Cataract surgery management in patients taking tamsulosin. Staged approach.
Manvikar S et al(UK)
J Cataract Refract Surg 32(10): 1611-4, 2006
・tamsulosin内服中の20例32眼で検討。
・術前の散瞳良好(type1+2 pupil):17/32眼(53%)。このうち、術中に縮瞳(type2 pupil):7/32(22%)
・術前より中等度散瞳で術中に時に縮瞳(type3 pupil):12/32(38%)
・術前より散瞳不良(type4 pupil):3/32(9%)。
・IFISの出現は左右眼で異なっている。
・2.5% phenylephrine Minims 0.25mlを2mlのBSSに溶いたもの前房内投与(30秒間)は有効である
Brinzolamide 1% versus apraclonidine 0.5% to prevent intraocular pressure elevation after neodymium:YAG laser posterior capsulotomy.
Unal M et al(Turkey)
J Cataract Refract Surg 32(9): 1499-502, 2006
・文献的にはNd:YAGレーザー後嚢切開後の 5mmHg以上の眼圧上昇は20%-95%に発症する。
・この調査は、115名のYAG切開後の眼圧上昇を brinzolamide 1%(B群)とapraclonidine 0.5%(A群)が抑制するかどうかについて検討した。
・施行1時間前に点眼し、その時の眼圧、術後1,2,3時間、7日後に眼圧測定。
・術後の5mmHg以上の眼圧上昇はB群の12.2%、A群の10.3%に発症。
・10mmHg以上はA群の3.5%、B群の1.7%に発症。
・20mmHg以上の眼圧上昇者はなかった。
・両群とも眼圧のスパイク上昇を同等に抑制した
Corneal melting associated with topical diclofenac use after laser-assisted subepithelial keratectomy.
Zanini M et al(Italy)
J Cataract Refract Surg 32(9): 1570-2, 2006
・25歳の男性で、LASEK後に防腐剤の含まれないジクロフェナック点眼を1日4回使用し、角膜軟化をきたした症例の報告。
・術後、SCL装用し、軽度の角膜浮腫があったが、20/60まで視力改善。
・術後5日後に角膜融解が始まり、視力は指数弁に低下したのですぐに点眼を中止し、デキサメサゾン点眼1日5回と眼帯を開始。
・治療開始後6日目に角膜欠損は治癒、1ヵ月後の視力は1.0。
・NSAID点眼による角膜融解にはステロイド点眼が効果がある
Prevalence and clinical findings of tamsulosin-associated intraoperative floppy-iris syndrome.
Cheung CMG et al(UK)
J Cataract Refract Surg 32(8): 1336-9, 2006
・2005.3-8の2390眼の白内障手術で検討。
・17眼(15名)がtamsulosin内服しており、5眼(30%)が典型的な3主徴、6眼(35%)が不全型、6眼(35%)は症状がなかった。
・tamsulosin内服期間はIFISの重症度とは無関係であった
Tripan blue-assisted neodymium:YAG laser treatment for overfiltering bleb.
Kahook MY et al(USA)
J Cataract Refract Surg 32(7): 1089-90, 2006
・MMC使用の線維柱帯切除後の低眼圧黄斑症に対し、Nd:YAG緑レーザー(532nm) 300ms, 1000mW, 100-300μmを使用し、tripan blueで染色した濾胞の辺縁の結膜をHoskins lensを用いて凝固。
・結膜上皮が凝固され、結膜収縮を確認。
・第1回目50発、2回目40発照射し、眼圧が上昇してきた
Posterior capsule opacification after cataract surgery in patients with diabetes mellitus.
Ebihara Y et al(滋賀医大)
J Cataract Refract Surg 32(7): 1184-7, 2006
・posterior capsule opacificatio(PCO)の発生が糖尿病者、非糖尿病者で異なるかをそれぞれ42例で検討。
・使用眼内レンズはAlcon MA60BM アクリルIOL。
・posterior capsule opacification(POCO) system:反帰光線撮影を術後3、6、12ヵ月後に行なった。
・術後6、12ヵ月後ではDM群ではPCO値はコントロール群よりも有意に高かった(p=0.002とp=0.03)
Opacification of the Hydroview H60M intraocular lens: total patient recall.
Balasubramaniam C et al(UK)
J Cataract Refract Surg 32(6):944-8,2006
・Hydroview IOL(H60M)の混濁に付き頻度などを検討した。
・2000.9から2001.4までに手術を行なった1265例1330眼につき、2004.4-2004.10に調査した。
・193眼(14.5%)にIOL混濁、56眼(4.2%)で視力低下を来たす混濁によりIOL交換。
・IOL混濁は移植時期で異なり、2000.9は1.1%で最低で、2000.12は36.3%で最高頻度
・IOL混濁による症状は視力低下(57%)、グレア(32%)、雲霧感(27%)。
・糖尿病眼の混濁は21.5%で、非糖尿病眼の14.3%で有意差があった(p=0.06)
・緑内障眼の混濁は20.5%で、非緑内障眼の14.0%と有意差があった(p=0.033)
Intracorneal ring segments for keratoconus correction: Long-term follow-up.
Alio JL et al(Egypt)
J Cataract Refract Surg 32(6):978-85,2006
・円錐角膜の屈折矯正のために角膜リング(Intacs)を2000.4から2001.12までに移植した13眼の検討。
・眼鏡での最高矯正視力(BSCVA)は、術前の0.46から術後は0.66に上昇(p<0.001)。
・術後6ヶ月と36ヶ月でBSCVAの有意な変化はなかったが、36ヶ月では平均k値が1.67D有意に上昇した
Intacs adjustment surgery for keratoconus. Pokroy R et al(Israel)
J Cataract Refract Surg 32(6):986-92,2006
・角膜リング(Intacs)を挿入した58眼のうち、7眼で追加手術を必要とした。
・4眼は乱視の増強(過矯正による遠視3眼、低矯正1眼)。
・乱視、遠視は上方を除去すれば通常は軽快する
Quantification of macular and optic disc hyperfluorescence after phacoemulsification in diabetes mellitus.
Escaravage Jr GK et al(USA)
J Cataract Ref Surgery 32(5):803-11,2006
・DM患者24人30眼。過半数は網膜症がないか、あっても単純網膜症のもの
・PEA手術後の黄斑部、傍中心窩、視神経乳頭のFAGでの過蛍光を調べ、黄斑厚み、糖尿病網膜症、手術2ヵ月後のlogMAR最良矯正視力(BCVA)間の関連を調査した。
・術後に黄斑部、傍中心窩、視神経乳頭の過蛍光は増強し、黄斑部厚みも増加していたが、糖尿病網膜症は進展していなかった。
・過蛍光と黄斑部厚みとの関連はなかったが、傍中心窩の過蛍光は術後にBCVAの改善が少なかったことと関連が見られた
・重症単純網膜症あるいは増殖性網膜症患者では、術後の視機能予後は悪いと予想される
Suppression of fibroblast and bacterial adhesion by MPC coating on acrylic intraocular lenses.
Shigeta M et al(東京医大)
J Cataract Ref Surgery 32(5):859-66,2006
・HOYAアクリルIOLを、そのまま、MPCでコーティングしたもの、メチレンガスでコーティングしたものに分け、黄色ブ菌、fibroblastの培養液につけ、IOL表面に接着する度合いを測定した。
・細菌培養液は、1分、5分、1時間、24時間漬けてから5秒間洗浄
・fibroblast培養液には96時間漬けて、5回洗浄した
・細菌培養液に1分間漬けた場合のIOL表面の細菌数は MPCコーティングでは0.7x106CFU、コーティングしなかったもの、plasmaコーティングしたものはいずれも 2.0 x106CFU(p=0.03、p=0.02)で、有意差があった。
・96時間fibroblastで培養した場合は、IOL表面に接着したfibroblastは、MPCコーティングでは 2.2/mm2、コーティングしなかったもの57.6/mm2、plasmaコーティングしたもの125.8/mm2との間に有意差があった(p=0.009)。
・MPCコーティングはIOL移植後の眼内炎発症を抑制するのに有効である
Modified SST-USST for tamsulosin-associated intraocular floppy-iris syndrome.
Arshinoff SA(Canada)
J Cataract Refract Surg 32(4):559-61,2006
・Floppy-iris症候群の手術の際には、SST(soft-shell)-USST(ultimate soft-shell techniques)が有用である。
・Viscoatを前房の75-80%に入れ、その後、前嚢前にHealon5を注入し、前房容積の90%を占めるようにする。
・両者の境界面を瞳孔縁上に持ってくることによって、瞳孔の動きを抑えるのがよい
Hydrophilic acrylic intraocular lens as a drug-delivery system: pilot study.
Kleinmann G et al(USA)
J Cataract Refract Surg 32(4):652-4,2006
・Hydrophilic アクリルIOLを24時間、第4世代fluoroquinoloneである、gatifloxacinあるいはmoxifloxacinに漬け、移植した
・6rabbits12眼に嚢内移植し、術終了時にこの抗生剤を1滴点眼したコントロール眼と比較した。
・Gatifloxacin 2時間後 21.0、6時間後 9.11、コントロールの4時間後 0.72μg/ml
・Moxifloxacin 2時間後 29.5、6時間後 6.14、コントロールの4時間後 0.80μg/ml
・前房水を2,4,6時間後に採取。時間が経つと減少するが、6時間後であっても、高い濃度が検出された
Severe photic phenomenon.
Ernest PH et al(USA)
J Cat. Ref. Surg 32(4): 685-6, 2006
・69歳男性 両眼の問題のない白内障手術の後、薄暮、夜間のハローで、運転等ができなくなった。 IOLはAcrysof Natural 19.0D
・点眼治療(ピロ、ブリモニジン)で改善せず
・シリコンレンズ(StaarAQ5010V 0D)の毛様溝へのpiggy bag 移植を施行し、症状は改善、1眼でレンズのずれが生じ、再度症状出現したが、位置の修正で消失
・レンズのエッジからの光の反射のパターンを変えるのではないか?
ESCRS study of prophylaxis of postoperative endophthalmitis after cataract surgery. Europeal multicenter study(1)Case,(2)Results
Seal DV, Barry P et al(UK)
J Cataract Ref Surg 32(3):396-410,2006
・術前に Povidon-iodine 5%点眼を行ない、術後は levofloxacin0.5%点眼を行なった
・1、術前 levofloxacin 0.5%を5回点眼、かplacebo点眼
・2、術終了時に前房内に cefuroxime 1mg/1ml生食を投与したか、しないか。(第2世代セフェム系 ジナセフ 1.5g/1V静注用)
・眼内炎発症は、1(-)2(-):13例 / 3438例、1(+)2(-):10例 / 3424例
・術終了時に前房内に cefuroxime 1mg/1ml生食を投与は有意に眼内炎発症を抑えた
New method of surgical repair for 360-degree cyclodialysis.
Yuen NSY et al(China)
J Cataract Ref Surg 32(1):13-7,2006
・44歳男性、10ヵ月前外傷、水晶体前進の浅前房、視力0.1、眼圧5mmHg、脈絡膜剥離
・治療:超音波乳化吸引術後、Capsular tension ring(1 eyelet)を10-0プロリンで毛様溝縫着し、アクリルIOLを嚢内固定
・術後、USBで毛様体解離部は閉鎖し、眼圧、脈絡膜剥離、乳頭浮腫、黄斑症は改善
Acute haptic-induced ciliary sulcus irritation associated with single-piece AcrySof intraocular lenses
ussell M. LeBoyer, Liliana Werner, Micheal E. Snyder, Nick Mamalis, Christopher D. Riemann, James J. Augsberger(USA-OH)
J Catacact Refract Surg 2005;31(7):1421-1427
症例1:24歳男性、後嚢サポート不十分のためsulcus固定。術後17か月で3回以上の難治性虹彩炎と眼圧上昇(52mmHg)。Soemmerring’s ringの除去と3ピースIOLに交換。以後の経過の記載なし。
症例2:48歳男性、後嚢破損のためAcrySof SA30ALをsulcus固定。翌日にIOL下方偏位、少量の硝子体出血。術後1wで眼圧33mmHg、線維柱帯に高度の色素沈着。術後4wで更なるIOL下方偏位と前房出血、硝子体出血再発、複視と視力低下(20/200)を自覚。Haptic部の虹彩萎縮。3ピースシリコンIOLへの交換・sulcus固定で視力改善、眼圧正常化。
症例3:70歳女性、他院で2年前に白内障手術。術後より前房炎症・前房出血・硝子体出血による視力低下の発作を繰り返す。虹彩周辺部の萎縮により照明が透過。UBMにて耳側hapticが前嚢の前にあり虹彩裏面と接触していることが判明。CCCが耳側に大きく広がり、そこからhapticが嚢外に出て虹彩と接触していた。Uveitis-glaucoma-hyphema(UGH)症候群との診断でIOL交換。3ピースIOL(MA60AC)の嚢内固定で改善。
全症例で虹彩萎縮がみられ、鏡検では摘出IOLの前面・光学部およびhapticのエッジ・研磨されていない光学部側面に色素散布がみられた。症例3では色素散布は脱出hapticおよびその付着部に多くみられた。
四角い光学部エッジ・四角いhapticエッジのデザインである1ピース アクリルIOLはsulcus固定を推奨されない(MK)