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その他のジャーナル

2024
38巻

眼内炎とエンドトキシン:特にTASSについて(特集)

その他のジャーナル 38巻(4号)2024

福岡佐知子、中村友昭
IOL&RS 38(4): 560-583, 2024
・エンドトキシン(内毒素)はグラム陰性細菌の細胞壁成分であり、Toxic anterior segment syndrome(TASS)を引き起こすことがある。
・手術用滅菌手袋のエンドトキシン汚染について調査した所、4種類の手袋のうち3種類の手袋表面からエンドトキシンが検出されたが、手袋をエンドトキシンフリーの水で洗浄することにより、エンドトキシン量を減らすことができる。
・いったんエンドトキシン汚染が起こると、たとえ菌を死滅させてもエンドトキシンそのものは残存し、除去もしくは失活させることが困難である。
・失活させるためには250℃ 以上で30分以上の乾熱減菌が必要であり、通常の高圧蒸気減菌法ではエンドトキシン不活化率は89%であるとの報告もある。
・高圧蒸気減菌において、純水の使用は減菌プロセスの効率化と機器の保護において重要である。
・一般的な水に含まれるミネラル(例:CaやMg)は、蒸気生成時にオートクレーブ内部に蓄積すると、加熱効率が低下し、均一な滅菌を困難にし、TASSの要因となり得る。
・滅菌前の洗浄によって対象物の汚れが除去されることで、蒸気やガスが均―に浸透しやすくなり、減菌の効率が向上する。(TY)

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