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Ophthalmology

2016
123巻

tPA、ルセンティス、ガス注入を用いた黄斑下血腫の移動

Ophthalmology 123巻(6号)2016

Intravitreal Tissue Plasminogen Activator, Ranibizumab, and Gas Injection for Submacular Hemorrhage in Polypoidal Choroidal Vasculopathy.
Kitagawa Y, Shimada H, Mori R, Tanaka K, Yuzawa M.(日大)
Ophthalmology. 2016 ;123(6):1278-86. 
【目的】
・黄斑下血腫に対し、硝子体手術を行わずtPA・ranibizumabおよびガスの硝子体注射での効果を検討
【対象と方法】
・黄斑下血腫を発症した血管新生AMD(PCV含む)連続20症例を前向きに評価
・前房穿刺ののち、ranibizumab、tPA 25μg/0.05ml、C3F8 0.3mlを硝子体注入
・2時間の座位の後2日間うつむき姿勢
【結果】
・狭義AMD1眼、PCV19眼。17眼(85%)で血腫が完全移動、3眼(15%)で部分移動
・Snellen視力は術前 20/139→術6か月20/65と有意に改善(P=0.0061)、ETDRS視力は13文字改善(P=0.0040)
・中心網膜厚は599→208μm(P<0.0001)、中心下PEDは188→88μm(P=0.0140)
・3眼で硝子体出血、1眼で網膜剥離を発症
・6か月以内に10例がAMD再発、抗VEGF剤のPRN投与で視力維持
・術後6か月での視力に有意に影響したのは、術前・術後のellipsoid zone残存、術前視力、術前・術後のPED高であった
【結論】
・tPA、ranibizumab、ガスの硝子体注射は血腫を移動させ病巣を改善させた
・良好な視力を保つためには術後の再発を早く見つけて抗VEGF剤を適宜投与するのが望ましい(MK)

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