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その他のジャーナル

2019
不明巻

回転非対称型+1.5D加入多焦点眼内レンズの術後1年成績

その他のジャーナル 不明巻(不明号)2019

One-year clinical evaluation of rotationally asymmetric multifocal intraocular lens with +1.5 diopters near addition
Tetsuro Oshika, te al. (筑波大学)
Sci Rep 9:13117, 2019.
・低加入度数分節眼内レンズ(レンティス コンフォート®)の術後1年の臨床性能を前向・多施設研究で評価した。
・対象と方法:白内障手術を受けた65人120眼、平均年齢69.7±7.941歳(41〜88歳)、男性17人、女性48人。どの症例も眼科手術の履歴はなかった。
・除外:白内障以外の術後視力に影響を及ぼす可能性のある眼疾患がある場合、1.5 Dを超える角膜乱視眼。
・すべての手術は、2.3 mmまたは2.4 mmの切開による無縫合水晶体超音波乳化吸引術の標準的な手法を使用して行われた。直径約5.0mmの前嚢切開が作成され、製造元が推奨する特定のインジェクター(Viscojet-BIO 2.2インジェクター。MedicelAG、Wolfhalden、AltenrheinまたはACCUJECT UNIFIT WJ-60M II、Santen Pharmaceutical)を使用して、IOLを挿入した。
・65人120眼。術前、軸長は23.45±0.99(範囲21.47〜27.11)mmで、角膜の曲率半径は7.65±0.25(範囲7.10〜8.23)mmだった。
・術後の遠方視力は12か月間非常に良好で、裸眼遠方視力と矯正遠方視力はそれぞれ約20/20と20/16だった。中間視力 (70cm) は裸眼視力と矯正視力はそれぞれ約20/20と20/16だった。裸眼近見視力と遠方矯正下近見視力は、それぞれ約20/60と20/70だった。近見視力のレベルは、距離および中間視力と比較して低かった(図3)。
・コントラスト感度関数は、手術前および手術後1、3、6、9、12か月後にCSV-1000チャート(Vector Vision、オハイオ州グリーンビル)を使用し測定され、製造元のWebページで公開されている年齢が一致した正常対照のそれと比較したところ、術後の値はすべて正常範囲内だった。
・光の現象の頻度と重症度は、グレア、ハロー、夜間の見にくさの訴えは少なかった。重度の自覚的な不快症状はなかった。全体的な満足度について尋ねると、ほとんどの患者が非常に高い、または高いと回答した。
・手術前および手術後6、9、および12ヶ月の平均角膜内皮細胞密度は、それぞれ2,587±291 cells/ mm2、2,524±300 cells/ mm2、2,555±319 cells/ mm2、および2,532±321 cells/ mm2だった。術中合併症はなかった。
・結論:優れた遠見視力と中間視力が得られ、高いコントラスト感度と グレア・ ハローなどの光視現象が少ないことが示された。近見視力は不十分だった。これらの調査結果は、1年間の研究期間を通じて安定していた。(CH)

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