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Ophthalmology

2021
4巻

XEN: 結膜は開いた方が良いか開かない方が良いか

Ophthalmology 4巻(4号)2021

Comparison of Clinical Outcomes with Open Versus Closed Conjunctiva Implantation of the XEN45 Gel StentA Systematic Review and Meta-analysis
Anna Do. et al, Ophthalmology Glaucoma 4,343-349: 2021
・XEN45を結膜切開の有無で比較 ab internoとab externoで比較
手技:
・最初にMMC 0.4mg/ml XEN45挿入前に20-80μgを結膜下注射
・Closed Conjunctive Technique
 Ab interno:
ヒアルロン酸で満たした前房内からインサーターを用いて結膜下にリリース
前房内を洗浄
  Ab externo:
輪部から7mmの部位からインサーターを挿入
輪部から2mmで方向を変えて前房内に挿入しリリース
・Open Conjunctiva Technique
Ab interno:
鼻上側の結膜をfornix-baseで3-4時間開き強膜を露出
ヒアルロン酸で満たした前房内からインサーターを用いて強膜上にリリース
結膜縫合し、前房内を洗浄
  Ab externo:
        同様の方法で強膜を露出
        輪部から2-3mmから前房内に挿入してリリース
        結膜縫合
術後点眼 
・4-12週 ステロイド 漸減 (術者によって異なる)
・7-10日 フルオロキノロン抗生剤
不成功の定義:IOP>21mmHg、術後1か月以降の2回連続したフォローでPre IOPから20%未満の眼圧下降、インプラント露出などの合併症での再手術、レクトミーやチューブシャント、毛様体破壊などの緑内障再手術(ニードリングは含まず)、光覚喪失
・Complete success(CS): 眼圧下降薬なしで上記満たさない
・Qualified success(QS):眼圧下降薬ありで上記満たさない
結果
・137名137眼
・Closed conjunctiva 61眼、 Open conjunctiva 76眼、男性55%、POAG 58.4%
・術前眼圧:Closed群 23.0mmHg、Open群 26.4mmHg
・Open群で過去の緑内障手術の割合が高かった(5% vs 20%)
・白内障同時手術は影響なかった
・両群で術後眼圧に差は認めなかったが、術後12か月でOpen群の方が眼圧下降率が高かった(24.8% vs 43.1%)
・CS: 31% vs 53% P=0.01
・QS: 56% vs 71% P=0.06
・不成功までの期間:6.1±4.0M vs 6.3±5.4M
・眼圧と点眼、合併症:図参照
・Open群では術前眼圧が高く、過去に緑内障手術を受けたことのある難治例が多かったにもかかわらず、Closed群よりも成功率が高かったため、結膜を開く方法を推奨する。
・結膜とテノン嚢を開くことでデバイス遠位端の閉塞リスクが少ないこと、テノンを広く開き後部ポケットを作成したことがその要因ではないかと考えられる
・Closed群でステントの露出が見られたのは、遠位端が正しい位置に配置できなかった可能性、虹彩による閉塞が見られたのは、挿入時にOVDを使用するため虹彩が押し下げられ、より虹彩側に挿入された可能性がある。(MM)

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