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その他のジャーナル

2022
41巻

再発性角膜びらんの診断のための角膜スイープテスト

その他のジャーナル 41巻(10号)2022

Implementation of the Corneal Sweep Test in the Diagnosis of Recurrent Corneal Erosion: A 2-Year Retrospective Study
Madeleine Eun-Ji Kim, et al. (US GA)
Cornea. 2022 Oct; 41(10): 1248–1254.
目的:標準的な診断方法と角膜スイープ テスト (CST) と呼ばれる新しい技術を使用して、再発性角膜びらんの発生率を評価する。
・対象と方法:以前に再発性角膜びらんと診断されたことのある 51 人58 眼。
・CSTは確認できる角膜病変がない患者に対して実施された。
・CSTのためにキム角膜スイーパー(Katena)と呼ばれる専用の器具が開発された。これは、角膜表面全体をさっとなでて接着の悪い上皮の領域を特定するために使用される。点眼麻酔薬をして、フルオレセイン色素で染色した後、キム角膜スイーパーで角膜表面に接線方向に弱い圧力をかる。 正常な角膜では涙液のためスイープ操作がスムーズで、角膜上皮に外傷を与えない。 しかし、接触の弱い上皮部分では、その下にある上皮基底膜から分離して局所的なひだ(潜在的な角膜びらん)を作成する。
・結果: 58 眼中 9眼は細隙灯顕微鏡検査で角膜びらんを確認できた。49眼で CST が必要だった。そのうちの 34眼はCSTでひだの形成(潜在的な角膜びらん)を認めた。
・原因は、白内障手術 (28 眼、48.2%)が最も多く、20眼は白内障手術後にのみ症状を発症し、すべて白内障手術の切開創の真上にびらんを認めた。
・対象として健康な角膜のコントロール40眼にCSTを行った。38眼 (95%)では異常を認めなかったが、2 眼 (5%) で約 1 mm のひだの形成(潜在的な角膜びらん)を認めた。
・結論:CSTは、細隙灯顕微鏡検査では角膜所見がない場合に角膜びらんを診断するのに役立つ新しく効果的な技術である。白内障手術は切開創部分が角膜びらんの原因となる可能性があるため、重要な危険因子だった。CST は 再発性角膜びらんや持続性眼痛症候群の患者に有用であると思われる。(CH)

   

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