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Retina

2013
33巻

中心性漿液性脈絡網膜症での中心窩厚の初期変化

Retina 33巻(2号)2013

EARLY CHANGES IN FOVEAL THICKNESS IN EYES WITH CENTRAL SEROUS CHORIORETINOPATHY
Masayuki Hata, et al. (神戸大)
RETINA 33(2): 296-301, 2013
・最新のOCTを使ってCSCの臨床経過中の病理学的変化を評価する。
・2008.12.~2011.4. の間に神戸市医療センターを受診しCSCと診断された60人60眼(男性40人40眼、女性20人20眼)平均年齢55.4±11.6歳(29~77歳)、平均自覚症状持続時間 3ヶ月(0.1~84ヶ月)
すべての患者は初診時、視力、診察、OCTを行った。
CSCの診断は眼底検査、OCT、FA/IAで行った。
患者を3グループに分けた。症状の持続時間によって
  グループA:1ヶ月以内(25眼)、56.6±17.2歳、82.4±9.1μm
  グループB:1~6ヶ月(17眼) 、48.5±10.5歳、70.2±11.8μm
  グループC:6ヶ月以上(18眼) 、54.5±16.1歳、53.5±17.7μm
・視力はAと比べCは悪かった。AとBに有意差はなかった。
視力に有意差がないのに、外顆粒層はAと比べBで有意に薄かった。
コントロール眼の外顆粒層の厚みは89.3±10.7μmと、Aと比べ際立って厚かった。
外顆粒層の非薄化は早い段階から始まり、SRDがなくなるまで進行する。
SRDがなくなるととたんに、最高6ヶ月で外顆粒層の減少が停止する。
・結果、SRDの消失がより早いと、光受容体の損失をより避けられることを示唆した。
また、SRD消失後、光受容体の損失が継続したことを示唆した。同時に、損傷した外顆粒層が回復しなかったことを確認した。
外顆粒層の厚さでSRDの持続時間を推測できるかもしれない。視力低下はSRDが半年以上たったケースで認められたため、今後CSCの治療のタイミングに役立つかもしれない。
この研究では、視力を維持するための外顆粒層の厚さの限界は決定できなかった。(CH)

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