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Retina

2015
35巻

感染性眼内炎において灌流液に0.025%のポビドンヨードを入れたBSSプラスを用いて行ったVitrectomy

Retina 35巻(6号)2015

VITRECTOMY USING 0.025% POVIDONE-IODINE IN BALANCED SALT SOLUTION PLUS FOR THE TREATMENT OF POSTOPERATIVE ENDOPHTHALMITIS
Hiroyuki Nakashizuka et al (日大)
RETINA 35(6):1087-1094, 2015
<In vitro Study>
0%~0.0001%のポビドンヨード(PI)入りBSSとBSS PLUSをS. aureusに15秒と15分暴露しその効果を検討
両群とも0.01%以上の濃度であれば、15秒の暴露でも検出限界以下になった
<過去の報告より>
S. epidermidisに対しては0.013%以上であれば有効であった (rabbit)
網膜に対する毒性は0.027%以下であればよい (rabbit)
角膜内皮に対する毒性は0.05%以下であればよい (in vitro)
以上から0.013%~0.0.027%の間であればよいと考えられ、今回のスタディでは0.025%を採用した
0.025%のPI-BSS(Plus)作成後何分で有効性がなくなるかを検討
BSSでは作成後60分でも有効であったが、BSS-Plusでは15分まで有効で、30分では効果が減弱した
PI-BSS Plusで効果が減弱するのは、酸化型グルタチオンやカルシウム、マグネシウム、デキストロースなどの添加物が遊離ヨードの状態に影響したためと考える。
<Clinical Study>
10%PI 1.25mlを500mlのBSS-Plusに入れて0.025%PI-BSS Plusを作成
術後感染性眼内炎のVit灌流液として使用
術後はバンコマイシン1mg/0.1mlとセフタジジム2mg/0.1mlを硝子体注射
イミペネム0.5gを一日4回・5日間点滴
術翌日より1.5%レボフロキサシンと0.5%セフメノキシム点眼を一日6回点眼
4例の感染性眼内炎:1例では術直前の前房水・硝子体液の培養でCNSが検出、術後の培養では検出されなかった
術後の抗菌剤を投与しているので、PI-BSS Plusの効果がどの程度かはわからないし、ERGや視野に対する影響を評価することは困難であるが、0.025%PI-BSS Plusは臨床的には有効であると考えられる(MM)

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