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Retina

2012
32巻

網膜中心静脈分枝閉塞症に対しトリアムシノロン・アセトニドの硝子体注射を行なった後の黄斑部の感度と形態

Retina 32巻(9号)2012

Macular sensitivity and morphology after intravitreal injection of triamcinolone acetonide for macular edema with branch retinal vein occlusion
Hidetaka Noma et al (Tokyo Women’s Medical University, Japan)
RETINA 32: 1844-1852, 2012
・BRVOによる黄斑浮腫の治療のためトリアムシノロン・アセトニドの硝子体注射後黄斑部の感度、厚さ、黄斑全体の体積の変化を評価する。
・黄斑浮腫のあるBRVO患者17名17眼に4.0㎎/0.1mlのトリアムシノロン・アセトニドの硝子体注射(IVTA)を施行。FA上の毛細血管灌流域により、患者を虚血型と非虚血型に区別した。マイクロぺリメトリーを用いて黄斑の感度を中心4°,10°,20°で測定。黄斑の厚さと体積はOCTで測定した。
・平均黄斑厚は中心4°,10°,20°で硝子体注射後明らかに減少した(すべてP<0.001)。また全黄斑の体積も減少した(すべてP<0.001)。視力は術後3か月と6か月で明らかに改善した(P=0.002)。3つの範囲での黄斑の感度も改善した(すべてP<0.05)。これらの検査結果に虚血型と非虚血型で明瞭な差は認めなかった。(虚血10名、非虚血7名。年齢、性別、高血圧と高脂血症の有無、BRVOの罹患期間すべて差なし)。
黄斑部の区域
・IVTAは白内障の悪化、眼内圧の上昇の合併症のため使用頻度が減少し、抗VEGFが多くなっているが、TAにて黄斑浮腫が改善し厚みが減少することが視細胞の機能回復となり、虚血型でも視力改善し有効と思われる。(YM)

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