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Ophthalmology

2011
118巻

CRVOと抗血小板・抗凝固治療

Ophthalmology 118巻(8号)2011

Central and hemicentral retinal vein occlusion. Role of anti-platelet aggregation agents and anticoagulants.
Hayreh SS et al(IA USA)
Ophthalmology 118(8): 1603-11, 2011
・CRVO(567例585眼:非虚血性481眼、虚血性86眼)、非虚血性hemi-CRVO(119例122眼)の、連続する合計686名を調査し、視力、ゴールドマン視野、出血の程度を調べた。
・この3種のCRVOいずれにおいても、初診時にアスピリンを内服していた者では非内服者よりも網膜出血の程度が強かった(p<0.001)。
・最初の視力、視野はアスピリン内服者では、非虚血性CRVO、hemi-CRVOでは有意に悪かったが、虚血性CRVOでは差がなかった。
・視力が20/60以上の非虚血性CRVOでは、アスピリンの使用と視力低下とは有意な関連があった。
・年齢、糖尿病、虚血性心疾患、高血圧などを補正しても、視力低下のオッズ比はアスピリン使用者では非使用者に比較して2.24倍(95%CI=1.14-4.41 p=0.02)であった。
・視力が20/70以下の非虚血性CRVOでは、黄斑浮腫が引いた後の視力改善はアスピリン使用者で非使用者より悪かった(OR=0.18 95%CI=0.04-0.72 p=0.016)。
・これらの事から、CRVOやhemi-CRVOでは、アスピリン、他の抗血小板剤、抗凝固剤を使用していると、視力低下が強いことが分かった。

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