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その他のジャーナル

2021
65巻

糖尿病性黄斑浮腫に対するアフリベルセプトTreat-and-extend療法

その他のジャーナル 65巻(3号)2021

Treat-and-extend therapy with aflibercept for diabetic macular edema: a prospective clinical trial
Takao Hirano, et al. (信州大学)
Jpn J Ophthalmolo. 2021 May;65(3):354-362.
・糖尿病性黄斑浮腫(DME)に対しての抗VEGF注射の頻度とコストが、重要な問題であると考える。優れた治療効果を維持しながら、抗VEGF注射と受診の回数を最小限に抑えるための治療法を開発する必要がある。
糖尿病性黄斑浮腫(DME)に対してアフリベルセプト(Eylea)を使用し、最長の治療間隔を16週間に設定したT&E療法の有効性と安全性を調査する。
・最初のIAI (intravitreal aflibercept injection)後の16週間は導入期と見なし、その間は月1回連続5回投与した。最初のIAIの1週間後、ベースライン時のFA所見に従って、局所/グリッド光凝固術が実施した。その後、局所光凝固術は約4週間後に実施した。
・IAI再注射基準は(1)OCTの中心窩領域網膜厚(CST)が最低値から150 µmの増加、(2)OCTで新規または持続性の嚢胞性網膜変、網膜下液、持続的なびまん性浮腫がありCSTが約350µm以上の場合。患者は8週間隔でIAIを受け、再注射基準のいずれも満たさなかった場合、受診間隔は4週間刻みで8週間から16週間(最大)に延長された。
・31人31眼の患者が1年間のアフリベルセプトT&E療法を完了した。平均CSTはベースライン時501.9±109.4 µmから1年後172.0±137.2 µmに減少した(P < 0.001)。
・平均ETDRS BCVAは、ベースラインの60.4±15.4文字から64.6±に文字に改善した。
・治療間隔は、52週目の最終投与と前投与の間隔は38.7%(12/31)で8週間、16.1%(5/31)で12週間、45.2%(14/31)で16週間だった。平均IAI数は7.0±1.1回だった。
・視力の改善は少なかったが、最長の治療間隔を16週間に設定したT&Eアフリベルセプト療法はほとんどの患者で満足のいく結果で、来院と治療の数を減らす可能性がある。(CH)

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