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Retina

2017
37巻

網膜静脈分枝閉塞症からの黄斑浮腫に対するラニビズマブ硝子体内注射

Retina 37巻(4号)2017

 RANIBIZUMAB FOR MACULAR EDEMA AFTER BRANCH RETINAL VEIN OCCLUSION
One Initial Injection Versus Three Monthly Injections
YUKO MIWA, et al. (京都大学)
RETINA 37(4):702-709, 2017
目的:BRVOからのMEに対し、ラニビズマブ硝子体内注射を初回1回+PRN又は初回1ヶ月毎3回+PRNで治療し、12ヶ月間経過観察し評価した。
対象と方法: 81眼(1回+PRN 42眼、3回+PRN 39眼)、中心窩網膜厚(CFT)250μm以上、症状持続時間6ヶ月以下の症例。
毎月経過観察し、中心窩の滲出性変化が明らかに増えたときに硝子体注射を追加した。
ラニビズマブ硝子体内注射以外の治療はしていない。
結果:注射回数は 1回+PRN 3.8 ± 1.8回、3回+PRN  4.6 ± 1.4回。
視力 baseline時 1回+PRN 0.321±0.242(20/42)、3回+PRN 0.317± 0.244(20/41)
   12ヶ月後   1回+PRN 0.075±0.235(20/24)、3回+PRN 0.029± 0.140(20/21)
両群間で有意差はなかった。
baseline時、視力が20/40以上とそれ以下の症例に分けて検討すると、
   baseline時 20/40以上  0.129±0.091 (20/27)、20/40以下 0.481±0.210 (20/61)
   12ヶ月後  20/40以上 0.036±0.115 (20/18)、20/40以下  0.135±0.221 (20/27)
12ヶ月後20/40以上の症例と20/40以下の症例では同等の有意な改善を示した(P < 0.001)。
12ヶ月後の良好な視力は、若い年齢、ベースライン時の良い視力、中心窩厚が薄い事と関連していた(P = 0.003、<0.001、<0.001)。
両群で、初回注射からPRN治療までの期間が短いことは、PRNでの注射回数の多さと関連していた。
81眼中、たった19眼(23.5%)のみPRNでの硝子体注射を必要としなかった。
結論:1回+PRNと3回+PRNで12ヶ月間治療後、視力、中心窩厚とも改善したが類似した結果だった。初回からPRNまでの期間が短い症例は注射回数が多くなった。(CH)

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