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Ophthalmology

2013
120巻

悪性緑内障の治療結果

Ophthalmology 120巻(5号)2013

Treatment outcomes in malignant glaucoma
Paaraj Dave et al
Ophthalmology 120(5): 984-990, 2013
・26名28眼。いかなる内眼手術後でも眼圧22㎜Hg以上で、patent iridotomyを行なったが、浅いか扁平な中心、周辺前房の存在にて悪性緑内障と診断し、治療後前房中央が深くなり、内服無し、降眼圧剤点眼のみで眼圧21㎜Hg以下となった場合を治癒とした。
・有水晶体眼5眼、偽水晶体眼23眼の計28眼中11眼レクトミー、 10眼白内障、 7眼白内障と緑内障同時手術後。眼圧は平均して34±8.3から14.3±5.2に低下、27名(96%)で悪性緑内障が治癒した。17眼は1度目の治療で治癒。10眼は次の治療を要した。
・悪性緑内障の治療は主として薬物療法で、薬物療法のみで最初の5時間に50%は改善との報告がある。散瞳剤点眼(虹彩、水晶体の後方移動)、炭酸脱水素酵素阻害剤点眼と内服(房水産生抑制)高張浸透圧剤全身投与(硝子体減圧)、ステロイド点眼(炎症の減退)
・偽水晶体眼、無水晶体眼にはLaser Hyaloidotomyが有効。YAGレーザーで、存在する周辺イリドトミーの部位又は眼内レンズのハプティックの上を通して施行。パワーは1から2mJ、2から5発。前房と前部硝子体を直接交通させる。
・今回はまず全症例に薬物療法を施行し、効果がなければ、偽水晶体眼にはレーザーHyaloidotomy。角膜が悪く、施行できない症例と、ここまで無効の症例には硝子体手術とhyaloidotomyとiridotomy。視機能不良例にはTSCPC(経強膜cyclophotocoagulation)とした。
(YM)

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