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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2017
135巻

妊娠中の喫煙と低出生体重児の11-12歳での神経線維層厚

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (4号) 2017

 Association of Maternal Smoking During Pregnancy and Birth Weight With Retinal Nerve Fiber Layer Thickness in Children Aged 11 or 12 Years
The Copenhagen Child Cohort 2000 Eye Study
Hakan A, Xiao Q et al (Denmark)
JAMA Ophthalmol 135(4): 331-337, 2017
デンマークで行われたCopenhagen Child Cohort 2000 (CCC2000)の追跡調査で11歳から12歳になった1406名の子供の右眼を測定;過去の外傷・先天奇形・ETDRSで80以下(20/25)の視力・眼軸測定、OCT、他の検査の協力が得られない83眼は除外し、1323眼を調査
人種はEuropean, Asian, African, Middle Eastern, and other or unknownに分類
母親の喫煙を1)喫煙なし、2)喫煙していたが妊娠後中止、3)妊娠後も喫煙継続で分類
ただし、一日の喫煙本数・年間箱数・父親の喫煙歴・母親のアルコール歴は調査できず
出生体重(1284名)はLow(<2500g), normal(2500-4500g), and high(>4500g)に分け、OCTで視神経乳頭中心のRNFL厚を測定
結果
92.4%がEuropean descent
母親の喫煙(1289名):1) 1035名(80.3%) 2) 27(2.1%) 3) 227(17.6%)
出生体重(1284名) :low) 50(3.9%)  high) 47(3.7%) その他normal
                                          1例(<1000g) 1例(1000 to <1500g)
喫煙している母親の子供:              出生体重:3357±636g     
喫煙していない母親の子供:       出生体重:3578±559g    
RNFL厚:喫煙継続の母親から生まれた子供の方が有意にRNFL厚は薄かった
              出生体重、年齢、性別、身長、体重、Tannerステージ、眼軸、等価球面屈折度数で修正後も同じ
              喫煙の影響は視神経乳頭周囲6象限すべてで見られたが、特に下鼻側、下耳側で認めた
              非喫煙者と喫煙中止者では差がなかった
              低出生体重児の方がRNFL厚は薄かった 特に鼻側、下鼻側で薄い
              眼軸が長いほど・近視が強いほどRNFL厚は薄い 高身長ほどRNFL厚は厚い     女児<男児
結論
母の妊娠中における喫煙と低出生体重はそれぞれ、子供が11歳または12歳時の乳頭周囲RNFLの薄さと関係している。他に、長眼軸、近視、女性、低身長も関係
妊娠発覚後中止した母の数が少ないが、中止するのに遅すぎるというエビデンスもない(MM)

2017
135巻

繰り返し行うベバシズマブ硝子体内注射と緑内障手術のリスクの相互関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (4号) 2017

 Association of Repeated Intravitreous Bevacizumab Injections With Risk for Glaucoma Surgery
Brennan D. Eadie, et al. (Canada)
JAMA Ophtholmol. 2017;135(4):363-368.
目的:繰り返し行われたベバシズマブ硝子体内注射と緑内障手術の関連を調べた。
対象と方法:2009年1月1日〜2013年12月31日の間に滲出性AMDのために初回のベバシズマブ硝子体内注射を受け、その後緑内障手術を受けた74眼。ベバシズマブ硝子体内注射治療を受けていたコントロール740眼。
注射回数を1年に3回以下、4〜6回、7回以上に分けて検討した。
結果:7回以上注射を受けたのは、手術群33眼44.6%、コントロール群254眼34.3% と手術群で多かった。
4〜6回、3回以下では差はなかった。
7回以上注射を受けた手術群のレート比は 2.48 (95% CI, 1.25-4.93)。
結論:AMDに対する硝子体内注射は最初の2年間は平均10回の注射が必要となり、繰り返し注射を受けている患者の6%から9%が眼圧上昇すると言われている。これらのデータは硝子体内注射を繰り返す事により、眼圧上昇が持続したり、緑内障手術へ導く可能性を示唆する。(CH)

2017
135巻

免疫不全の成人におけるジカウイルス感染の2次的な網脈絡膜病変

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (4号) 2017

 Chorioretinal Lesions Presumed Secondary to Zika Virus Infection in an Immunocompromised Adult
Christopher R. Henry, et al. (FL, USA)
JAMA Ophthalmol. 2017:135(4):386-389
目的:先天的なジカウイルス感染は、小頭症や色々な眼球異常(黄斑部斑状色素沈着、網脈絡膜萎縮)と結び付けられる。
成人では無症状のことがあり、発熱、発疹、関節痛、頭痛、2〜7日間持続する結膜炎がある。今回、免疫不全の成人におけるジカウイルス感染に続発する広範な両側網脈絡脈萎縮の症例報告。
対象:悪性リンパ腫で化学療法中の60代女性で、最後の化学療法の3日後、頭痛と倦怠感を発症、発疹は認めなかった。その2日後、視力悪化と飛蚊症を自覚した。
前房水でジカウイルスRNAが検出された。
結果:初診時視力は右眼指数弁、左眼20/50、KP、vit cell (+)、両眼に広範な網脈絡膜障害を認めた。FAで網脈絡膜病変の初期低蛍光および後期染色、OCTでは斑状黄斑病変における外側網膜層の破壊を示した。
アシクロビル400mgを1日2回投与。ガンシクロビル、ホスカルネット硝子体内注射を行った。
症状の発症から2週間後、視力は右眼20/80 左眼20/30、眼圧は34mmHgだった。3週間後視力は右眼20/60 左眼20/25に改善した。眼圧は18mmHg 。
6週間で、網脈絡膜病変は治癒し、視力は右眼20/25 左眼20/20に改善した。
結論:デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、ジカウイルスは同じフラビウイルス属である。
そのため、他のフラビウイルスで見られるような急激な、自然治癒する斑状の非壊死性の網脈絡膜病変が特徴であるかもしれない。(CH)

2016
134巻

眼外傷統計

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (12号) 2016

Epidemiology of sports-related eye injuries in the United States.
Haring RS et al(MA USA)
JAMA Ophthalmol 134(12): 1382-1390, 2016
・米国の900以上の病院で毎年3000万件を超える緊急外来EDにおけるスポーツ外傷を2010/1~2013/12にわたって調査した。
・症例は120,847例、平均年齢22.3歳、男96,872、女23,963、性不明12例であるが、初期診断のついた85,961例について検討した。
・81.3%が男性で、バスケットボール中が22.6%、野球14.3%、AIR GUNが11.8%であった。(TY)

2016
134巻

ピロカルピンのシュレム管への効果

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (9号) 2016

Effect of pilocarpine hydrochloride on the Schlemm canal in healthy eyes and esys with open-angle glaucoma.
Skaat A et al(NY USA)
JAMA Ophthalmol 134(9): 976-981, 2016
・ピロカルピンがシュレム管の形態に与える影響について検討した。
・シュレム管の形態はHeidelberg Spectralis OCTの前眼部モジュールでのEDI-OCT像で鼻側部で解析した。
・9例の健常者(31.9±7.8歳)では1%ピロカルピンを使用し、10例10眼のPOAG患者(58.7±13.2歳)では2%ピロカルピンを使用した。
・点眼1時間後の眼圧は健常者は14.3±1.3から13.7±1.1に低下(p=0.004)、POAGでは17.5±6.0から16.6±6.1に低下(p=0.01)。
・シュレム管の面積は健常者では4667±1704から5647±1911μm2と21%増加(p<0.001)、POAGでは3737±679から4619±692と24%増加(p<0.001)した。
・シュレム管容積も健常者では8,004,000μm3から21%増加、POAGでは6,468,000μm3から23%増加した(いずれもp<0.001)。(TY)

2016
134巻

ジカ熱による小頭症乳児の眼所見

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (8号) 2016

Risk factors associated with the ophthalmoscopic findings identified in infants with presumed Zika virus congenital infection.
Ventura CV et al(Brazil)
JAMA Ophthalmol 134(8): 912-918, 2016
・ジカ熱に胎内感染し小頭症で誕生した40例の乳児の眼所見を報告する。
・年齢は2.2±1.2か月(0.1-7.3ヶ月)で、免疫吸着法での脳脊髄液検査を行った24例は全例、ZIKV感染陽性であった。
・眼所見は22例(55%)でみられ、そのうち片眼のみ発症は7例(32%)、両眼発症が15例(68%)であった。
・母親の主訴は発疹65.0%、発熱22.5%、頭痛22.5%、関節痛20.0%であり、結膜炎を含む眼所見は全例みられなかった。
・眼所見のある乳児の母親は妊娠初期3か月以内の感染が10例(71.4%)であった。
・眼所見で視神経障害だけが5例(22.7%)、黄斑障害だけが7例(31.8%)、両者の障害が10例(45.5%)であった。
・視神経障害の25例の内訳はdouble-ringサインのある低形成が14眼、視神経蒼白が6眼、C/D比の拡大が9眼であった。
・黄斑障害は17例24眼で、黄斑反射の消失が24眼、軽度の色素のまだら沈着が13眼、広範な色素沈着が9眼、脈絡膜萎縮を伴う輪状の区画形成が6眼であった。(TY)

2016
134巻

静脈閉塞症からの浮腫に対するナイアシン治療の可逆性かもしれない効果

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (7号) 2016

Potentially Reversible Effect of Niacin Therapy on Edema From Retinal Vein Occlusion
Ehsan Rahimy,et al.(California,U.S.)
JAMA Ophthalmol 134(7):839-840,2016
目的:静脈閉塞症からの慢性のCMEに対するナイアシン治療(ビタミンB3、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称)の効果を、薬の使用を止めた時可逆性があるかどうかも含めて検討した。
対象:63歳男性、高血圧、高脂血症、脳梗塞の既往有り。
右眼の視力障害を訴え(20/200)、RVOからのCMEを認めた。
脳梗塞のため抗VEGF治療は拒否され、ステロイドの硝子体注入、テノン嚢下注射も延期していた。
持続的なCMEは1年半続き、CMT 669.8μm、視力は20/100〜20/200。
経口のナイアシン治療を始めた。
結果:2週間かけて1日3回125mgから1日3回500mgまで徐々に増やした。
それはナイアシンのよく知られた副作用である顔面紅潮を抑えるため。
2週間後、CMEは減少し始め、4週間後、視力は20/40まで回復した。
その後、1年かけて1日1回500mgに減らした。その間に2回内服を中止したときがあったが、急速にCMEが再発した。
結論:ナイアシン治療(500mg経口)が30分後に脈絡膜血液量を39%増やすことを明らかにされている。
脈絡膜の血管拡張が網膜外層の酸素付加を改善して、低酸素状態とCMEの形成の要因となっている血管内皮増殖因子の産生を減少させる可能性はある。(CH)

2016
134巻

アメフトによる脳震盪で輻輳近点が遠ざかる

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (7号) 2016

Association of Football Subconcussive Head Impacts With Ocular Near Point of Convergence.
Kawata K, Rubin LH, Lee JH, Sim T, Takahagi M, Szwanki V, Bellamy A, Darvish K, Assari S, Henderer JD, Tierney R, Langford D.(US-PA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):763-9. 
【目的】
・アメリカンフットボールの練習による頭部衝撃の繰り返しが輻輳近点(NPC)に影響するかを調査
【対象と方法】
・Temple大学のアメフト選手33名(うち4名除外)
・シーズン前のトレーニングキャンプの間とポストシーズン(最終試合より三週間後)に頭部への衝撃とNPCを調査
・頭部への衝撃はマウスガードに付けられた加速度計で測定
・Sports Concussion Assessment Tool 3(SCAT3)にて脳震盪の兆候をチェック
・5回の練習での測定結果により、低衝撃群(n=7)と高衝撃群(n=22)とに分類
【結果】
・高衝撃群では練習回数とともに一次関数的にNPCが延長、その後プラトーになりポストシーズンには回復した
・低衝撃群ではNPCの延長はみられず
・両群間の有意差は、フル装備の練習開始時よりみられ、練習期間中も継続した
・SCAT3の症状スコアは全期間において両群間に有意差みられず
【結論】
・頭部への衝撃を繰り返すことで、症状がなくてもNPCが延長することが示された
・NPC延長は頭部衝撃に対する眼球運動系の脆弱性と回復が遅いことを明らかにした
・NPCの変化は頭部外傷の重篤度を推し量る有用な臨床ツールとなりうる(MK)

2016
134巻

車のフロント・サイドガラスのUVカット率

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (7号) 2016

Assessment of Levels of Ultraviolet A Light Protection in Automobile Windshields and Side Windows.
Boxer Wachler BS.(US-CA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):772-5. 
【対象と方法】
・ロサンゼルスにディーラーがある自動車(15会社・29車種)
・車周囲・フロントガラス内側・運転座席サイドガラス内側のUV-Aレベルを測定
【結果】
・フロントガラスのUV-Aカット率は96%(レンジ95-98%)で、サイドガラスのUV-Aカット率71%(レンジ44-96%)よりも有意に高値(P<0.001)。
・サイドガラスのUV-Aカット率が90%を超えたのは4車種(13.8%)のみだった
【結論】
・どの車種もフロントガラスのUV-Aカット率はおしなべて高値であったが、サイドガラスのUV-Aカット率は低くばらつきがあった
・この結果は、白内障や皮膚がんが左眼や左顔面に多いという過去の報告を説明できうる(MK)

2016
134巻

アメフトによる脳震盪で輻輳近点が遠ざかる

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (7号) 2016

Association of Football Subconcussive Head Impacts With Ocular Near Point of Convergence.
Kawata K, Rubin LH, Lee JH, Sim T, Takahagi M, Szwanki V, Bellamy A, Darvish K, Assari S, Henderer JD, Tierney R, Langford D.(US-PA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):763-9. 
【目的】
・アメリカンフットボールの練習による頭部衝撃の繰り返しが輻輳近点(NPC)に影響するかを調査
【対象と方法】
・Temple大学のアメフト選手33名(うち4名除外)
・シーズン前のトレーニングキャンプの間とポストシーズン(最終試合より三週間後)に頭部への衝撃とNPCを調査
・頭部への衝撃はマウスガードに付けられた加速度計で測定
・Sports Concussion Assessment Tool 3(SCAT3)にて脳震盪の兆候をチェック
・5回の練習での測定結果により、低衝撃群(n=7)と高衝撃群(n=22)とに分類
【結果】
・高衝撃群では練習回数とともに一次関数的にNPCが延長、その後プラトーになりポストシーズンには回復した
・低衝撃群ではNPCの延長はみられず
・両群間の有意差は、フル装備の練習開始時よりみられ、練習期間中も継続した
・SCAT3の症状スコアは全期間において両群間に有意差みられず
【結論】
・頭部への衝撃を繰り返すことで、症状がなくてもNPCが延長することが示された
・NPC延長は頭部衝撃に対する眼球運動系の脆弱性と回復が遅いことを明らかにした
・NPCの変化は頭部外傷の重篤度を推し量る有用な臨床ツールとなりうる(MK)

2016
134巻

車のフロント・サイドガラスのUVカット率

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (7号) 2016

Assessment of Levels of Ultraviolet A Light Protection in Automobile Windshields and Side Windows.
Boxer Wachler BS.(US-CA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):772-5. 
【対象と方法】
・ロサンゼルスにディーラーがある自動車(15会社・29車種)
・車周囲・フロントガラス内側・運転座席サイドガラス内側のUV-Aレベルを測定
【結果】
・フロントガラスのUV-Aカット率は96%(レンジ95-98%)で、サイドガラスのUV-Aカット率71%(レンジ44-96%)よりも有意に高値(P<0.001)。
・サイドガラスのUV-Aカット率が90%を超えたのは4車種(13.8%)のみだった
【結論】
・どの車種もフロントガラスのUV-Aカット率はおしなべて高値であったが、サイドガラスのUV-Aカット率は低くばらつきがあった
・この結果は、白内障や皮膚がんが左眼や左顔面に多いという過去の報告を説明できうる(MK)

2016
134巻

運転免許更新のための糖尿病網膜症治療

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (6号) 2016

The effect of multispot laser panretinal photocoagulation on retinal sensitivity and driving eligibility in patients with diabetic retinopathy.
Subash M et al(England)
JAMA Ophthalmol 134(6): 666-672, 2016
・増殖性DMR(PDR)に対する汎網膜光凝固PRPは周辺視野欠損を来し、運転に支障が出る可能性があるが、抗VEGF剤は視野欠損を来さない。
・この点について、43例46.6±13.3歳の未治療PDRで6か月経過観察の前向き研究を行った。
・Esterman両眼開放視野(上40度/下60度/両耳側150度、中心10度以内は6点のみの静的視野)で中心20度以内に暗点がなく、水平120度以上の視野があれば合格とした。
・41/43名(95%)が治療前は合格し、治療終了後は35/38名(92%)が合格した。
・視野の視感度の変化は右眼では-1.4±3.7(95%CI=-2.7~-0.1)dB、左眼では-2.4±2.9(95%CI=-3.4~-1.4)dB、中心4度の感度は右眼で3.0±5.2dB低下、左眼は2.6±5.4dB低下した。
・更に長期間経過をみれば更に感度が低下することが予想できる。
・PDRでPRPが必要な患者にはその旨の情報提供が必要で、抗VEGF薬の使用も考慮すべきだ(図)(TY)

2016
134巻

ジカウイルス感染による小頭症と思われる乳児の眼所見

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (5号) 2016

Ocular Findings in Infants With Microcephaly Associated With Presumed Zika Virus Congenital Infection in Salvador, Brazil
Bruno de Paula Freitas, et al. (Brazil)
lAMA Ophthatmol. 2016;134(5):529-535.
目的:ジカウイルス感染による小頭症と思われる乳児の眼所見を調査した。
対象と方法:生まれた時の頭囲が32cm以下の乳児29人。
トキソプラズマ症、風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、HIVのための小頭症、または母親が妊娠中にアルコール、違法な薬物使用があれば除外された。
母親は29人の内23人はジカウイルス感染の症状があった。発疹、発熱、間接痛、頭痛など。
ジカウイルス感染からの結膜炎は全例で認められなかった。また、母親に眼疾患はなかった。
結果:10人(34.5%)に異常が認められた。(両眼7人、片眼3人)
部分的な色素斑を伴う網脈絡膜萎縮11眼、視神経萎縮8眼、コロボーマ2眼、水晶体亜脱臼1眼を認めた。
結論:ジカウイルスの先天感染は、黄斑周囲の網脈絡膜萎縮と視神経障害のような視力を脅かす結果と結びつけられた。(CH)

2016
134巻

フルオロキノロン内服と網膜剥離

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (4号) 2016

Association between oral fluoroquinolone use and retinal detachment.
Raguideau F et al(France)
JAMA Ophthalmol 134(4): 415-421, 2016
・フルオロキノロン内はコラーゲン繊維や結合織に対して細胞毒性があると言われており、過去にもフルオロキノロン内服では網膜剥離の発生が4.5倍とか2.0倍であったとの仕事が幾つかある。
・Franceではフルオロキノロン内服は尿路感染で頻用されており、年間500万処方がある。
・French health care databese(2010/7-2013/12)からの27,540例の網膜剥離を検討した。
・裂孔原性が68%、滲出性が11%、その他が21%。過去の網膜剥離、網膜裂孔、眼内炎、硝子体注射や生検、AIDSなどは除外した。
・網膜剥離手術の直近(10日以内)、最近(11-30日)、以前(31-60日)と、コントロール期間(61-180日)にフルオロキノロン内服をした人を調べた。
・27,540名の内、6,708例がフルオロキノロン内服の既往があり、663例は調査期間中(180日以内)のフルオロキノロン内服があった。
・10日以内は80例、61-180日が583例であり、10日以内では有意に発生率が高かった(OR=1.46 95%CI=1.15-1.87)。
・10日以内の網膜剥離のタイプは、裂孔原性RDではOR=1.41(95%CI=1.04-1.92)、滲出性RDではOR=2.57(95%CI=1.46-4.53)であった。
・最近(11-30日)、以前(31-60日)では有意差はみられなかった。(TY)

2016
134巻

線維柱帯切開後の毛様脈絡膜剥離による一過性低眼圧

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (3号) 2016

Transient ciliochoroidal detachment after ab interno trabeculotomy for open-angle glaucoma. A prospective anterior-segment optical coherence tomography study.
Akagi T et al(京大)
JAMA Ophthalmol 134(3): 304-311, 2016
・線維柱帯切開では上強膜静脈圧EVP(座位で7.6-11.4mmHg)よりも眼圧が下がることはないと考えられているが、術後に非常に低い眼圧になる症例があり、これについて検討した。
・33例のうち14例(42%)で術3日目に前眼部OCTで毛様体脈絡膜剥離CCDが検出された。
・このCCD群では非CCD群に比して眼軸が短く(23.66±1.67:25.16±1.59mm)中心角膜厚が薄かった(505.9±35.8:533.9±39.1μm)。
・14例の内5例では10日後にもCCDがあり、1か月後には4例にCCDが残っていた。
・CCD群:非CCD群の眼圧は1日目は9.1±3.0:14.2±5.8、3日目では8.4±2.4:13.4±5.0、10日目は11.0±3.0:15.5±6.3、1か月後では13.4±2.4:15.5±3.3、3か月後では13.9±3.4:15.5±4.0であった。
・CCDの強い症例では前眼部OCTでCCDと前房とがロトミー部位でつながっていた。
・CCDの程度はAS-OCTで、grade 0-3に分類されている(Sakai H et al.Ophthalmol 112:413,2005)(TY)

2016
134巻

トラベクトーム術後の毛様体解離

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻 (3号) 2016

Transient Ciliochoroidal Detachment After Ab Interno Trabeculotomy for Open-Angle Glaucoma
A Prospective Anterior-Segment Optical Coherence Tomography Study
Tadamichi Akagi et al (Kyoto)
JAMA Ophthalmol 134(3):304-311, 2016
流出路手術後に理論的にはあり得ない低眼圧を一時的に生じることがある。ロトミー後に生じるような毛様体解離(CCD)がないかプロスペクティブに調査
37例のPOAGに対するTrabectomeで術後AC-OCTを用いてCCDの有無を検討する
Temporal, Superior, Inferior, 30°Spranasal, Nasal, 30°Subnasalの6方向
3例は術後フォローアップ不足、一例は術前よりCCDを認めたため除外 結果33例の解析
術後3日目において、CCDあり:14眼42%、CCDなし:19眼58%であった 5mmHg以下の低眼圧になった例はなかった
CCDあり:術後3日目 10例で6方向すべて、10日目 5例、1か月目 4例
CCDなし群と比べて、眼軸が短い(23.66 vs 25.16) CCTが薄い(505.9 vs 533.9)
IOP: 1D 9.1 vs 14.2, 3D 8.4 vs 13.4, 10D 11.0 vs 15.5, 1M 13.4 vs 15.5, 3M 13.9 vs 15.5 徐々に差は減少
TMを切開した部分がCCDに接続している所見が得られた
Uveal effusionや小眼球、原田病、バックル術後、PRP後などでもCCDは生じる
ぶどう膜のうっ滞や静脈対流によるものと考えられるが、Trabectomeでは考えにくく、手術による炎症の可能性は否定できない。また切開創からのリークは認めなかったが、全例で角膜縫合をしたわけではないので、一過性の眼圧低下によるCCDの可能性、手術の際にCyclodialysisを作成してしまった可能性も否定できない
<結論>CCDを生じる原因は不明だが、まれではない 術直後の一過性眼圧低下と相関していた。切開部位でのぶどう膜強膜流出路の一過性増加によるものと考えている(MM)

2015
133巻

結膜嚢からの検出菌の薬剤耐性の変化

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 133巻 (12号) 2015

Antibiotic resistance among ocular pathogens in the United States. Five-year results from the antibiotic resistance monitoring in ocular microorganisms (ARMOR) surveillance study.
Asbell PA et al(NY USA)
JAMA Ophthalmol 133(12): 1445-1454, 2015
・全米の施設に呼びかけて、検出菌の薬剤耐性について調査した。
・調査期間は2009/1~2013/12である。
・72施設から3237菌が集まり、黄色ブ菌1169株、coagulase陰性ブ菌(CoNS)992株、肺炎連鎖球菌330株、インフルエンザ菌357株、緑膿菌389株を調査した。
・メチシリン耐性株(MR)は黄色ブ菌493株(42% 95%CI=39.3%-45.1%)、CoNA493株(49.7% 95%CI=46.5%-52.9%)であり、MRは同時にフルオロキノロン、アミノグリコシド、マクロライドに耐性であった(p<0.001)。
・その他に3種以上の抗生剤に耐性であったMRは428株(黄色ブ菌の86.8%、CoNSの77.3%)であったが、ブ菌は全てバンコマイシンには感受性があった。
・アジスロマイシン耐性は肺炎連鎖球菌が多かった(113株34.2%)。
・高齢者から検出されたブ菌はMRである確率が高かった。
・5年間の調査機関中では、ブ菌内でMRが増えているわけではなかった(P<0.22)。(TY)

2015
133巻

Cefroximeの前房内過量投与による一時的な黄斑浮腫

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 133巻 (10号) 2015

Trancsient macular edema after intracameral injection of a moderately elevated dose of Cefroxime during phacoemulfication surgery.
Wong DC, Shortstein NH, et al.(US-CA)
JAMA Ophthalmol 133(10); 1194-1197, 2015
・Cefroxime前房内投与の適正濃度;1mg/0.1ml、二段階の手順のため溶解ミスのリスクはらむ
・この施設の手順;①Cefroxime 1バイアル(750mg)を7.5mlの生食で溶解、②①の溶解液のうち3ml(300mg)をさらに27mlの生食で溶解(=1mg/0.1ml)
・今回手違いにて9mg/0.1ml(①液そのまま?)前房内投与
・誤投与13眼中6眼で翌日に視力低下(20/70以下)と黄斑浮腫が出現。黄斑浮腫は平均5.2±1.3日で吸収。術前より眼合併症のあった2眼を除いてすべての症例で1か月後には視力20/30以上に回復。角膜浮腫みられず。(MK)

2015
133巻

プラスミン硝子体注射後、白内障手術+硝子体手術中に起こったZinn小帯断裂

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 133巻 (9号) 2015

Zonular Dehiscence at the Time of Combined Vitrectomy and Cataract Surgery After Intravitreal Ocriplasmin Injection
Keller J, Haynes R. (UK)
JAMA Ophthalmol 133(9):10 1091-1092, 2015
【Case1】60代半ばの女性。左眼にVMTを伴うMHありocriplasmin硝子体注射。PVD発生したがMHは閉鎖せず。水晶体動揺なし。
注射6週間後に白内障手術と25G硝子体手術との併用手術。IOL挿入の際にZinn小帯が180°断裂し虹彩クリップ型IOL(Artisan)に変更。MHは閉鎖し視力は20/30→20/40。
【Case2】60代後半の女性。左眼にMH発症しocriplasmin硝子体注射。注射数時間後に光視症と羞明、視力低下を自覚。PVD進行、ERGは全波形が減弱。OCT上MH残存、円孔径拡大。水晶体動揺なし。
 注射6週間後に白内障手術と硝子体手術との併用手術。IOL挿入時に下耳側のZinn小帯断裂みられCTR挿入。視力20/100→20/50。
【考察】過去の二報ではocriplasmin硝子体注射後の水晶体変位や脱臼はまれ。硝子体の液化の程度によっては不規則に拡散する報告あり→この奇異な拡散が高い濃度でZinn小帯に到達し、弾性線維を破壊?(MK)

2015
133巻

非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)と睡眠時無呼吸症候群(OSAS)との関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 133巻 (7号) 2015

Association of Nonarteritic Ischemic Optic Neuropathy With Obstructive Sleep Apnea Syndrome Consequences for Obstructive Sleep Apnea Screening and Treatment
Florent Aptel, et al. (France)
JAMA Ophthalmol 133 (7): 797·804,2015
目的:NAION患者でのOSASの有病率と僚眼への併発のリスク要因を調べる。
対象と方法:NAION 89人(男性58人、女性31人、平均年齢68歳)。
終夜睡眠ポリグラフ検査を行った。白内障手術を受けた症例はなかった。
結果:NAION 89人中、OSASの有病率は75%(67人)だった。中等度OSAS 24人、重症OSAS 43人。
3年間の経過観察中に僚眼に併発したのは10人だった。OSAS有り8人、OSAS無し2人。
健眼へのリスク要因は、CPAP治療を必要としている重症OSASだった。
結論:NAIONの患者にはOSASの有病率が高い。これらの患者には終夜睡眠ポリグラフ検査を行うべきである。
CPAP治療により、僚眼へのリスクが抑えられるかもしれない。(CH)

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