Efficacy of the Rho-Kinase Inhibitor for Corneal Endothelial Protection in Fuchs Endothelial Corneal Dystrophy After Phacoemulsification
Benjama Keeratidamkerngsakul, et al. (Thailand)
Cornea 2025(7);44:896–904
目的:ROCK阻害剤は、細胞増殖、遊走、接着を促進することで角膜内皮再生を促進する可能性があることが実証されている。
・フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)患者の、PEA+IOL術後の角膜内皮保護に対するRhoキナーゼ(ROCK)阻害剤の有効性を評価する。
対象と方法:白内障を伴うFECD患者31名48眼。
・PEA+IOL後1ヶ月間、抗菌薬点眼とステロイド薬に加えて、ROCK阻害剤(リパスジル)点眼群(24眼)またはプラセボを1日4回投与する対象群(24眼)に無作為に割り当てた。
・点眼は全て1日4回、1ヶ月使用した。
・角膜内皮細胞密度(ECD)、中心角膜厚(CCT)、および角膜混濁を測定した。
・手術はCENTURION Vision Systemを使用。
・結果:リパスジル投与群では、角膜内皮細胞の喪失が有意に減少した。
・中心ECDは、ベースラインの2361cells /mm²(2151~2571)から術後 1 週間で 2255(2045–2465)cells /mm²に低下した後、術後1 か月で 2324(2114–2534)cells /mm²、3 か月で 2506(2296–2716)cells /mm² に増加し、ベースラインの 中心ECD より高くなった。
・対照群の平均中心ECDは、ベースラインでは2354(2144~2564)cells /mm²であり、術後1週間で1978(1768~2188)cell /mm²に低下した後、1ヶ月後に2067(1857~2277)cells /mm²、3ヶ月後に2204(1994~2414)cells /mm²に増加した。
・術後3ヵ月時点で、対照群における中心ECD減少率は、ベースラインと比較して6.1%であったが、リパスジル群では -9.0%であり、中心ECDが有意に増加したことを示した。
・傍中心ECD減少率は、リパスジル群で0.4%であったのに対し、対照群では7.3%であった(P = 0.128)。
・角膜混濁は、リパスジル群ではほぼ変化がなかったが、対照群では経時的に有意に増加した。
・平均CCTは、両群ともベースラインから3ヶ月後までわずかに増加したが、群間に有意差は認められなかった。
・有害事象はリパスジル群では、結膜充血が最も多かった。
・結論: ROCK阻害剤点眼薬は白内障手術を受けるFECD患者において、角膜内皮細胞の減少を予防し、内皮機能を改善する有益な効果を示し、角膜透明度が良好に維持された。(CH)