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その他のジャーナル

2011
55巻

緑内障での黄斑部GCC測定の有効性

その他のジャーナル 55巻(3号)2011

Glaucomatous eye macular ganglion cell complex thickness and its relation to temporal circumpapillary retinal nerve fiber layer thickness.
Kita Y et al(東邦大)
Jpn J Ophthalmol 55(3): 228-34, 2011
・77名77眼を正常(27眼)、初期緑内障(25眼)、中末期緑内障(25眼)に分け、耳側のRNFL厚、黄斑部GCC厚を3群で比較した。
・屈折度とHFAでのMDは、正常群(-0.3±1.9D、-0.3±1.4dB)、初期群(-2.7±2.3D、-3.1±1.8dB)、中末群(-2.4±2.2D、-10.8±3.8dB)で、いずれも有意差があった(p=0.001、p<0.001)。
・上方と下方の平均mGCC厚は、正常群(97.7±9.5、98.3±8.6μm)、初期群(83.8±8.5、75.5±7.7μm)、中末群(78.0±12.6D、72.5±13.6μm)で、いずれも有意差があった(p<0.001、p<0.001)。
・RNFL厚も全部位で有意差があり、例えば耳側では、正常群(111.4±11.1μm)、初期群(82.9±8.6μm)、中末群(78.2±10.8μm)であった。
・乳頭黄斑束以外では、初期緑内障でmGCCとt-RNFL厚とは有意な相関があった(r=0.38~0.75)。
・中末期緑内障群でもmGCCとt-RNFL厚とは有意に相関があった(r=0.43~0.81)。
・緑内障の初期からmGCCとRNFLとは同じ様に薄くなっており、両者間には高い相関がみられ、RNFLとmGCCは緑内障の初期変化を同じ様に検知することができる。
・しかし、初期緑内障ではRNFLの乳頭黄斑束では、mGCCが薄くなっていても、RNFL厚に異常が出ていないこともある。

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