眼科JOURNALトップ > Ophthalmology > DSEK:緑内障眼における長期間の移植組織の残存と移植が成功しなかった事に対する危険因子

Ophthalmology

2012
119巻

DSEK:緑内障眼における長期間の移植組織の残存と移植が成功しなかった事に対する危険因子

Ophthalmology 119巻(0号)2012

Descemet’s stripping endothelial keratoplasty: Long-term graft survival and risk factors for failure in eyes with preexisting glaucoma
Arundhati Anshu et al (Indiana, USA)
Ophthalmology 2012; 119: 1982-1987
・DSEK453例のうち、緑内障は無い(C群)、緑内障があり薬物療法を行なっていた(G群)、以前に緑内障手術を受けた(GS群)と分類した。レーザーのみの治療はG群とした。
・移植片の残存率は、1,2,3,4,5年後で、
              C群(342例)――99%,99%,97%,97%,96%
              G群(65例)――100%,98%,98%,96%,90%
              GS群(46例)――96%,91%,84%,69%,48%
GS群のうち、トラベクレクトミーのみ(26例)では5年後59%
GS群のうち、ドレナージを使用した(20例)では5年後25%
・薬物療法のみの緑内障眼は、手術を行なった緑内障眼よりも5年後の移植片残存率は明らかに良好であった。DSEKにおいて緑内障が存在している症例での長期間の移植片残存率は、これまでの緑内障に受けていた治療方法と移植後の拒絶反応の発生に影響されるとわかった。
・チューブシャントによるドレナージ手術を行なった緑内障眼では、チューブの内皮への接触又は血液房水関門の途絶で起こる炎症産物の流入が内皮障害の原因となりうると推測する。(YM)

過去のアーカイブ