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Retina

2022
42巻

Heavy SOでの黄斑円孔再手術

Retina 42巻(12号)2022

Treatment of persistent macular holes with heavy silicone oil.
Lohmann T et al(Germany)
Retina 42(12): 2258-2266, 2022
・初回のILM剥離手術で閉鎖が得られなかった黄斑円孔をheavy silicon oilで治療した63眼について報告する
・63眼中50眼(79.4%)で解剖学的な復位が得られた。
・初回の黄斑円孔手術前の視力はこれらの成功例では、logMARで0.77±0.24(Snellenで20/125)となり、円孔非閉鎖例の0.88±0.17(Snellenで20/160)より良好であった(p=0.044)。
・黄斑円孔の最小径は成功例で有意に小さかった。初回手術では403.4±128.7:568.1±209.1(p=0.009)、再手術では464.1±215.0:663.3±228.5(p=0.010)。
・黄斑円孔の初回手術例での成功率は85.0%~96.0%、2回目の手術では71.0%~81.0%との報告がある。
・Heavy SOの報告は2006年から報告されている。
・今回はDensiron 68(53眼)とOxan-HD(10眼)を使用した。
・Densironの濃度は 1.06g/cm3(25℃)で粘度は1,400mPas(ミリパスカル秒, 25℃)、Oxan-HDの濃度は 1.06g/cm3(25℃)で粘度は3,300mPas(25℃)
・SILIKON 1000(眼科用)ポリジメチルシロキサン:動粘度:980~1350 mm2/s、平均分子量:31,000~44,500。
・動粘度とは粘度をその液体の同一条件下(温度、圧力)における密度で除した値をいい、その単位 はセンチストークスをもちいる〔1cSt=1mm2/s〕。
・粘度とは液体内にずれ速度がある時、その速度の方向に単位面積において生ずるずり応力の大きさによって示される流体の内部抵抗(TY)

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