Effect of axial length reduction after trabeculectomy on the development of hypotony maculopathy.
Matsumoto Y et al(神戸大)
Jpn J Ophthalmol 58(3): 267-275, 2014
・MMC使用した線維柱帯切除後、4週間目の眼圧が6mmHg以下の25眼について低眼圧黄斑症の発症について検討した。
・10眼は低眼圧黄斑症を発症しており、15眼は発症していなかった。
・発症例と非発症例では年齢47.7±6.2:63.3±9.6歳(p=0.0002)、眼軸長の短縮度5.91±2.76:1.51±0.91%(p=0.0001)であったが、ロジスティク多変量回帰分析では年齢だけが低眼圧黄斑症に関与していた(OR=0.82 95%CI=0.71-0.95 p=0.0075)。(TY)
Preserve the (intraocular) environment: the importance of maintaining normal oxygen gradients in the eye
David C. Beebe et al (Washington Univ. MO)
Jpn J Ophthalmol 58(3): 225-231, 2014
・眼内酸素は網膜動脈と角膜からの拡散によって供給され、硝子体ゲルと水晶体で消費される。酸素分圧が高くなると酸素毒性で白内障やPOAGのリスクが上がる。
・毛様体の動脈からも供給されるが、毛様体の部位では酸素分圧は低い。可能性としてミトコンドリアの活動が盛んで、毛様体上皮での消費が多いことと、水晶体での消費が多いことが考えられる。
・硝子体手術後に硝子体の酸素分圧は上昇し、白内障の進行がみられる。しかし水晶体があるため前房や隅角の酸素分圧上昇は抑えられる。
・糖尿病網膜症患者では虚血のため、硝子体手術後でも白内障の進行は少ない。
・白内障単独手術では水晶体(IOL)前面の酸素分圧上昇は生じるが、隅角はそれほど上昇しない。
・硝子体と白内障同時手術では隅角の酸素飽和度が上昇し、それによってTMのダメージが引き起こされ、POAG発症のリスクとなると考えられる。
・残せるものであるなら硝子体手術で可能な限り水晶体温存が望ましいのではないか。(MM)
堀内二彦(堀内眼科;山梨県)
眼科臨床紀要7(2):83–89, 2014
【目的】角膜には鉄粉異物がなぜ多いのか、角膜鉄粉異物でなぜ虹彩毛様体炎が生じやすいのか、そして角膜鉄錆症の易出現環境について検討。
【方法と結果】(1)様々な薬液に浸したガーゼ上に鉄片を置いて、鉄の錆び方を観察。【図1-3】
(2)生理的食塩水に浸したガーゼ上にソフトコンタクトレンズ(SCL)を載せ、さらにそのSCL上に鉄片を置いて、鉄の錆び方を観察。【図4】
(3)病歴で、鉄粉を入れた時間が正確に確認できた症例について前房フレア値を測定。【図5】
(4)鉄キレート剤のデフェロキサミンメシル塩酸を浸したガーゼ上に鉄片を置いて、鉄の錆び方を観察。【図6】
【結論】(1)鉄は環境条件により表皮状鉄錆、顆粒状鉄錆、液状の形態を示した。(2)角膜の鉄粉付着性は、涙液主要成分の電気化学的特性が関与していると考えた。(3)角膜鉄粉異物では、早期から鉄イオンが前房へ流れ、前房内で顆粒状鉄錆を形成し、虹彩毛様体炎が生じ、前房フレア値が上昇すると考えた。(4)レボフロキサシンには鉄キレート作用があることを確認した。
*追加実験ではガチフロでも同様の結果、別の報告ではオフロキサシンが金属複合体を形成(キレート効果についての言及なし)→キレート効果はニューキノロン系薬液の共通特性?(MK)
Paracentral scotoma in glaucoma detected by 10-2 but not by 24-2 perimetry.
Hangai M et al(埼玉医大)
Jpn J Ophthalmol 58(2): 188-196, 2014
・SAP 10-2を3回行い、傍中心窩暗点を確認。
・Spectralis OCTで黄斑部を垂直スキャン(30°x15°)、TOPCON OCT-2000で黄斑厚を測定。
・24-2で暗点が検出されず、10-2で検出された3例を報告。
・2例は傍中心窩でRNFLとGCLが薄いことが検出され、1例では乳頭黄斑束にRNFLとGCLが薄いことが検出された(TY)
湯川英一 ら
あたらしい眼科 31(2):260-262,2014
正常者31例(38.7±9.2(21-54)歳、男/女=18/13)で安静時と息止め時、はき出し後1,3,5,10分後の眼圧をiCare眼圧計で測定
安静時と息止め時での動脈血酸素飽和度を測定
安静時:13.1±3.0mmHg
息止め時:19.2±3.9mmHg
息止め中止後 1分後:12.6±3.0mmHg 3分後:12.4±2.7mmHg
5分後:12.5±2.7mmHg 10分後:12.3±2.7mmHg
動脈血酸素飽和度は最大11%の低下がみられ、眼圧上昇幅と動脈血酸素飽和度の低下幅に有意な正の相関
息止めにより胸腔内圧上昇→中心静脈圧が上昇→上強膜静脈圧が上昇したと考えられる
SAS患者では胸腔内圧が陰性となり静脈血流の増加などにより心臓への負担が増えるとされており、静脈圧の大きな変動に伴い眼圧も変動している可能性がある。また酸素飽和度の低下もみられるため、眼圧上昇をきたしていることが考えられる。
今後SAS患者での検討を予定(MM)
Muller cells separete between wavelenghs to improve day vision with minimual effect upon night vision.
Labin AM, Safuri SK, Ribak EN, Perlman I
Nat Commun 5: 4319-4328, 2014 (日本の眼科85(9):1292,2014 )
・分光器としてのミュラー細胞の驚くべき機能の発見(日本の眼科85(9):1292,2014 吉田武史(東京医歯大)
・ミュラー細胞は網膜のほぼ全域に分布し,支柱のようにカバーしている
・ミュラー細胞は内境界膜側に広がる漏斗型をしており,その反対側では視細胞の錐体細胞と接している
・さらには錐体細胞の周りに取り囲むように存在する15個程度の桿体細胞にも接している。
・ヒト剖検眼から採取した傍黄斑部網膜,昼行性であるギニアピッグから採取した網膜を用いて実験
・ミュラー細胞が光路として視細胞に特殊な働きをするのではないかと考えた
・内境界膜側に漏斗型に開いているミュラー細胞に光を投影
・視細胞へと光を伝達する様子を光の波長を変えて観察:緑黄(560nm)と青(430nm)の二つの波長光
・網膜前面に投影された緑黄の波長光はミュラー細胞の漏斗状の形状に応じて約11倍まで集光された後、錐体細胞へと運ばれていた
・ミュラー細胞により伝達される光の波長の特性について調べたところ560nmにピークをもち,L-coneの視物質の吸収スペクトルとほぼオーバーラップし,M-coneとも近いスペクトルを示した。
・青の波長光については視細胞に到達するまでの間にミュラー細胞から周囲に散乱
・錐体細胞を取り囲む桿体細胞らに約半分の青色光が分配されていることが明らかになった
・日中の視機能に重要な赤から緑の波長光をミュラー細胞が効率よく集光し錐体細胞に当て視機能を高めていること。
・錐体細胞を取り巻く桿体細胞には夜間色として最も一般的な青から紫の波長光をミュラー細胞がある程度割り当てている
・光が弱く桿体細胞が重要な役割を果たす夜間にも,昼間の視機能を損なうことなく対応できるメカニズムになっている
・特殊な形状からミュラー細胞が波長に応じた光の分配機能を有するだろう(TY)
Nicotinic Acid Treatment for Retinal Vein Occlusion
Majid Abrishami et al. (MD USA)
Patient Saf Qual Improv, Vol. 2, No. 1, Win 2014,37-43
目的:網膜静脈閉塞症に対するニコチン酸(ビタミンB3)の効果を評価する。
対象と方法:CRVO 又は BRVOの患者20人21眼
虚血性CRVO 14人、非虚血性CRVO 5人、両眼BRVO 1人
5人が高血圧、1人は糖尿病だった。
ニコチン酸を1日3回100mgずつから始まり、1週毎に300mgずつ増やして1日3回1000mgまで増やし、トータル
12週間続けた。
よくある副作用である顔面紅潮を抑えるために最初の1ヶ月はアスピリン1日100mgを服用した。
発症から治療開始までの平均期間 59.69 ± 71.60 days (range 10- 240 days)
結果:4人が脱落し、2人が過敏反応と高血糖で脱落したため、15人16眼、平均年齢59.56 ± 11.12歳、
経過観察期間8.6 ± 2.7ヶ月。
視力 治療前 1.56 ± 0.66、治療1ヶ月後 1.38 ± 0.72 (p>0.05)、治療3ヶ月後0.88 ± 0.69 (p<0.01)、
最終視力0.97 ± 0.73 (p<0.01)
最終視力で8眼が治療前の視力を維持し、他は有意に改善していた。
虚血性CRVO 4眼(50%)、非虚血性CRVO 2眼(40%)が3 line以上改善した。
20/200より視力が悪い患者は68.7%から31.2%に減少した。
治療3ヶ月後、全ての患者で出血範囲、CWS、黄斑と視神経乳頭浮腫の減少、静脈の拡張を認めた。
ハンフリーMD値は治療前 – 29 ± 9、治療後3ヶ月 -24±7(p<0.01)、最終 -28±9 (p <0.05)だった。
副作用は、皮膚紅潮、蕁麻疹、糖尿病悪化(空腹時血糖値93mg/dl→102 mg/dl)を認めたが、いずれも軽症だった。
結果:ニコチン酸により血管拡張を誘発し、側副血管の発達に十分な時間を提供する。副作用はあるが軽かった。(CH)
眼灌流液中にガラスアンプルによるガラス片異物を認めた1例
助川俊之(石川)
臨眼 67(12): 1875-1878, 2013
・ガラスアンプル製剤(ボスミン注1mg)から眼灌流液にガラス片異物(1.0×1.5mm)が混入した症例の報告。
・同症例に使用したオペガードの残余眼灌流液を5μmサイズのフィルターで瀘過した所、15-113μm大のガラス片12個を見つけた。
・ガラスアンプルカット時に混入したと思われる。
・A)ボスミン注、B)注射用蒸留水(20ml)の2種を用い、2名で再現実験を行った所、1名ではA)では16-135μmのガラス片様異物26個、B)では42-98μm異物を3個、もう1名ではA)では14-112μmの異物11個、B)では18-167μmの異物7個が発見された。
・ガラスアンプルは製造過程で高熱で封印する為、内部が陰圧となり、カット時に発生するガラス片は薬液側に引き込まれるので防止は不能。
・プレフィルドシリンジ製剤あるいは、プラスチックアンプル製品を使用すべきであろう。
・ガラスアンプル製剤しか販売されていない場合は、0.2μmフィルターの使用が望ましい。
(通常の注射用フィルターは0.22μm、0.45μm)(TY)
木村大作ら (大阪医科大学)
眼科臨床紀要 6(12):955-959,2013
1例報告
50歳男性、右視神経乳頭上方に5乳頭径大の橙色の隆起性病変
黄斑部にかけて滲出性網膜剥離が生じており、視力0.1
ベバシズマブ(1.25mg/50μl)硝子体注射を行ったところ3週後にほぼ消失。再発し合計3回注射し、滲出性網膜剥離はわずかに残存し経過観察
腫瘍自体の大きさには変化なし
複数回行っても再発する場合はPDT併用も考慮すべき
*治療法:腫瘍が黄斑部を含む場合や続発性SRDや黄斑浮腫などにより視力低下をきたした場合に適応
レーザー光凝固、経強膜冷凍凝固術、放射線療法、硝子体手術、TTT、PDT、抗VEGF薬硝子体内注射
レーザー光凝固:腫瘍表面の血管等価性減弱・SRD消褪
腫瘍に厚みがある場合や高度なSRDでは効果不十分
網膜剥離の再発率は約40%
放射線療法: 白内障や続発緑内障、網膜症や視神経症など、特有の合併症
硝子体手術: 広範な網膜剥離をきたした症例が対象
視力予後が不良なことが多い
TTT: CME,ERM,BRVOなどを合併することがある
PDT: 69%視力改善、93%で滲出性変化の消失 (Boixadera ら)
腫瘍の最大径が大きい場合などは分割照射が必要(過剰凝固)
保険適用外(MM)
田原恭二(たはら眼科、大阪府)
あたらしい眼科 20(11):1567-1570, 2013
・季節性アレルギー性結膜炎と診断され、処置について説明を受け同意した34例を対象に、1%食塩水1mlに対してケトチフェン(ケトテン®)点眼液 5滴の割合で混入した液を涙点から涙道内に片眼約0.5mlずつ注入
*インタール®・ゼペリン®などの膜安定化作用をもつ抗アレルギー点眼剤を処置同日に処方
・処置前の症状と処置翌日~3日目の症状とを比較;15例(44.1%)が著明に改善、10例(29.4%)が中等度に改善【表2~4】
・症状悪化例みられず、処置時に2例が軽い鼻腔刺激感
【結論】涙道内注入により速やかに症状の改善した症例は季節性アレルギー性結膜炎患者の73.5%にみられ、希釈したケトテン®点眼液を涙道内に注入する処置はアレルギー性結膜炎の治療に有効と思われた。
*インタールなどの点眼を併用しなかった5例では処置後3日以降徐々に症状が再発する傾向がみられた(MK)
坂本泰二(鹿児島大)
臨眼 67(8): 1249-1253, 2013
・トリアムシノロン硝子体内注射IVTA後の無菌性眼内炎の原因についてのレビュー。
・一般的にはその原因は製剤に含まれる保存剤の毒性であるとされてきた。
・IVTA後の無菌性眼内炎はベンジルアルコールが引き起こすTASSが一つの因子であることは間違いないが、TAの結晶構造自体が眼内炎を引き起こすかについて解説。
・TA顆粒は細胞と接すると、細胞から大量のIL-6/IL-8を分泌させることが分かり、結晶構造をもつ顆粒は細胞に接すると炎症を惹起するというのも、無菌性眼内炎の一因となる。(TY)
抗VEGF剤は網膜虚血を悪化させるか
近藤峰生(三重大)
眼科 55(8): 945-952, 2013
・抗VEGF剤が網膜虚血を悪化させたという報告、悪化させないという報告がある。
・BRVOを対象とした我々の研究では抗VEGF剤は無灌流野を増加させていない事が分かった。
・BRAVOやCRUISEスタディからは、眼内で産生されたVEGFは無灌流領域を増加させる作用があり、抗VEGF剤でこれをブロックすると無灌流領域の形成が抑制されると結論された(TY)
BAK dose response in surgical outcomes.
Boimer C et al(Karmel M)
Eye Net 17(7): 19-20, 2013
・塩化ベンザルコニウム(BAK)を含んだ術前の点眼治療は線維柱帯切除術の術後成績に影響を与えていることが分かった。
・128名の手術成績を調査した。
・完全成功:追加治療が不要、部分成功:手術は不要だが点眼治療が必要、失敗:追加手術が必要、に分類した。
・結果には年齢、術前白内障手術、MMC暴露時間、緑内障進行具合などは影響しておらず、ぶどう膜炎、新生血管緑内障などが多いに影響しているが、BAKも影響していた。
・術前点眼薬のBAK濃度は0.005~0.02%であったが、BAK濃度と点眼量の積をとって、全BAK量を求めると、この値は手術成績に有意に影響していた。
・どの程度前にBAK含有点眼薬を中止すべきかについては今後の検討が必要(TY)
南喜郎ら
眼科 55(5) 617-620, 2013
名寄市、旭川医大
0.4%オキシブプロカイン点眼後の眼圧低下と全身平均血圧との関連を検討
対象:健常成人30名30眼
アイケアで無麻酔で右眼眼圧測定と血圧測定:0,1,2,3,5分後測定
後日同一被験者に対して、ベノキシール点眼前後 0,1,2,3,5分で血圧と眼圧測定
結果:
血圧は関係なし
眼圧:無麻酔 変化なし、 麻酔後 2,3,5分で有意に低下 最大で11mmHg低下したものもあり(MM)
尾崎弘典他(富山大学)
臨眼 67(4): 481-484, 2013
・近視性網膜分離症20例23眼(63.9±9.0歳)を対象とした。中心窩剥離型9眼にはガス注入併用、中心窩分離型14眼には最初の9眼のみガス注入を行った。
・視力はlogMARで0.88±0.59(小数点0.13)→0.68±0.64(小数点0.21)と有意に改善(p<0.01)。
・黄斑円孔が中心窩分離型2眼と中心窩剥離型1眼で発生したが、ガス注入の有無は術後成績に影響しなかった。
・ガス注入が術後成績に影響しなかったのは、網膜分離の復位にはガス消失後も長期の時間がかかること、ガス注入により網膜下液が中心窩部に圧出され、黄斑円孔の誘因になることなどがあげられる。
・中心窩部のILMは剥離せずに残すことも黄斑円孔回避の為に有効であろう
新田耕治他(福井)
日眼 117(4): 335-343, 2013
・NTG40例40眼に第一選択としてSLTを施行し、3年間経観察した。
・眼圧はSLT前15.8±1.8mmHg、1年後13.2±1.9、2年後13.5±1.9、3年後13.5±1.9で、有意に下降しており、3年後の眼圧下降効果の累積生存率は40.0%であった。
・Outflow pressure改善率(△OP)=(SLT前眼圧-SLT後眼圧)/(SLT前眼圧-10)x100とし、SLT1ヶ月後の△OPが20%以上を著効群、0%以下を無効群と定義すると、著効群は37/40(92.5%)であった。
・点眼開始が10/40(25.0%)、SLT再照射が6/40(15.0%)であった。
・NTGへのSLT第一選択治療は有効な選択肢であると考えた
Peripapillary crescent and related factors in highly myopic healthy eyes.
Takahashi A et al(名大)
Jpn J Ophthalmol 57(2): 233-238, 2013
・検眼鏡的には強膜が透見される境界明瞭な白色領域である傍乳頭三角(peripapillary crescent)では病理的には脈絡膜、ブルッフ膜、RPEが部分的あるいは全欠損している。
・49眼の健康な高度近視眼(-10.1±2.8D)で傍乳頭三角の大きさを1年間経過観察した。
・傍乳頭三角の面積は脈絡膜厚(p<0.001)、眼軸長(p<0.001)、中心窩厚(p<0.01)と相関していたが、Stepwise回帰分析では、最も相関していたのは脈絡膜厚(p<0.01)と鼻側のブドウ腫の高さ(p<0.05)であった。
・傍乳頭三角の1年後の拡大(1.40±1.28→1.50±1.35乳頭面積 p<0.01)と最も相関していたのは、眼軸長の伸び(28.26±1.19→28.34±1.20mm p<0.001)であった(p<0.01)。
Trabecular meshwork depigmentation in Vogt-Koyanagi-Harada disease.
Mizuuchi K et al(北大)
Jpn J Ophthalmol 57(3): 245-251, 2013
・Vogt-Koyanagi-Harada(VKH)病の一部の人はその経過中に線維柱帯網(TM)の脱色素を期待すことが分かっており、この脱色素が何と関連しているかを53名のVKHの日本人(発症年齢29-73歳、平均46.0歳)で検討した。
・TMと角膜輪部の色素沈着量をスコア化した。
・TMは8象限に分け、個々の0-4の値を8個加算(上限は32)。
・輪部は4象限に分け、個々の0-2の値を4個加算(上限8)。
・夕焼け様眼底や皮膚病変との関連を検討した所、夕焼け眼底になった人(28眼)ではならなかった人(78眼)よりもTMの色素沈着は有意に少なかったが(p=0.022)、輪部の色素沈着では有意差はなかった。
・TMの色素沈着は徐々に減少しており、発症から6ヶ月以内では5.69、7-24ヶ月では4.89、25-48ヶ月では4.13となったが、輪部の色素沈着は、発症から6ヶ月以内では1.31、7-24ヶ月では0.39、25-48ヶ月では0.69で、発症から7-24ヶ月で有意に減少していた(p=0.003)。
Trabecular meshwork depigmentation in Vogt-Koyanagi-Harada disease
K Mizuuchi et. al 北大
Jpn J Ophthalmol. 57(3):245-51, 2013
53例のVKH患者の線維柱帯の色素沈着と他の所見との相関 retrospective study
線維柱帯の色素沈着は眼底所見と相関していた
輪部の色素沈着は相関がみられなかった
発症からの期間別
線維柱帯:6M以内 5.69、7-24M 4.89、25-48M 4.13
輪部: 6M以内 1.31、7-24M 0.39、25-48M 0.69
VKH: T cell-mediated autoimmune reaction against melanocyte-related antigens
眼底所見がとりにくい場合の参考になるのではないか (MM)
松浦、井上他(鳥取大)
あたらしい眼科 30(1): 93-96, 2013
・手術終了時の結膜下注射による術後眼内炎の予防についての検討。
・白内障手術患者26名36眼にモキシフロキサシン(MFLX)の結膜下注射(原液 or 2倍希釈)0.2mlを手術1、3、5、6時間前に結膜下注射し、手術開始時に前房水内の濃度を測定した。
・腸球菌の最小発育阻止濃度(0.5μg/ml)に対し、原液では、3.07(1h), 1.78(3h), 0.53(5h), 0.19μg/ml(6h)、2倍希釈では、0.54(3h), 0.35(5h)であった。
・原液では術後5時間程度、2倍希釈液では3時間程度は有効阻止濃度が保たれる。
・ゲンタマイシンは重要な眼内炎の起炎菌である腸球菌に対して感受性が低いので、幅広い抗菌スペクトルを持ち、重篤な合併症のないMFLXは結膜下注射に適している。(TY)