鳥居(慶応大)
あたらしい眼科 42(4): 459-460, 2025
・強度近視眼では成人以後も眼軸長が伸び続けている。
・20歳以上の成人の近視の進行程度は0.04~0.4D/年程度。
・強度近視眼(SE-6D以下)の年齢別の眼軸長伸長を調べた報告では、7歳~18歳未満では0,46mm/年。18歳~40歳未満では0.07mm/年。40歳~70歳未満では0.13mm/年。
・50~70歳でも中等度~急速に眼軸長が伸長する症例がある。
・幼少期において屋外活動が近視進行を抑制するが、20~28歳の成人でも屋外活動は近視進行抑制効果があることが報告されている。
・屋外環境に存在するバイオレットライト(360~400nm)が関与している可能性。
・IOL手術時に短波長カットのIOLを挿入した群(VLカット群)と、一部カットするIOL挿入群で、白内障手術後5年間の近視進行を比較した報告によると、VLカット群でIOL術後も有意に近視が進行した。
・短波長に感受性がある内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)が関与し、長時間の屋外活動でのVL受光により、脈絡膜厚が有意に厚くなり、近視抑制につながっているだろう。(TY)