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その他のジャーナル

2014
7巻

角膜鉄片異物の研究―鉄錆形成環境について―

その他のジャーナル 7巻(2号)2014

堀内二彦(堀内眼科;山梨県)
眼科臨床紀要7(2):83–89, 2014
【目的】角膜には鉄粉異物がなぜ多いのか、角膜鉄粉異物でなぜ虹彩毛様体炎が生じやすいのか、そして角膜鉄錆症の易出現環境について検討。
【方法と結果】(1)様々な薬液に浸したガーゼ上に鉄片を置いて、鉄の錆び方を観察。【図1-3】
(2)生理的食塩水に浸したガーゼ上にソフトコンタクトレンズ(SCL)を載せ、さらにそのSCL上に鉄片を置いて、鉄の錆び方を観察。【図4】
(3)病歴で、鉄粉を入れた時間が正確に確認できた症例について前房フレア値を測定。【図5】
(4)鉄キレート剤のデフェロキサミンメシル塩酸を浸したガーゼ上に鉄片を置いて、鉄の錆び方を観察。【図6】
【結論】(1)鉄は環境条件により表皮状鉄錆、顆粒状鉄錆、液状の形態を示した。(2)角膜の鉄粉付着性は、涙液主要成分の電気化学的特性が関与していると考えた。(3)角膜鉄粉異物では、早期から鉄イオンが前房へ流れ、前房内で顆粒状鉄錆を形成し、虹彩毛様体炎が生じ、前房フレア値が上昇すると考えた。(4)レボフロキサシンには鉄キレート作用があることを確認した。
*追加実験ではガチフロでも同様の結果、別の報告ではオフロキサシンが金属複合体を形成(キレート効果についての言及なし)→キレート効果はニューキノロン系薬液の共通特性?(MK)

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