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Ophthalmology

2025
132巻

眼軸長と緑内障の進行速度

Ophthalmology 132巻(1号)2025

Assessing glaucoma severity and progression in individuals with asymmetric axial length. An intrapatient comparative study.
Huh MG et al(Korea)
Ophthalmology 132(1): 39-51, 2025
・眼軸長の差が1.0 mm以上ある20歳以上の両眼の緑内障患者95名190眼(51.2±12.3歳)で、症状および進行に差があるかを10.1±3.9年追跡調査した。
・長眼軸眼と短眼軸眼との間に眼圧、角膜中央厚CCTの有意差はなかった。
・ベースラインの視神経乳頭パラメータでは、卵形指数(ovality index:視神経乳頭の中心を通る短径と長径の比率)、βゾーン(ブルッフ膜が存在する領域)およびγゾーン(ブルッフ膜が存在しない領域)の傍乳頭萎縮(PPA)領域が、長い眼の方が大きかった(P<0.001)。
・長眼軸長眼の方が網膜神経線維層RNFL厚(P=0.009)、神経節細胞-内網状層(GCIPL)厚(P<0.001)が薄かった。
・ベースライン視野検査では、MDおよび視野指数(VFI)が長眼軸長眼で有意に低かった(P<0.001、P=0.034)。
・進行の解析では、以下の進行率が長眼軸長眼で有意に大きかった。
・上部GCIPLの年間変化率は、-0.65:-0.40 µm/年(P=0.006)、MDの年間変化率は、-0.40:-0.21 dB/年(P=0.005)、VFIの年間変化率は-0.92:-0.46%/年(P<0.001)で、眼圧変動の差が大きいほど、MDおよびVFIの進行速度の差も大きくなっていた。
・眼軸長の差が1.0 mm以上ある場合、長眼軸長眼では緑内障がより重症であり、進行も速い傾向があった。(TY)

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