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Retina

2019
39巻

抗VEGF薬投与後の眼圧上昇について

Retina 39巻(10号)2019

Effect of serial anterior chamber paracentesis on sustained intraocular pressure elevation in patients receiving intravitreal anti-vascular endothelial growth factor therapy.
Sisk RA et al(OH USA)
Retina 39(10): 1959-1964, 2019
・抗VEGF薬注入IVIを繰り返す患者の内、0.51%から11.6%において持続的な眼圧上昇が起こると報告されている。
・IVIは0.05mlの抗VEGF薬を30g針で注入し、前房穿刺の手法としては、その直後に30gか32g針の1ml注射器で0.03~0.05mlの前房水を抜き、眼圧を12mmHg以下にしている
・2010年から2013年の調査期間中に連続3回以上IVIを受けた419名の内、IVI後に前房穿刺を行ったことが連続3回以上あった17名(4.1%)を対象とした。
・前房穿刺の基準は、1)最初にIVIを行った直前のbaseline眼圧よりも注射前の眼圧が10mmHg以上高い、2)注射前の眼圧が25mmHg以上である、3)IVI期間中に視神経乳頭陥凹が拡大して開放隅角緑内障が伸展したものとし、一度、前房穿刺を行ったら、それ以降は常に前房穿刺を行うこととした。
・その17例23眼が平均26回(中央値26:4~47)、平均注射間隔は47日のIVIについて検討。
・各眼の前房穿刺回数の中央値は12回(平均値は13.5回)で、平均観察期間は36ヶ月(最初の前房穿刺の前19.6ヶ月、後16.4ヶ月)である。
・このなかにPOAG患者が4眼(17%)含まれている。
・平均眼圧上昇は16.3~21.1(p=0.004)で、平均C/D比増加は0.37から0.47(p=0.0002)であった。
・前房穿刺により平均眼圧は注入前の16.0に戻り、最高眼圧は26.8から23.0に低下した(p=0.05)。
・19眼(82.6%)では緑内障薬の追加が必要となり、13眼(56.5%)は追加治療が必要で、そのうち5眼(38.5%)はLTP(2眼)やLPT+濾過手術(3眼)が必要となった。
・IVI後の眼圧上昇には薬剤の線維柱帯に対する毒性、線維柱帯炎などの様々なメカニズムが考えられているが、真相は不明である。(TY)

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