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その他のジャーナル

2018
62巻

角膜内皮細胞密度に対するアルゴンおよびNd:YAGレーザーを用いたレーザー周辺虹彩切開の影響

その他のジャーナル 62巻(2号)2018

Effect of laser peripheral iridotomy using argon and neodymium-VAG lasers on corneal endothelial cell density: 7-year longitudinal evaluation
Takashi Ono, et al. (宮田眼科)
Jpn J Ophthalmology (2018)(2) 62:216-220.
・目的:アルゴンとNd:YAGレーザーを用いたレーザー周辺虹彩切開(LPI)後7年間までの角膜内皮細胞密度(ECD)の変化を評価する。
・対象と方法:アルゴンおよびNd:YAGレーザーを用いて予防的LPIを施行し7年間経過観察できた51人51眼、平均年齢68.0歳(47-82歳)、術前平均ECD 2657.5 ± 245.7cells/mm2
・結果:術後1年平均ECD 2612.6 ± 272.1cells/mm2、術後7年平均ECD 2582.9 ± 269.3cells/mm2。1年および7年の術後ECDは、術前ECDと有意差があった(P = 0.045および<0.001)
・術前から術後7年までの平均減少率は2.73 ± 6.13%。
・術後1年の減少率(1.69 ± 4.80%)は術後1〜7年(0.17 ± 0.85%)と比較して有意に高かった。(P = 0.036)
・3眼(5.9%)で術後7年間でECDが10%以上(13.0%〜24.9%)減少した。これらは、比較的浅い前房があったが、PEは認められなかった
・49眼の平均総エネルギーは8.2mJ(2.0から61.2mJ)、ECD減少率と総エネルギーとの間に有意な関連は見られなかった(術後1年P = 0.50、術後1〜7年P = 0.47)。
・結論:LPI後のECD減少率は初年で1.69%、手術後1年から7年の間に年間ECD減少率は0.17%であった。
・ECDは、正常な眼で年齢とともに0.3%〜0.6%低下することを考慮すると、術後1年以降の減少は老化によるものであると考えられた。
・これらの結果は、アルゴンNd:YAGレーザーLPIが手術後1年までECDの損失に影響を与えていることを示した。(CH)

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