眼科JOURNALトップ > その他のジャーナル > カフェイン摂取とドライアイの関係

その他のジャーナル

2023
42巻

カフェイン摂取とドライアイの関係

その他のジャーナル 42巻(2号)2023

The Relationship Between Caffeine Intake and Dry Eye Disease
Magno, Morten Schjerven, et al. (Netherlands)
Cornea 42(2):p 186-193, February 2023. 

・目的:カフェイン摂取とドライアイ(DED) との関連性を調べる。
・対象と方法:オランダの大規模なLife lines コホートベースライン成人データ から85,302 人が参加した(平均年齢  50.7 歳 (12.4; 18–96) で、50,339 人(59%)が女性)。この内 9% がWomen’s Health Study ドライアイアンケートを使用して DED と判断されていた。 食事中のカフェインは、コーヒー、紅茶、コーラ、エナジードリンクの摂取量から計算された。
・結果: 平均カフェイン摂取量は 285mg/日、主なカフェイン源はコーヒーであり、男性と女性のカフェイン摂取量のそれぞれ 92% と 89% を占めていた。
・人口統計、体格指数、喫煙状況、およびアルコール摂取量を補正した後、カフェイン摂取量が多いほど、DED のリスクが低下した (オッズ比 (OR) 100 mg/日あたり 0.971、95% CI、0.956 –0.986、P < 0.0005)。しかし、さらに併存疾患を補正すると、有意差は認められなかった (OR 0.985、95% CI、0.969–1.001、P = 0.06)。
・カフェイン入りコーヒーは、DED リスクの低下と独立して関連する唯一のカフェイン源だった。 お茶とカフェイン抜きのコーヒーがDEDリスクの増加と関連していた。
・結論:カフェインはアデノシンに拮抗することで中枢神経系を刺激する。アデノシンは神経活動を阻害し、睡眠と覚醒のサイクルを調節している。 アデノシン受容体は眼にも存在し、涙腺の分泌に影響を与える可能性があるが今回の研究では、食事からのカフェイン摂取はDED の危険因子ではなかった。(CH)

過去のアーカイブ