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Ophthalmology

2023
130巻

原発隅角閉塞症に対するレーザー虹彩切開の効果

Ophthalmology 130巻(8号)2023

Fourteen-year outcome of angle-closure prevention with laser iridotomy in the Zhonghan Angle-Closure Prevention Study. Extended follow-up of a randomized controlled trial.
Yuan Y et al(China)
Ophthalmology 130(8): 786-794, 2023
・原発隅角閉塞症疑い(PACS)に対するレーザー周辺虹彩切除(LPI)の効果を14年間観察し、原発閉塞隅角症(PAC)に移行するリスク因子を検討した。
・50歳から70歳の889名の両眼のPACSを対象とし、ランダムに片眼にLPIを行ない、他眼をCtrlとした。
・周辺隅角癒着、眼圧が24mmを越える、あるいは急性隅角閉塞(AAC)が発生した場合をPACと判定した。
・14年間でLPI眼の480眼(390+90)とCtrl眼の462眼(388+74)が脱落したが、LPI眼では409眼(889-480)中33眼(8.1%)、Ctrl眼では427眼(889-462)中105眼(24.6%)がPACに移行し(p<0.01)、PACへ移行する率はCtrl眼と比較するとLPI眼ではHR=0.31(95%CI=0.21-0.46)であった。
・その中で、LPI眼では1眼、Ctrl眼では5眼がAACを発症し、LPI眼では2眼、Ctrl眼では4眼が原発隅角閉塞緑内障(PACG)に移行した。
・14年間観察すると、Ctrl眼と比較してLPI眼では核白内障がより強く、眼圧が高く、隅角が広く、周辺部前房深度がより深かった。
・PACへ移行するリスクが高いものは、Ctrl眼では高眼圧(HR=1.11)、周辺部前房深度が浅い(10%深いとHR=0.70)、中心部前房深度が浅い(0.1mm深いとHR=0.88)ことであり、LPI眼では高眼圧(HR=1.14)、周辺部前房深度が浅い(10%深いとHR=0.45)、暗室うつ伏せテストでの眼圧上昇が少ない(1mmHg上昇するとHR=0.87)ことであった。(TY)

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