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Ophthalmology

2012
119巻

未熟児網膜症の病歴を有する患者における視力、眼球構成要素、黄斑部異常

Ophthalmology 119巻(9号)2012

Visual Acuity, Optical Components, and Macular Abnormalities in Patients with a History of Retinopathy of Prematurity
Wei-Chi wu et al
Ophthalmology 2012; 119: 1907-1916
・ROPの病歴を持つ子供に眼球構成要素とSD-OCT検査をし、視力との関係をみる。
・6才から14才の133名を4グループにわける。全患者で後極は正常と思われた。
              グループ1 LKかクライオで治療の既往あり
              グループ2 何も治療せずにROPが減退した
              グループ3 未熟児に生まれても網膜症なし
              グループ4 満期で分娩
・ROP治療した患者は他と比し、明らかに角膜曲率が強く、前房が浅く、水晶体が厚く、黄斑部が厚い。しかし、硝子体深度と眼軸は正常であった。SD-OCTで網膜内層の停滞を認めた。周辺に治療したROP患者が視力が悪いことは、明らかに在胎週数に関係していたが、黄斑部の厚さや眼球構造には無関係だった。これらの結果が示すのは、これらの患者でみられる視力不良は、完全に異常な中心窩の発達によるわけではなく、未熟が原因の異常な視神経の機能や、大脳皮質視覚野の不規則性もまた視機能の発達に関与しているかもしれない、ということであった。(YM)

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