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Ophthalmology

2025
132巻

近視進行抑制治療としての多焦点SCL

Ophthalmology 132巻(4号)2025

Multifocal soft contact Lenses for the treatment of myopia progression in children. A report by the American Academy of Ophthalmology
Cavuoto KM et al(FL USA)
Ophthalmology 132(4): 495-503, 2025
・18歳以下の小児に対する近視進行抑制治療としての多焦点SCLの有効性の文献的評価を行った。
・PubMedの英語論文を対象に2024/3までの文献検索を行い、抽出された76論文の内、12論文を調査した。
・エビデンスレベルは11件がレベルI、1件がレベルIIであった。
・使用したSCLは2焦点、多焦点、焦点深度拡張型EDFなどであるが、すべての研究において、多焦点SCL使用群は近視進行が抑制されていた。
・球面等価SEの変化量は、少なくとも1年間の経過観察で、多焦点SCL群で-0.22~-0.81D、対照群(単焦点眼鏡/CL)では-0.50~-1.45Dであった。
・眼軸長(AL)の伸長は治療群では0.05~0.39mm、対照群では0.17~0.67mmであった。
・SEに関しては11件の研究で、ALに関しては12件すべての研究で有意差が認められた。
・重篤な有害事象は報告されなかった。
・最適な治療期間や、長期にわたる進行の抑制効果、多焦点SCL使用中止後の進行については、今後の課題である。
・どの多焦点設計や加入度が最も効果的かについては明確ではなく、レンズタイプや加入度によって有意差がないとする研究もあれば、高加入度のほうが効果が大きいとする研究もあった。(TY)

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