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Retina

2016
36巻

黄斑上膜手術後の神経節細胞層の厚さと視力の改善

Retina 36巻(2号)2016

GANGLION CELL LAYER THICKNESS AND VISUAL IMPROVEMENT AFTER EPIRETINAL MEMBRANE SURGERY
SU JEONG SONG, et al. (Korea)
RETINA 36(2): 305–310, 2016
目的:特発性黄斑上膜に対する硝子体手術を受けた症例の手術前の網膜層の厚さと視力の関連を調べた。
対象と方法:特発性黄斑上膜に対する硝子体手術を受けた76人(男性37人、女性39人)、平均年齢71歳、43人が眼内レンズ眼だった。
術後3ヶ月後のBCVAによって2グループに分けた。
グループ1 スネレン視力で2ライン以上の視力改善した25例
グループ2 スネレン視力で2ライン未満の視力改善だった51例
症状持続時間以外、グループ1と2の間に有意差はなかった。
網膜の各層の厚さ、比率を検討した。
結果:術前平均視力 0.54 ± 0.24 (20/69)、術後3ヶ月平均視力0.40 ± 0.30 (20/50)( P < 0.001)と改善した。
平均CFT/GCL比 グループ1  5.44±0.74、グループ2  5.06±11.80.58 (P = 0.03)
症状持続時間、年齢、レンズの状態、術前視力を調整後、CFT/GCL比が術後3ヶ月で2ライン以上視力が改善したことと関連していた。
結論:術前の高いCFT / GCL比が独立して術後の視力改善と関連していた。
手術前の網膜厚、より薄いGCLが術後の視力改善を予想する因子となる。薄いGCLは損傷した組織を改善する能力があり、厚いGCLは改善する事が出来ない損傷した組織を表すのかもしれない。(CH)

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