眼科JOURNALトップ > その他のジャーナル > 線維柱帯切除後の濾過胞とマイボーム腺機能障害

その他のジャーナル

2014
58巻

線維柱帯切除後の濾過胞とマイボーム腺機能障害

その他のジャーナル 58巻(4号)2014

Meibomian gland loss due to trabeculectomy.
Sagara H et al(福島)
Jpn J Ophthalmol 58(4): 334-341, 2014
・MMCを使用した線維柱帯切除後にマイボーム腺が減少するかどうかを39名55眼で、ペンタイプの非接触型マイボグラフィー装置を使用して検討。
・マイボーム腺の減少はマイボスコアで、0(減少なし)から3(全体の2/3以上)で評価した。
・評価部位は濾過胞に接触している上眼瞼、正面視では非接触の上眼瞼、下眼瞼である。
・手術後の期間は7.4年(4分位では3.1-14.2年)。
・マイボスコアは、接触部:2.33±0.72(いずれともp<0.001)、非接触部:1.64±0.68(下眼瞼とp<0.001)、下眼瞼:1.18±0.70であった。
・濾過胞が無血管である場合と有血管である場合とでは、接触部では2.7±0.6:2.2±0.7(p=0.011)、非接触部では2.0±0.7:1.5±0.6(p=0.008)で有意差があった。
・BUTの値とは接触部、非接触部とも有意な負の相関があった(r=-0.330 p=0.014と、r=-0.296 p=0.028)。
・MMC使用の線維柱帯後のマイボーム腺は減少し、殊に濾過胞が無血管であれば特に減少していた。
・シルマーテストとの関連はなかったが、このことは涙液分泌障害から眼表面の障害を起こしやすく濾過胞表面の障害を起こしやすいだろうと考えられた。(TY)

過去のアーカイブ