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British Journal of Ophthalmology

2006
90巻

黄斑円孔の大きさとILM剥離の必要性の検討

British Journal of Ophthalmology 90巻 (10号) 2006

Relationship between macular hole size and the potential benefit of internal limiting membrane peeling.
Tadayoni R et al(France)
Brit J Ophthalmol 90(10): 1239-41, 2006
・黄斑円孔の大きさとILM剥離の利点について検討した。
・連続する84例の原発性黄斑円孔で最低3ヶ月間は経過観察のできたものについて検討した。
・黄斑前膜を除去し、17%C2F6ガスを注入,10日間のうつ伏せを行なった。
・84眼中36眼はILM剥離を行なった。
・術後の閉鎖率は、黄斑円孔の大きさが400μm以上のものでは、ILM剥離眼では21/21(100%)、非剥離眼では 22/30(73.3%)(p=0.015)。
・大きさが400μm未満のものでは、ILM剥離眼では15/15(100%)、非剥離眼でも18/18(100%)。
・黄斑円孔が大きいもの(400μm以上)では、ILM剥離を行なったほうがよい

2006
90巻

緑内障の進行は短後毛様動脈の血流速度と関連している

British Journal of Ophthalmology 90巻 (10号) 2006

Glaucoma progression is associated with decreased blood flow velocities in the short posterior ciliary artery.
Zeitz O et al(Germany)
Brit J Ophthalmol 90(10): 1245-8, 2006
・緑内障(眼圧21以上) 114名、正常者ボランティア 40名で、短後毛様動脈SPCA、網膜中心動脈CRA、眼動脈の peak-systolic velocity(PSV), end-diastolic velocity(EDV), resistivity indexをcolor Doppler imaging(CDI)で測定した。
・緑内障114名の内、295±18日の経過観察で進行性であった12名では、停止性の緑内障や正常者に比較して、SPCAの PSVとEDVに有意な低下(p<0.001とp<0.05)、CRAのPSVに有意な低下(P<0.05)があったが、眼動脈、眼圧、収縮期血圧には差は見られなかった。
・緑内障進行は視神経乳頭を還流する小さな球後動脈の血流速度の低下と関連している。

2006
90巻

AMDにおける大量出血に季節変動はあるか

British Journal of Ophthalmology 90巻 (10号) 2006

Seasonal variations of acute massive submacular haemorrhage associated with age-related macular degeneration.
Iguchi Y et al(名古屋大)
Brit J Ophthalmol 90(10): 1256-8, 2006
・59例60眼のAMDに伴った急性大量の黄斑下出血の季節変動について検討。
・冬に多く、夏に少なかった(p<0.01)。
・月毎の発生は気温と反比例していた(p<0.01)。
・大量出血の季節変動は、高血圧者では有意であった。
・このことから、出血のメカニズムは全身の収縮期血圧と強く関連していることが推測された

2006
90巻

ECCE術後に大量発生した術後眼内炎

British Journal of Ophthalmology 90巻 (9号) 2006

An outbreak of endophthalmitis after extracapsular cataract surgery probably caused by endotoxin contaminated distilled water used to dissolve acetylcholine.
Boks T et al(Netherland)
Brit J Ophthalmol 90(9): 1094-7, 2006
・Indonesiaで行なったECCE手術後に大量発生した術後眼内炎の報告。
・3週間で43例を行い、17眼に術後眼内炎を発症した。
・acetylcholine溶解にはオートクレブで滅菌し保存してあった蒸留水が使用されたが、この蒸留水から、高濃度のeodotoxinと少量の同定不能なpseudomonas属(緑膿菌の属)が検出された。
・この蒸留液を17例中16例で使用していた

2006
90巻

DM黄斑症にたいするケナコルト硝子体内再注入の効果

British Journal of Ophthalmology 90巻 (9号) 2006

Decreasing efficacy of repeated intravitrealtriamcinolone injections in diabetic macular oedema.
Chan CKM et al(香港)
Brit J Ophthalmol 90(9): 1137-41, 2006
・4mgの硝子体内注入を、最初の注入から少なくとも26週以降(32.5±3.5週目)に繰り返し行なった10例10眼のDM黄斑症症例について検討。
・注入前と注入後、2,4,9,17週の矯正視力BCVA、中心窩厚CFTを調査した。
・2度目の注入では、BCVAは全ての時点で有意に悪く(p<0.05)、最良のCFT、4週後のCFTでもそれぞれ p=0.034, p=0.011で、有意に悪かった。
・2回目の注入では初回注入時ほどの効果は期待できない

2006
90巻

腸管手術後のVit A欠乏症

British Journal of Ophthalmology 90巻 (8号) 2006

Vitamin A deficiency in patients with a remote history of intestinal surgery.
Chae T et al(TX USA)
Brit J Ophthalmol 90(8):955-6,2006
・夜盲を来たすVitamin A欠乏症は腸管吻合手術後の吸収不良によって、手術後、数年以内に発生することが報告されている。
・Vitamin A欠乏の眼症状が発症する18年以上前に腸管手術を受けた3例を報告した。
・理解不能な視覚障害の患者をみたとき、腸管の手術後何年も経っていても、Vitamin A欠乏症を考慮すべきである

2006
90巻

落屑症候群では白内障手術で眼圧が低下する

British Journal of Ophthalmology 90巻 (8号) 2006

Intraocular pressure following phacoemulsification in patients with and without exfoliation syndrome: a 2 year prospective study.
Damji KF et al(Canada)
Brit J Ophthalmol 90(8):1014-8,2006
・超音波乳化吸引術後の眼圧値の変化が落屑症候群(XFS)と非落屑症候群で差があるかどうかを検討。
・隅角が開放している183名で検討。XFS 71名(XFG 29名含む)、非XFS 112名(POAG 29名含む)。
・術前眼圧 XFS 17.60±3.23 非XFS 16.08±3.18 (p=0.002)。
・手術2年後の眼圧値の低下量 XFS -1.85 非XFS -0.62 (p=0.0037)。
・        術前眼圧 2年後眼圧低下量 超音波時間 還流量ml
XFS    16.07±2.51  -1.85±0.63   0.90±1.35  313.0±143.5
control  15.23±2.57  -0.62±0.42   0.27±0.52  215.2± 50.8
XFG    19.81±2.90  -3.15±0.78   5.20±4.50  392.2±136.1
POAG  18.52±3.52  -1.54±0.86   2.52±3.75  240.2± 76.4
・XFSでの眼圧低下量は手術中の還流量と相関があったと筆者はしているが・・・
・落屑症候群では、緑内障があっても(XFG)、なくても(XFS)、非落屑群(正常あるいはPOAG)よりも眼圧低下量が有意に大きかった

2006
90巻

非血管性前部虚血性視神経症と睡眠時無呼吸症候群

British Journal of Ophthalmology 90巻 (7号) 2006

Non-arteritic anterior ischaemic optic neuropathy is nearly systematically associated with obstructive sleep apnoea.
Palombi K et al(France)
Brit J Ophthalmol 90(7):879-82,2006
・非血管性前部虚血性視神経症(NAION)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関連を検討
・NAIONと新規に診断された患者を睡眠中polysomnographyで検査し、SASがあるかどうかを検討。
・NAIONの古典的リスクとされている高血圧、糖尿病、高脂血症、内頚動脈の動脈硬化病変についても検討。
・27名のNAION(男18名、女9名、年齢65±8歳、body mass index 27.2±3.8Kg/m2)
・27名中24名(89%)にSASがみられ、NAIONがSASを持っている率は、一般人口の4.9倍であった(p<0.001)
・SASはNAIONに古典的に合併するとされている高血圧や糖尿病の1.5~2.0倍の頻度で合併する最も頻度の高い障害であり、NAION患者にはSASに関する質問票を系統だてて提示するべきであろう

2006
90巻

tPAの網膜内移行

British Journal of Ophthalmology 90巻 (7号) 2006

Recombinant tissue plasminogen activator injected into the vitreous cavity may penetrate the retinal veins of a porcine model of vascular occlusion.
Mahmoud TH et al(USA)
Brit J Ophthalmol 90(7): 911-5, 2006
・硝子体注されたtPAが網膜に到達するかどうか豚眼で検証
・4頭8眼の視神経を1時間クランプし、CRVOのモデルを作り、4眼に75μgのtPAを注入し、4眼に生食を注入し、2時間後に眼摘出し、組織検査。 2頭4眼にはクランプせず、同様に注入し検査
・両群共に、tPAはILMに強く染色し、静脈壁にも染色されたが、動脈壁には染色されなかった。
・ILMがtPAの網膜への移行を妨げている可能性がある

2006
90巻

SLTの術後3ヶ月間の眼圧低下効果

British Journal of Ophthalmology 90巻 (6号) 2006

Selective lase trabeculoplasty: predictive value of early intraocular pressure measurements for success at 3 months.
Johnson PB et al(MA USA)
Brit J Ophthalmol 90(6):741-3,2006
・2001-2004の間に SLTを行なった95例132眼を対照とした retrospective study.
・年齢 69.8±11.7歳、術前眼圧 20.9±5.0mmHg
・POAG 90眼(68%)、NGT 17眼(13%)、PE 15   眼(11%)など
・術2週間後に1mmHg以上の眼圧低下のあったものは、4週後、3ヵ月後も99.24%が低い眼圧を示していた。
・11%以上の眼圧低下:2週間後(59%)、4週間後(54%)、3ヵ月後(68%)
・1%以上の眼圧低下:2週間後(73%)、4週間後(78%)、3ヵ月後(76%)

2006
90巻

緑内障における頭蓋内視神経

British Journal of Ophthalmology 90巻 (6号) 2006

Human glaucoma and neural degeneration in intracranial optic nerve, lateral geniculate nucleus , and visual cortex.
Gupta N et al(Canada)
Brit J Ophthalmol 90(6): 674-8, 2006
・POAGの79歳男性の視神経以降の病理所見
・視交差までは、軸索の消失が著明、LGNは正常者に比べ、小さく、visual cortexではcortical ribbonが薄い

2006
90巻

モーツアルトのピアノソナタは視野測定に有効か?

British Journal of Ophthalmology 90巻 (5号) 2006

Improved automated perimetry performance following exposure to Mozart.
Fiorelli VMB et al(Brazil)
Brit J Ophthalmol 90(5):543-5,2006
・Mozartのピアノソナタは、空間的時間的推理能力を一過性に高め、右前脳、左側頭頂葉の脳波の干渉性活動があることも知られている(Mozart effect)
・Mozartのピアノソナタを10分間聴いた直後に検査した30名と静かな部屋に10分間留まっていた30名で、ハンフリー自動視野計(SITA 24-2)の検査結果に差がでるかを検討
・Mozart’s Sonata for Two Pianos in D Major (K448)
・被検者は平均年齢は22-23歳の検査に慣れていない男女半々である
・ピアノソナタを聴き終ってから、検査終了までの時間は10分以内で、右眼のみ施行。
・聴いた群では固視不良、false positive error, false negative error の発生率が有意に減っていた(p<0.05)

2006
90巻

前嚢CCCの縫合

British Journal of Ophthalmology 90巻 (4号) 2006

Suturing a tear of the anterior capsulorhexis.
Kleinmann G et al(UT USA)
Brit J Ophthalmol 90(4):423-6,2006
・5眼の72時間以内の新鮮な死体摘出眼で検討。
・CCC亀裂を1) 9-0 Ethilon 9011 CS 160-6、2) 9-0 Prolene D-8229 CTC-6L、3) 10-0 Prolene 9090 CTC-6 で縫合し、その引っ張り強度を検討。
・2)が最良であった

2006
90巻

ステロイド抵抗性アレルギー結膜炎にシクロスポリン点眼は有効か?

British Journal of Ophthalmology 90巻 (4号) 2006

Randomised controlled trial of topical ciclosporin A in steroid dependent allergic conjunctivitis.
Daniell M et al(Australia)
Brit J Ophthalmol 90(4):461-4,2006
・シクロスポリンA 0.05%でステロイド離脱ができるかどうか検討。
・2重盲検では、シクロスポリンA 0.05%点眼はプラセボーよりも良いとは言えなかった

2006
90巻

甲状腺眼症の屈折変化

British Journal of Ophthalmology 90巻 (3号) 2006

Refractive change in thyroid eye disease (a neglected clinical sign).
Chandrasekaran S et al(Australia)
Brit J Ophthalmol 90(3):307-9,2006
・甲状腺眼症TEDの5例で眼窩減圧術による屈折度変化を検討。
・1例では減圧術前に3.75Dの遠視化が起こった。
・減圧後1日から9ヵ月後に全例で1.0-2.5D近視化した。
・2例では眼軸長増加が近視化の原因であった。
・1例では減圧前の遠視化は眼球後極部の平坦化によることがMRIで判明し、これは減圧後に解消していた。
・遠視化の進行は甲状腺眼症の活動性を示唆するものと考えた

2006
90巻

AMDに対する硝子体内ケナコルト注入とPDTの併用療法

British Journal of Ophthalmology 90巻 (3号) 2006

Combined photodynamic therapy and intravitreal triamcinolone injection for the treatment of subfoveal choroidal neovascularization in age related macular degeneration: a comparative study.
Chan WM et al(Hong Kong)
Brit J Ophthalmol 90(3):337-41,2006
・48例48眼のAMDによる中心窩下CNVに、IVTAとPDTの併用を24眼、PDTのみを24眼。
・併用群はPDT直後にIVTAを行なった。
・logMAR BCVAは、PDT+IVTA群 0.88-0.95(視力 0.13-0.11)(有意な悪化はないp=0.32)。PDT群 0.74-1.09(少数視力 0.18-0.08)(有意に悪化 p<0.001)
・PDT+IVTA群とPDT単独群の1年後の視力低下を来さなかった割合は70.8%と33.3%(p=0.009)
・predominant classic, occult CNVのいずれでも、PDT+IVTA群が視力低下防止に有意

2006
90巻

シェーグレン症候群に対するピロカルピン治療

British Journal of Ophthalmology 90巻 (2号) 2006

Conjunctival epithelium improvement after systemic pilocarpine in patients with Sjogren’s syndrome.
Aragona P et al(Italy)
Brit J Ophthalmol 90(2):166-70,2006
・15名のShogren症侯群患者で検討
・2ヵ月間、ピロカルピンを内服し、1ヵ月後(T1)、2ヵ月後(T2)、中止後2週間後(T3)に検査
・全身、眼科所見、BUT、角膜染色、シルマーテスト、結膜imprintingを行なった
・結膜imprintingでの goblet細胞数の変化
1.6±0.6(T1)、0.6±0.7(T0)、T1でT0より増加 p=0.025。
5.1±1.7(T2)、T0,T1よりT2で増加 p<0.001。
1.9±1.1(T3)、T3ではT2より減少 p<0.001。
・口渇感、目の異物感はT1,T2で改善した。BUTはT2で有意に改善
・ピロカルピン内服は涙の分泌とは無関係にgoblet細胞の増加、結膜上皮の改善が得られる

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