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Retina

2011
31巻

硝子体手術後に緑内障発症リスクは大きくなるか

Retina 31巻(6号)2011

Does vitrectomy increase the risk of glaucoma? (Editorial)
Thompson JT(MD USA)
Retina 31(6): 1007-8, 2011
・Chang(AJO 141:1033,2006)とLuk(Retina 29:218,2009)は硝子体手術は特に偽無水晶体眼では緑内障を発症しやすいと報告し、Yu(Graefes Arch Clin Ex Ophthal 248:1407,2010)とLalezary(Retina 31:679,2011)は緑内障発症のリスクは増加しないと報告している。
・Changは硝子体術後の緑内障発症リスクは15-20%で、原因は線維柱帯への酸化障害だとしている。
・Lukは有水晶体眼では2%、偽水晶体眼では13%に緑内障が発症するとした。
・Yuは術眼では緑内障4.3%、高眼圧症4.3%、他眼では緑内障2.5%、高眼圧症3.0%で傾向はあるが、有意差はないとした。
・Lalezaryの症例は多くが糖尿病眼で、元来虚血性の糖尿病眼では線維柱帯に酸化障害は起きにくいと考えられる。
・結論は得られていないが、硝子体手術を行った眼は緑内障についての経過観察が大切であろう。

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