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Retina

2019
39巻

眼圧下降薬のAMD治療に対する影響

Retina 39巻(4号)2019

Effect of intraocular pressure–lowering medications on neovascular age-related macular degeneration treatment outcomes in the comparison of age-related macular degeneration treatment trials
Rahimy, Ehsan, Ying Gui-shuang, Pan Wei, Hsu Jason(USA-CA)
RETINA. 2019;39(4):636-647

【対象と方法】
・CATT試験(ranibizumabとbevacizumabの有効性・安全性を比較した2年試験)のサブ解析
・参加者1185名のうち、房水排出促進作用(PG剤)点眼薬使用をA群、房水産生抑制作用(βブロッカーまたはCAI)点眼薬使用をB群、どちらの点眼なしをコントロール群に割り付け(両剤使用例は除外)
【結果】
・A群28例、B群19例、コントロール群857例
・2年後の平均視力改善:コントロール群+6.3文字、A群+3.5文字(P=0.38)、B群+13.8文字(P=0.052)
・網膜厚の平均変化:コントロール群-54.9μm、A群-80.6μm(P=0.26)、B群-96.8μm(P=0.13)
・Total thickness(網膜+網膜下の病変)の平均変化:コントロール群-163μm、A群-180μm(P=0.63)、B群-238μm(P=0.08)
・多変量の縦断解析では、B群はコントロール群に比べて、より視力改善(2.6文字)、より網膜厚の減少(-17.9μm)、よりtotal thicknessの減少(-54.7μm)がみられた
【結論】新生血管AMDに対する抗VEGF療法中の患者において、房水産生抑制薬を同時に使用すると網膜・病変部の厚みがより減少し視力がより改善する。房水排出促進薬では同様の効果は見られなかった。サンプル数が少なくサブ解析であることより、これらの知見は更なる前向き試験の結果が出るまで解釈には注意すべきである。(MK)

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