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Ophthalmology

2019
126巻

緑内障と夜間血圧

Ophthalmology 126巻(10号)2019

Increased nighttime blood pressure in patients with glaucoma. Cross-sectional analysis of the LIGHT Study.
Yoshikawa T et al(奈良医大)
Ophthalmology 126(10): 1366-1371, 2019
・血圧には生体リズムがあり、睡眠中に血圧が下降することが知られている。
・睡眠中の血圧は日中活動時の血圧よりも心血管系疾患の発症予測能が高く、臨床的に重要な指標
・緑内障患者における睡眠中の過度の血圧低下が緑内障の悪化と関連しているという報告があることから、緑内障患者では睡眠中の血圧が低下しているかどうかを検討した
・緑内障患者109名(71.0±11.2歳)とCtrl708名(70.8±6.8歳)の夜間血圧と夜間落込みについて検討した。

・緑内障患者は緑内障性視神経症と視野障害をもったものとし、75名が両眼、34名が片眼で、POAGが125眼、PACGが10眼、続発緑内障が2眼、落屑緑内障が13眼である。
・血圧は30分ごとに48時間測定した。
・血圧の夜間落込みは夜間の平均収縮期血圧が昼間の収縮期血圧より10%以上下がっているものとした。
・緑内障患者の夜間収縮期血圧は Ctrl群よりも平均4.1mmHg有意に高かった(95%CI=1.0-7.2 p=0.01)。
・夜間落込みのないものは緑内障群は45.0%で、Ctrl群27.5%に比して有意に多かった(p<0.001)(OR=1.96 95%CI=1.26-3.05 p=0.003)。
・今後の更なる検討が必要である。(TY)

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