Excimer lase trabeculotomy: a new, minimally invasive procedure for patients with glaucoma.
Wilmsmeyer S et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 244(6):670-6,2006
・Excimer laser trabeculotomy(ELT):endoscope-guided probe(1.2mj, 60ns, 20Hz)で線維柱帯に10個の穴を開けた。
・術前(T0)、2-4ヶ月後(T1)、5-7ヶ月後(T2)、11-13ヵ月後(T3)、22-26ヵ月後(T4)で検討
・眼圧が21mmHg以下か、20%以上の眼圧低下があれば成功とした。
〇 ELT群(75例)
・眼圧:24.1 mmHg±0.7 (T0, n=69)、18.8±0.4 (TI, n=66)、20.0±0.5 (T2, n=51)、18.8±0.8 (T3, n= 37)、16.8±1.0 (T4, n=15) であったが、28% では眼圧下降が不十分で再手術が必要であった。
・成功率:Kaplan-Meier生命表分析60% (T1)、49% (T2)、46%(T3)
・抗緑内障点眼薬数:1.9±0.1 (TO)、1.2±0.2 (TI)、1.3±0.2 (T2)、1.8±0.2 (T3)、1.5±0.3 (T4)
〇 超音波乳化吸引(PEA)+ELT群(60例)
・眼圧:22.4 mmHg±0.6 (TO, n=57)、16.5±0.4 (T1, n=52)、16.1±0.5 (T2,n=40)、16.4±0.4 (T3, n- 35)、12.8±1.5 (T4, n=4)であったが、7% で再手術が必要であった。
・成功率:Kaplan-Meier生命表分析85%(T1)、74% (T2)、66% (T3)
・抗緑内障点眼薬数:1.1±0.2 (TO)、0.9±0.2 (T1)、1.1±0.2 (T2)、1.2±0.2 (T3)、1.8±0.9(T4)
・ELTは殊に白内障手術と同時に行なえば最低1-2年は有効である
Tempolary amniotic membrane patch for the treatment of pterygium : mechanism of reducing the recurrence rate.
Ye J et al(China)
Graefe’ Arch Clin Exp Ophthalmol 244(5): 583-588, 2006
・20眼の翼状片に対し、大きく単純切除した後、AMでパッチし、5日後にAMを除去
3年以上の経過観察で、再発無し
・以前の報告では、AMを除去しなかった時の再発率は、15%
・AMを除去することにより、増殖因子を除去できるのではないか
Visual acuity and X-linked color blindness.
Jagle H et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 244(4):447-53,2006
・視力は同一の感度を持った錐体の微細な配列を必要とする。
・従って、中心窩に視感度が同じ錐体で形成されている2色覚(13名)と、正常3色覚(8名)で視力に差があるかを検討。
・視力計は Freiburger Visual Acuity Testを使用して、連続的にforced-choiceで測定
・2色覚の表現型:1型(4例)、2型(9例)
・2色覚の遺伝子型:x染色体上に1個の視色素遺伝子を持っている single-gene dicromat(6例)、複数の視色素遺伝子をもっており、全てが同じ長あるいは中波長感受性視色素に encodeされている multi-gene dicromat(7例、ただし1例は遺伝子型が異なっており、今回の検討から除外した)
・正常3色覚と表現型での2色覚、あるいは、2色覚の1型、2型の間には差はなかった。
・multi-gene dichromatは正常3色覚、single-gene dichromatよりも有意に視力が良かった。single-gene dichromatは正常3色覚よりも視力は悪かったが、有意差はなかった
・multi-gene:OD対数視力0.296(視力1.98)±0.024、OS 0.305(2.02)±0.036
・single-gene:OD対数視力0.225(視力1.68)±0.058、OS 0.222(1.67)±0.043
・normals:OD対数視力0.257(視力1.81)±0.032、OS 0.249(1.77)±0.036
・multi-gene dichromatは、異なった錐体からの信号を統合したり、網膜像ボケの錐体特異的パターンの結果などに起因する高次チャンネルでの色収差や色ノイズがない為、視力が良いのであろう
Intraocular humidity immediately after fluid-air exchange in pars plana vitrectomy.
Eter N et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 244(3):305-8,2006
・人工眼6眼、摘出豚眼6眼、患者眼10眼で、液空気置換後に湿度8%の乾燥空気と、湿度75%の湿潤空気で2分間還流し、硝子体内の湿度を測定した。
・人工眼では、直後約50%→14.4%(dry air)、71.9%(moist air)。
・摘出豚眼では、直後約60~70%→68.4%(dry)、74.6%( moist air)。
・患者眼では、直後60~70%→90.5%(dry)、93.8%( moist air)。
・生体では周囲組織の細胞外液、循環により湿度が保たれるが、これが evaporation stress による障害をもたらす可能性がある
Inhibitory effect of triamcinolone acetonide on corneal neovascularization.
Murata M et al(岩手医大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 244(2):205-9,2006
・線維芽細胞増殖因子(bFGF)の塊を角膜内に留置した直後に、TA(2mg)を4羽の家兎の結膜下に注入し、4週間後に角膜新生血管の抑制があるかどうかを検討。
・TAの代わりに水を注入したコントロール眼では新生血管が発生していたが、TA注入群では有意に抑制されていた
Central scotoma associated with intraocular silicone oil tamponade develops before oil removal.
Herbert EN et al(UK)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 244(2):248-52,2006
・シリコンオイル注入眼で、中心暗点を発症した5例の報告(年齢32~57歳)。
・5例とも黄斑剥離のない網膜剥離(4例は巨大網膜裂孔、1例は多発裂孔)に対する硝子体手術でSOを注入した。
・1ヶ月目(SO眼)の視力は4例で0.5以上であったが、中心暗点発生によりlogMAR視力は平均 0.93(視力 0.12)に低下した。
・中心暗点の発生時期は平均2.7ケ月(1ヶ月~5ヶ月)。
・30mmHg以上の眼圧上昇は2例であり、2週間目に31と34であったが、1ヶ月目で眼圧上昇のみられた例はなかった。
・低眼圧は全例でなかった。
・SO抜去後にFAG、OCTでは異常はみられなかったが、パターンERGでは4例で黄斑機能障害が検出された。
・中心暗点の原因は分からないが、視機能の良い人ではSOはできるだけ早く抜去した方が安全であろう。
A novel technique of ab interno glaucoma surgery : follow –up results after 24 months.
Pajic B et al(Swizerland)
Graefe’ Arch Clin. Exp Ophthalmol 244(1): 22-7, 2006
・sclerothalamotomy ab interno 53眼の術後24ヶ月の結果
・high frequency diathermic probe(Oertli)
tipの長さx縦幅x横幅 1×0.3×0.6mm
・1.2mmの角膜切開を上耳側と120°離れた鼻側に2ヶ所つくり、HealonVを注入後、隅角レンズを用いて、TMからSCにtipを1mmまで刺入し、1象限に4ヶ所行う。
・術前眼圧25.6±2.3 3ヶ月目から眼圧は安定し、15.1±1.8、24ヶ月:15.0±1.6
・24ヶ月で、眼圧21mmHg以下で、点眼の必要の無いものは、90.6%
・合併症:hyphema(7),眼圧の一時的な上昇(12)、白内障(3)
Intravitreal triamcinolone injection for chronic diabetic macular oedema with severe hard exudates.
Avci R et al(Turky)
Graefe’ Arch Clin Exp Ophthalmol 244(1): 28-35, 2006
・28例33眼のCCME+severeHEを2群に分ける
・Ⅰ群17眼:plaque状のHE、Ⅱ群16眼:散在性HE
・4mgIVTA後6ヵ月以上の経過観察
・全例でHEの消失(Ⅰ群:24%、Ⅱ群50%)、減少し、再発は無し
・CMEは12ヶ月で、60%の再発、それと共に、視力の低下