初に甲状腺機能低下を診断された257名を抽出し、2001年までに緑内障の診断を受けていない60歳以上で甲状腺機能低下のない2056名のコントロールと比較した。
・5年間の内にOAGを発症する率は甲状腺機能低下群では7.4%、コントロール群では3.8%であり、甲状腺機能低下群ではOAG-free生存率は有意に低かった。
・年齢、性、収入、生活レベルなどを補正すると、甲状腺機能低下群では1.78倍(95%CI=1.04-3.06)緑内障を発症しやすかった。
・甲状腺機能低下の治療を受けていない人では危険率は 2.37倍(95%CI=1.10-5.09)であり、levothyroxineで治療している人では危険率は1.73(95%CI=0.89-3.38)で、有意差はなかったことから、levothroxineは緑内障発症を抑えると考えられた

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