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Ophthalmology

2015
122巻

広角眼底撮影で周辺部に認めるDR病変は4年後の進行を予測

Ophthalmology 122巻(5号)2015

Peripheral Lesions Identified on Ultrawide Field Imaging Predict Increased Risk of Diabetic Retinopathy Progression over 4 Years 
Paolo S. Silva et al (MA)
Ophthalmology 122(5):949-956, 2015
・通常の眼底カメラを用いたETDRSの7 standard fieldsでは網膜の30%しかカバーできないが、広角眼底カメラ(UWF)を用いることで約82%をカバーできる(Figure 1)
・UWFとETDRS fieldを比べると40%はETDRS field外に網膜病変があり、そのような症例ではより重症化しやすい
・UWFで見つかる範囲に優位に病変がある場合はどの程度DR進行のリスクが高まるか調査
・30度の35㎜フィルムとOptosを用いて眼底撮影
・図のように領域を定義し、ETDRS fieldよりも周辺部に50%以上優位に病変があればPredominantly peripheral leision (PPL)と定義
・約4.2±0.3年後にデジタル眼底カメラとOptosを用いて同様に撮影し4年前とは違う判定者がDRの程度を判定 74人146眼が追跡可能であった
・ベースラインでPDRではなかった109眼のうち、42眼(39%)はDRが進行し、56眼(51%)は少なくとも1領域でPPLを認め、多くが微小出血と毛細血管瘤であった
・PPLのほとんどがH/Ma(95%)で次がIRMA(50%)であった(Figure 2)
・ベースラインでPDRを認めた37眼のうち、19眼(51%)で少なくとも1領域でPPLを認めた 
・Non PDR群でPPL(+)群では(-)群に比べて2段階以上のDR進行は3.2倍高く、PDRへの進行が4.7倍高かった
・PPLがなかった群ではSevereもしくはVery severeのみがPDRに進行していたが、PPLがあった群ではより多く、しかもそれほど重症ではない状態からも進行している(Figure 3)
・ベースラインでETDRS fieldでDRを認めなかった18眼で6眼(33%)は周辺部の病変を認め、PPLがあると2.5倍DRの発症率が高い
・ETDRS fieldでnon PDRであった群のPPLの程度が大きいとDRの進行の確率が上がる(Figure 4)
・PPLとDMEと視力の関係は有意差なし
・周辺部に優位なDR病変がある場合はDR進行のリスクの一つであると考えるべき(MM)

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