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その他のジャーナル

2011
55巻

眼軸長と前房内VEGF

その他のジャーナル 55巻 (4号) 2011

Negative correlation between aqueous vascular endothelial growth factor levels and axial length.
Sawada O et al(滋賀医大)
Jpn J Ophthalmol 55(4): 401-4, 2011
・白内障以外には、糖尿病などの疾患のない60例60眼(72.1歳44-89歳)の前房水を白内障手術時に採取し、VEGF濃度を測定した。
・VEGF濃度は116.6±46.7pg/ml(25-241)であり、眼軸長は24.09±2.06mm(20.98-31.95)。
・VEGF濃度は年齢、性などとは相関がなかったが、眼軸との間にはピアソン相関係数 -0.373(p=0.003)で、負の相関があった。
・眼軸が長く、前房硝子体内にVEGFが拡散している?
・あるいは、眼軸が長くなり網膜が薄くなったためにVEGF産生が減った?などが考えられた。

2011
55巻

近視性脈絡膜新生血管に対するアバスチン注入後の黄斑剥離

その他のジャーナル 55巻 (4号) 2011

Macular detachment after successful intravitreal bevacizumab for myopic choroidal neovascularization.
Shimada N et al(東京医科歯科大)
Jpn J Ophthalmol 55(4): 378-82, 2011
・74例74眼の近視性脈絡膜新生血管CNVに対し、bevacizumabの硝子体内注射IVB後の黄斑部網膜剥離RDについて検討した。
・OCTはIVBの1週間後とその後毎月測定し、6ヶ月以上経過観察した。
・4例(5.4%)で黄斑部RDを発生した。3例はIVB後1カ月で黄斑部RDを発生。
・1例ではIVB前から存在した黄斑部RDが増加した。
・4例全例でIVB施行前から黄斑部の網膜分離症があったが、黄斑部RDの発生のなかった70例は全例、経過観察中に網膜分離症はみられなかった。
・黄斑部RDの4例全例で、OCT上では、RDの上縁に外層の層状孔が発生していた。

2011
55巻

難治世緑内障での脈絡膜上への瀘過

その他のジャーナル 55巻 (4号) 2011

Suprachoroidal implant surgery in intractable glaucoma.
Palamar M et al(Turkey)
Jpn J Ophthalmol 55(4): 351-5, 2011
・難治性緑内障に対して脈絡膜上にバルブのないシリコンチューブを15例(53.0±24.5歳 7-85歳)に移植し、17.1±4.8ヶ月(10-28ヶ月)経過観察した。
・術前眼圧は2-3剤を使用して33.1±9.8mmHgであり、最終眼圧は16.5±7.9(10-35)mmHgであった。
・眼圧は薬剤使用例も含め、93.3%で、21mmHg以下にコントロールできた。
・薬剤使用なしでコントロールできた例は13.3%であった。
・瀘過の証明である薄い脈絡膜剥離は全例でみられ、66.6%で眼圧を30%以上低下させた。

2011
65巻

IOLマスターを用いた線維柱帯切除術後の眼軸長測定

その他のジャーナル 65巻 (3号) 2011

松葉卓郎他(高槻日赤)
臨眼 65(3): 387-91, 2011
・30眼の線維柱帯切除術、47眼のIOL+線維柱帯切除術を対象として、術前後のIOLマスターでの眼軸長測定を行った。
・単独群では術前25.47±2.01→術後24.98±2.03mm、同時群では術前24.50±1.59→術後24.19±1.57mmへ短縮(いずれも、p<0.0001)。
・眼圧が1mmHg低下すると眼軸長は0.025mm短縮(R=0.183 p<0.0001)。
・屈折値は単独群では-5.30±4.35→-4.88±4.35D(変化量+0.42±1.21D)、7/29眼で1D以上遠視化。
・同時手術での屈折誤差は-0.65±0.94、屈折誤差が±1D以内は31/46眼、15/46眼は1D以上近視化していた。

2011
55巻

緑内障での黄斑部GCC測定の有効性

その他のジャーナル 55巻 (3号) 2011

Glaucomatous eye macular ganglion cell complex thickness and its relation to temporal circumpapillary retinal nerve fiber layer thickness.
Kita Y et al(東邦大)
Jpn J Ophthalmol 55(3): 228-34, 2011
・77名77眼を正常(27眼)、初期緑内障(25眼)、中末期緑内障(25眼)に分け、耳側のRNFL厚、黄斑部GCC厚を3群で比較した。
・屈折度とHFAでのMDは、正常群(-0.3±1.9D、-0.3±1.4dB)、初期群(-2.7±2.3D、-3.1±1.8dB)、中末群(-2.4±2.2D、-10.8±3.8dB)で、いずれも有意差があった(p=0.001、p<0.001)。
・上方と下方の平均mGCC厚は、正常群(97.7±9.5、98.3±8.6μm)、初期群(83.8±8.5、75.5±7.7μm)、中末群(78.0±12.6D、72.5±13.6μm)で、いずれも有意差があった(p<0.001、p<0.001)。
・RNFL厚も全部位で有意差があり、例えば耳側では、正常群(111.4±11.1μm)、初期群(82.9±8.6μm)、中末群(78.2±10.8μm)であった。
・乳頭黄斑束以外では、初期緑内障でmGCCとt-RNFL厚とは有意な相関があった(r=0.38~0.75)。
・中末期緑内障群でもmGCCとt-RNFL厚とは有意に相関があった(r=0.43~0.81)。
・緑内障の初期からmGCCとRNFLとは同じ様に薄くなっており、両者間には高い相関がみられ、RNFLとmGCCは緑内障の初期変化を同じ様に検知することができる。
・しかし、初期緑内障ではRNFLの乳頭黄斑束では、mGCCが薄くなっていても、RNFL厚に異常が出ていないこともある。

2010
3巻

IOL Masterを使用した眼軸長測定における白内障のdensityの影響

その他のジャーナル 3巻 (11号) 2010

太田丈生他(奈良医大)
眼臨紀 3(11): 1145-7, 2010
・白内障患者56名56眼で、術前に白内障densityをScheimpflug videophotography(EAS-1000)を用いて測定。白内障手術の術前と術後3ヶ月目にIOL Masterで眼軸測定を行った。
・白内障の核のdensityは 3376.1±1395.1(1042~7619)であり、術前-術後の眼軸長差は0.058±0.045(-0.044~0.176)であり、両者間に有意な相関がみられた。
・眼軸長差=0.0002*density-0.0023((R=0.55 p<0.001)。
・眼軸長の 0.1mmの誤差=0.3 Dの屈折誤差
・水晶体核部の屈折率の変化が、術前の眼軸長をやや長くする主因である

2010
54巻

NTGに対するニプラジロール点眼とチモロール点眼の差

その他のジャーナル 54巻 (4号) 2010

Visual field loss in patients with normal-tension glaucoma under topical nipradilol or timolol: subgroup and subfield analyses on the Nipradilol-Timolol Study.
Araie M et al(東大)
Jpn J Ophthalmol, 54(4), 278-85, 2010
・146名の視野欠損が軽度から中等度のNTG患者でnipradilolかtimolol点眼で視野欠損の進行度を調査した。
・3年間経過観察し、6ヶ月毎に30-2のハンフリープログラムで経過観察した。
・MD(dB/y)はnipradilolで-0.03、timololで-0.05(p>0.4)。両群とも中心部上方視野のTDmeanと、CPSD (corrected pattern SD)の変化は -0.3と0.2-0.3で、いずれも有意な変化であった(p<0.001)。
・視野の初期変化のある患者あるいは、40歳未満の患者ではnipradilol群ではtomolol群よりも視野変化は緩やかであった。
・nipradilol群-timolol群の推定傾斜は 0.38-0.66dB/year(p<0.05)であった。

2010
54巻

POAGとNTGの視神経乳頭形状の差について

その他のジャーナル 54巻 (4号) 2010

Different types of optic disc shape in patients with advanced open-angle glaucoma.
Nakazawa T et al(東北大)
Jpn J Ophthalmol, 54(4), 291-5, 2010
・視力が0.3以下、あるいは、視野のMDが-24dB以下の進行した緑内障の視神経乳頭形状を分析した。
・開放隅角緑内障はPOAGとNTGに分け、視神経乳頭形状型は局所虚血型(FI)、近視性緑内障型(MY)、加齢硬化型(SS)、陥凹拡大型(GE)の4群に分けた。
・750例の緑内障のうち、141例(18.8%)の進行緑内障について検討した。
・そのうち、進行したOAGは47%であり(POAG:28%, NTG:19%)、POAGでは視神経乳頭形状がGEが多く(分類可能の内の20/34=59%, p=0.0012)、NTGではMYが多かった(分類可能の内の 27/36=75%, p<0.0001)。

2010
64巻

水晶体関連合併症に1ポート硝子体手術を施行した2例

その他のジャーナル 64巻 (3号) 2010

小鹿倉他(東京女子医大)
臨眼 64(3): 335- 9, 2010
・20Gインフュージョンカニューラに25Gトロカールカニューラを挿入したシステム

2010
2010巻

DSAEK術後の角膜上皮のdowngrowth

その他のジャーナル 2010巻 (1号) 2010

A post-DSAEK danger: epithelial downgrowth
Doran M(AAO)
Eye Net 2010(1): 25-6, 2010
・今までの全層角膜移植後の eththelial downgrowthの発症率は1%未満であった。
・増殖した上皮細胞はDonorからのものであるとの報告がある

2010
54巻

中心性網脈絡膜症の視力改善とIS/OS line

その他のジャーナル 54巻 (1号) 2010

restoration of outer segments of foveal photoreceptors after resolution of central serous chorioretinopathy.
Ojima Y et al(京大)
Jpn J Ophthalmol 54(1): 55-60, 2010
・中心性網脈絡膜症CSCが改善した70例74眼のレコードをOCTのIS/OSラインを指標として検討した。
・53眼(71.6%)で、IS/OSラインは網膜剥離の吸収とともに発現し、視力も改善していた。
・残りの21眼(28.4%)ではIS/OSラインはCSCの改善直後には検出されず、視力も0.1~1.5(中間値0.9)であった。
・この21眼中15眼をOCTで経過観察した所、4眼ではIS/OSラインは結局、発現せず、視力も不良であった(3眼で0.15、1眼で0.8)。
・9眼ではIS/OSラインが2か月から16カ月で発現し、視力も改善してきた(0.8~1.5)。

2009
80巻

本邦の視覚障害の現状と将来(総説)

その他のジャーナル 80巻 (8号) 2009

山田昌和(東京医療センター)
日本の眼科 80(8): 1005-9, 2009
・2007年現在、日本には164万人の視覚障害者(良い方の矯正視力が0.5未満)が存在し、内188,000人が失明者(良い方の矯正視力が0.1未満)であると推定された。
・視覚障害の主要原因は、緑内障(24.3%)、糖尿病網膜症(20.6%)、変性近視(12.2%)、加齢黄斑変性(10.9%)、白内障(7.2%)であり、この上位5疾患で、全体の3/4を占めている

2009
53巻

PhNRの発生源

その他のジャーナル 53巻 (6号) 2009

Photopic Negative Response fo full-field and focal macular electroretinograms in patients with optic nerve atrophy.
Tamada K et al(岩手医大)
Jpn J Ophthalmol  53(6): 608  14, 2009
・視神経萎縮患者での、full-fieldと局所ERGでのphotopic negative response (PhNR)の変化を検討した。
・平均年齢55歳の8例10眼。full-fieldも局所ERGも、a波、b波の振幅は変化がなかったが、full-field PhNR振幅は10眼中6眼で優位に低かった。
・正常であった4眼は全例、中心暗点の症例であった。
・局所PhNR振幅は、10眼全例で低下していた。PhNRの発生起源は網膜神経節細胞とその軸索と考えられた

2009
63巻

緑内障性視神経症は構造障害が機能障害に先行するのか

その他のジャーナル 63巻 (3号) 2009

中村誠(神戸大)
臨眼 63(3): 261-6, 2009
・Quigleyらの発表後、視野障害が現れる時には、病理組織学的には既に相当な割合で網膜神経節細胞RGCが障害されていると信じられている。
・静的視野で5dBの感度低下は20%、10dBの低下は40%のRGCが失われているとの報告がある。
・ただ、5dB感度低下は67%の感度低下、10dB感度低下は90%の感度低下である。
・神経線維の喪失に比例して機能障害が進行しており、GONにおける機能と構造の関係は線形対応である

2009
30巻

生体網膜上の錐体比の測定(総説)

その他のジャーナル 30巻 (3号) 2009

山内泰樹(山形大理工): 視覚の科学  30(3): 57  64, 2009
・今まで、網膜上のL、M、S錐体比の推定はPokorny,1991の心理物理実験によるしかなかったが、最近、錐体比率を非侵襲的手段で推定する方法が提案されてきた。
・補償光学(AO:adaptive optics)システム、選択的光腿色手法、網膜電図ERGによる分光視感効率、遺伝子解析による錐体比率測定法などがある。
1)AOシステム:本来は、天体写真の画像を補正する技術で、波面センサーと歪み補正用のnm単位で駆動が可能な可変形ミラーから構成される。
・波面センサー用の使用波長は790nmで、撮影はバンド幅550nmの干渉フィルタを通った光で測定。
・光学的歪みを劇的に小さくすることができる。
2)選択的光腿色法:腿色光で錐体の光吸収量を変化させた直後のフラッシュ光に対する錐体の光吸収量の挙動から錐体を特定させ、各錐体の散布図を作成する。
3)ERGでのflicker photometry法でのL、M錐体の分光視感効率の測定からL/M比を推定する。
・この比率はAOシステムでの測定比率とほぼ一致している

2008
52巻

SSOS、トップレス乳頭、double-ringサイン

その他のジャーナル 52巻 (6号) 2008

Superior segmental optic nerve hypoplasia in youth.
Takagi M et al(新潟大)
Jpn J Ophthalmol 52(6): 468-74, 2008
・Superior segmental optic nerve hypoplasia(SSOH)の7例11眼について検討。
・男性3、女性4、年齢15.1±3.4歳で、全員視力は良好で、マリオット暗点に向かって繋がっていたりいなかったりする下方視野欠損が見られ、それに一致するNFLDも見られた。
・乳頭形状は様々で、7眼にdouble ring sign、3眼にsmall disc、1眼に不完全なtopless discが見られた。
・妊娠中の母親の糖尿病は1例もなかった。
・Topless disc(Hoyt WF):1)網膜動静脈入口部の上方偏位、2)乳頭上方のscleral halo、3)乳頭上方部の蒼白化、4)上方のNFLD、5)胎生期に母親が1型糖尿病を有していた症例に発症する場合が多い(母親のDMコントロールが悪く、早産が多い為)。
・Optic Disk Size and Optic Disk-to-Fovea Distance in Preterm and Full-Term Infants.Don Julian et al (UK) :IOVS 47:4683-6, 2006。
・Optic nerve hypoplasia (ONH) は視神経axon数が減少ており、diskの脱色素と過剰色素のリング(double-ring sign)が特徴であり、23%でみられた。
・これは正常な視神経乳頭発達過程で、乳頭は生下時からほぼ倍の大きさになるが、この発達がdouble-ring signを消失させると考えている。発達が悪いと、これが残存すると考えている

2008
6巻

瀘過手術後のbevacizumabでのneedling

その他のジャーナル 6巻 (4号) 2008

Needle bleb revision with bevacizumab.
Kahook MY(CO USA)
Techniques in Ophthalmol 6(4): 111-3, 2008
・線維柱帯切除術後あるいは濾過deviceを埋め込んだ患者で、術後早期に強い繊維血管性の増殖が発生した場合、瀘過胞の周囲に血管集結が起こり、瀘過胞は消失してしまう。
・これに対しては強いステロイド点眼、切糸、MMCなどによるneedlingを行うが、それでも駄目な場合に一つのオプションとしてbevacizumabでのneedlingを行った
・27G針をつけたツベルクリン注射器に1.0-1.25mg bevacizumab(0.04-0.05ml of 25mg/mL)を取り注入した

2008
53巻

眼圧測定値の検証

その他のジャーナル 53巻 (3号) 2008

Assessment of true intraocular pressure: the gap between theory and practical data.
Chihara E(京都)
Surv Ophthalmol 53(3): 203-18, 2008
眼圧測定値の文献的考察をした力作

2008
20巻

初期視覚メカニズムと瞳孔反応

その他のジャーナル 20巻 (3号) 2008

辻村誠一(鹿児島大工)
Vision(日本視覚学会) 20(3): 145-54, 2008
・等輝度グレーティング(同じ振幅のL錐体グレーティングとM錐体グレーティングを逆位相加算したもの)、輝度グレーティング(L,M錐体グレーティングを同位相、同コントラストで加算したもの)として、刺激光を作成した。
・瞳孔反応は等輝度グレーティングに対する反応の方が大きく、色メカニズムの感度が輝度メカニズムの感度よりも高かった。
・瞳孔反応の潜時は200-300msecであるが、等輝度刺激に対する反応は輝度刺激に対する反応より70-100msec遅れている。処理段階あるいは経路が異なることによる差であろう。
・最近、視物質メラノプシンを含む特別な神経節細胞(mRGC)が発見された。
・このmRGCは単体で光刺激に神経応答をし、その信号は生体リズムを調整していると考えられている視交叉上核や瞳孔反応をつかさどっている視蓋前域などに投影しており、赤色刺激には反応せず、青色刺激に対してのみ反応しているようだ
・メラノプシンmelanopsinについては、日眼112(9):831-6,2008を参照

2007
61巻

甲状腺眼症に対するボツリヌス毒素の効果

その他のジャーナル 61巻 (8号) 2007

甲状腺眼症の上眼瞼後退に対するA型ボツリヌス毒素治療効果と眼窩MRIの筋肥大所見との検討
高本他(オリンピア眼科)
臨眼 61(8): 1509-12, 2007
・上眼瞼後退に対して初回ボツリヌス治療を行った甲状腺眼症23例28眼で検討。
・上眼瞼後退は23眼(82%)で改善

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