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その他のジャーナル

2020
37巻

エスターマン両眼開放視野検査による眼瞼下垂術後の視野改善の予測 

その他のジャーナル 37巻(1号)2020

鄭暁東、古川雅世、五藤智子、山田寛子、鎌尾知行、白石敦(愛媛大)
あたらしい眼科 2020 : 37(1) 104-108
【目的】
・Humphrey自動視野計に内蔵されているエスターマン両眼開放視野検査によって術後の視野改善を予測できるかどうかを検討
【対象および方法】
・両側,退行性眼瞼下垂の症例44例(男性25例,女性19例、平均年齢76.5±7.8歳)
・全例に挙筋短縮術を施行
・術前の自然開瞼、シミュレーションのためのテーピング開瞼、および術後1カ月の計3回、エスターマン両眼開放視野検査を行い、各時点におけるエスターマンスコアを比較検討
・スコアに影響する因子について検討
【結果】
・全症例で,術中・術後の合併症なし
・MRD1の平均は、術前1.36±1.38mm,術後3.02±1.31mmで有意に改善(p=0.001)
・術前の自然開瞼、テーピング開瞼および術後1カ月のエスターマンスコアは、それぞれ85.3±12.1,90.5±9.8および92.5±8.4で、術前自然開瞼よりテーピング開瞼および術後1カ月では有意に高かった(p=0.032,p=0.001).
・テーピング開瞼と術後1カ月のスコア間には有意差なし(p=0.212)
・術前エスターマンスコアは年齢と有意な負の相関(r=-0.3404,p=0.027)、術前MRD1と有意な正の相関(r=0.4766,p=0.001)を認め、・術後スコアの改善率は術前スコア(r=-0.683,p<0.001)および挙筋機能(r=-0.3899,p=0.023)と有意な負の相関を認めた
【結論】
・エスターマン両眼開放視野検査は,眼瞼下垂術後の視野改善効果を定量的に予測しうる簡便な方法と思われた

【ポイント】
・図4:テーピング開瞼によるシミュレーション;40.9%は術後と一致、47.7%は低評価
→術前テーピング開瞼によるエスターマンスコアの改善を認めた症例には、積極的に手術を勧めることができると考えられる(MK)

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