Intraocular pressure elevation after cataract surgery and its prevention by oral acetazolamide in eyes with pseudoexfoliation syndrome.
Hayashi K, Yoshida M, Sato T, Manabe SI, Yoshimura K.
J Cataract Refract Surg. 2018 Feb;44(2):175-181.
【対象と方法】偽落屑(PE)症候群に対する白内障手術患者102例(102眼)をランダムに3群に割付け;①手術1h前にアセタゾラミド(ダイアモックス500mg)内服(術前投薬群)、②手術3h後に内服(術後投薬群)、③アセタゾラミド投薬なし
【結果】96例(96眼)、すべての群で平均眼圧(IOP)は術後3,5,7時間とも上昇
・術後1,3時間において、①術前投薬群は他の2群より有意にIOP低値(P≦0.001)
・術後5,7,24時間において、①術前投薬群と②術後投薬群が、③投薬なし群より有意にIOP低値(P≦0.045)
・IOP>25mmHgの眼圧上昇スパイクの頻度:①術前投薬群が他の2群より有意に低頻度(P=0.038)
【結論】PE患者の眼では、白内障手術3,5,7時間後に眼圧が上昇する。手術1h前のアセタゾラミド内服は術後24時間の眼圧上昇を減少させる。手術3h後のアセタゾラミド内服は手術5h以降の眼圧上昇を減少させる(MK)
Descemet membrane endothelial keratoplasty for corneal decompensation caused by herpes simplex virus endotheliitis
Paterna Asi, et al. (Germany)
J Cataract Refract Surg 2018(1); 44:106-108
・DMEKで治療に成功した再発性単純ヘルペスウイルス角膜内皮炎に起因する角膜機能不全の1例の報告。
・62歳女性、5年間の右角膜のヘルペス感染の再発の病歴があった。
・初診時、角膜中心および傍中心の内皮機能不全、顕著な皮質核白内障、および活動性感染はない角膜実質瘢痕を認めた。眼圧は12mmHg、角膜感度は低下していた。中心角膜厚(CCT)は608μm。
・アシクロビル(800mg)内服1日5回、デキサメタゾン点眼薬1日4回、ガンシクロビル眼科用ゲル1日4回、塩化ナトリウム点眼薬(オムニソーブ)1日5回5ヵ月間投与した。治療後、CCTは521μm、視力は0.16(20/125)で、IOPは17mmHg。より明確な皮質核白内障と角膜上皮浮腫を伴う角膜機能不全を認めた。
・PEA+IOL+ DMEKを施行。
・術後2週目、視力0.3(20/60)6ヶ月0.8(20/25)、1年で1.0(20/20)であった。 CCTは6ヶ月423μm、1年425μmであり、拒絶反応またはヘルペス再発の兆候は見られなかった。
・結論:ウイルス性内皮炎は、多くのウイルス(HSV-1、CMV、EBV、水痘帯状疱疹)によって引き起こされる。
・瘢痕化や血管新生の病因は不明であるが、様々なサイトカイン、ケモカイン、および成長因子の複雑な相互作用であると考えられている。この相互作用は内皮機能障害を引き起こし、内皮損傷は内皮機能不全に続く角膜浮腫を引き起こす可能性がある。ウイルス性角膜炎は依然として全層角膜移植(PKP)によって治療されている。
・しかし、白内障手術併用DMEKは再発性単純ヘルペス角膜内皮炎後の角膜内皮機能不全の治療において好ましい外科的選択肢であると思われる。(CH)
Surgical removal of dystrophic calcification on a silicone intraocular lens in association with asteroid hyalosis.
Platt SM et al(MN USA)
J Cataract Refract Surg 43(12): 1608-1610, 2017
・星状硝子体症を伴った眼で、シリコンIOLの後部表面のカルシウム沈着を手術的に除去したので報告する。
・経毛様体硝子体手術で光源付きのピックと先端がシリコンのカニューラを使用し、完全に除去することが可能であった。
・術前視力は20/60で、術後視力は20/20と改善。
・IOL挿入(Bausch & Lomb LI61)は2008年8月、YAG切開は効果がなく、沈着除去手術は2016年9月である。
・星状硝子体症眼でのシリコンIOL挿入では85%に同様の混濁が発生するので要注意である(TY)
Endophthalmitis after cataract surgery: effect of behind-the-lens washout.
Oshika T et al(筑波大)
J Cataract Refract Surg 43(11): 1399-1405, 2017
・93施設で行われた9720眼のうち、2か月間経過観察のできた9100眼について、術後眼内炎の発症を検討した。
・3眼で術後眼内炎を発症したが、IOL下の粘弾物質を洗浄したものは0/6147眼、しなかったものは3/3570眼であった。
・術後眼内炎の予防にはIOL下の洗浄が大切であろう。
・切開部位でみると、角膜切開は2/2320眼、強角膜切開は0/4218眼、経結膜強角膜切開は1/2562眼。(TY)
Long-term effects of cataract surgery with topical levofloxacin on ocular bacterial flora.
Ono T et al(北里大)
J Cataract Refract Surg 43(9): 1129-1134, 2017
・白内障手術を行った50眼で、手術3日前から術後1ヶ月目までlevofloxacin 1.5%点眼を行い、手術前後の結膜嚢細菌の動向をみた。
・結膜嚢培養検査は、術前、点眼終了後0か月目(手術後1ヶ月目)、3(同4)、6(同7)、9(同10)、12ヶ月目(同13ヶ月目)で行った。
・術前に採取した表皮ブ菌とP acne菌で最小発育阻止濃度MICを測定した。
・結膜嚢細菌の多様性は点眼開始後に減少し、3か月間持続した。
・表皮ブ菌に対するMICは術後上昇し、術前レベルに戻るのには6か月から12ヶ月必要であった。(TY)
Shift in progression rate of keratoconus before and after epithlim-off accelerated corneal collagen crosslinking.
Wang YM et al(China)
J Cataract Refract Surg 43(7): 929 936, 2017
・加速角膜上皮剥離を行った角膜クロスリンキング(CXL)前後の進行した円錐角膜38名47眼(27.6±6.5歳)の術前と術後1ヶ月以降の状況を検討した。steep K値、flat K値、平均K値、best-fit球面曲率(BFS)を指標とした。術前と術後の角膜前面平均K値の変化は0.063±0.138D/月から-0.022±0.029D/月に変化(p<0.001)、角膜後面平均K値はー0.011±0.025D/月から0.000±0.009D/月に変化(p<0.001)。単変数解析では、術前の角膜前面平均K値はCXL後の角膜前面平均K値の進行率に関連しており、多変量解析では、術前の角膜後面BFSの進行率は術後の角膜前面(p<0.001)と角膜後面(p<0.05)の平均K値の進行率に関連していた。加速角膜上皮剥離を行ったCXLは平均K値の進行率を有意に低下させており、この低下は術前の角膜前面平均K値と術前の角膜後面BFSの進行率に関連していた。(TY)
Prediction of postoperative intraocular lens tilt using swept-source optical coherence tomography.
Hirnschall N, Buehren T, Bajramovic F, Trost M, Teuber T, Findl O.(Austria)
J Cataract Refract Surg. 2017 Jun;43(6):732-736.
・62例62眼の白内障手術患者
・手術1w前と2M後にIOL-Master 700を用いて6経線(0,30,60,90,120,150度)のBモードを測定し、水晶体・IOLの傾きを測定
【結果】傾きの軸および程度は水晶体・IOLとも正規分布
・水晶体・IOLとも、傾きは(角度・程度とも)左右眼で垂直線を対称軸とした線対称
・傾きの平均度数および角度;術前は15.8°の軸で4.3°、術後は16.8°の軸で6.2°
・術前・術後の傾きの方向は強い相関をしめした(R=0.71)が、傾きの程度は弱い相関(R=0.37)
【結論】術前にSS-OCTで水晶体の傾きを測定することは、術後IOLの傾きを予測することの助けになる(MK)
Pigment dispersion syndrome and pigmentary glaucoma after secondary sulcus transscleral fixation of single-piece foldable posterior chamber intraocular lenses in Chinese aphakic patients
Tong N, Liu F, Zhang T, Wang L, Zhou Z, Gong H, Yuan F.(China)
J Cataract Refract Surg. 2017 May;43(5):639-642.
・2011-2014の間に同一施設でTechnis ZCB00を縫着した21例23眼
・16例17眼でpigment dispersion syndrome(PDS)を発症、6例7眼が色素性緑内障
・9例10眼に逆瞳孔ブロックがみられた
・UBMではIOLと虹彩裏面とが非常に接近
【結論】シングルピース疎水性アクリルIOLは、効率にPDSや色素性緑内障を発症させるので、縫着術には適さない(MK)
Effect of the administration period of perioperative topical levofloxacin on normal conjunctival bacterial flora.
Nejima R et al(宮崎)
J Cataract Refract Surg 43(1): 42-48, 2017
・白内障手術後の抗生剤点眼による正常細菌叢の変化を104例で調査した。
・術前3日間1.5%レボフロキサシン点眼した患者について、術後1週間投薬群、術後1か月投薬群について、術前から術後3か月前結膜嚢培養検査を行い、表皮ブ菌にたいするレボフロキサシンのMICについて検討した。
・レボフロキサシンに対するMICは薬剤使用中は術前に比して上昇していた。
・3か月後のMICは、1か月投与群では1週間投与群の約2倍であった。
・薬剤感受性は、術前・薬剤終了時・3か月後で、1週間投与群では73.6%、63.0%、38.5%、1か月投与群では63.0%、0.0%、19.3%であった。
・薬剤中止後3か月間は、1か月投与群では1週間投与群より薬剤感受性が約20%低下していた。(TY)
In-the-bag nasal intraocular lens optic truncation for treatment of negative dysphotopsia
Neeti Meghnad Alapati, George J. Harocopos, Arsham Sheybani (US-MO)
J Cataract Reflact Surg 2016;42(12):1702-1706
・Negative dysphotopsiaを自覚する患者に対し、capsule内で鼻側のIOL光学部を約0.5mm切断することにより症状改善
IOLエッジに角度がつき、表面が不整になることで散乱光が増すのが有効か(MK)
Toxic anterior segment syndrome caused by autoclave resorvoir wall biofilms and their residual toxins.
Sorenson AL et al(CA USA)
J Cataract Refract Surg 42(11): 1602-1614, 2016
・2014/1~2015/1に行った3,003例の内、10例にTASSが発生した。
・TASSはスピードオートが市販された後の1992年に最初に報告されている。
・2つのStatim 2000オートクレブの水タンク壁からBacillus類、Williamsia類、Mycobacterium、Candidaが培養された。
・ポリタンクの壁面を切り取り、走査電顕検査を行った所、biofilmが見つかった。
・この構造物は0.08mm四方に約460個で、タンク1個当たり90億個の微生物である。
・この水タンクを交換後、TASS発生はなくなった。
・この地区の23個の水タンクを調べたところ、18個から細菌biofilmの汚染が見つかった。
・微生物のbiofilmは耐久性があり、滅菌後も残存しうる熱に耐性のある炎症前抗原を形成する。
・オートクレブのガイドラインに沿った清掃やメンテナンスを行っても水タンク壁には、細菌biofilmが付着していることが多く、TASSの発生に関与しているだろう。
・化学物質や清浄薬品は障害を生む可能性があり、推奨できないので、われわれは以下の方法を推奨している。
1)水タンクを空にする。
2)沸騰した滅菌水で満たす。
3)135度10分で空焚きする。
4)水タンクを空にする。
5)再度、沸騰した滅菌水で満たし、10分間放置。
6)水タンクを空にし、乾燥させて一晩置く。
7)翌日、通常使用。
8)週に1回タンク壁の培養をし、2か月間培養陰性であれば、培養を月1回とする。
・Statim 7000では水タンクは取り外してオートクレブに掛けることができるようになった。(TY)
Objective evaluation of negative dysphotopsia with Goldmann kinetic perimetry.
Makhotkina NY et al(Netherlands)
J Cataract Refract Surg 42(11): 1626-1633, 2016
・Negative dysphotopsiaの検討の為、Goldmann視野計のV4e、I4e刺激を使用して検討した。
・Ctrl群、ND群それぞれ10例で、術前、術1か月後に視野測定を行った。
・ND群はCtrl群に比較して有意に眼軸長が短く(22.7±0.7:24.4±0.9mm p<0.01)、使用したIOL度数が強かった(23.8±2.2:19.5±2.5D p<0.01)。
・視野は耳下側で10度、鼻下側で6度、狭くなっていた(いずれもp<0.05)。(TY)
Objective evaluation of negative dysphotopsia with Goldmann kinetic perimetry
Natalia Y. Makhotkina, Tos T.J.M. Berendschot, Rudy M.M.A. Nuijts (Netherlands)
J Cataract Reflact Surg 2016;42(11):1626-1633
・Negative dysphotopsiaを自覚した10例とコントロール10例、術前および術後1か月でのGPを比較(V/4e、I/4e)
コントロール群は術前・術後で視野変化なし
・Negative dysphotopsia自覚群では術後に下耳側(10度)と上耳側(6度)が術前よりも狭くなっていた
・Negative dysphotopsia群の3例で上耳側・下耳側に影を自覚、視野検査の結果に投影された
【結論】Negative dysphotopsiaを生じなかった症例では白内障術後も周辺視野は変わらなかった。動的視野検査は(周辺視野が狭まるか耳側視野に比較暗点を生ずるので)negative dysphotopsiaの多覚的評価に利用しうる。(MK)
New preventative approach for negative dysphotopsia
Henderson BA et al (USA)
J Cataract Refract Surg 42(10): 1449-1455, 2016
Negative dysphotopsia:白内障手術後早期に耳側に現れる黒い影でほとんどは時間とともに消失するが、20%程は持続することがある。耳下側に入射した光がIOLのエッジで屈折して影ができると考えられている
最もよく報告されているAlconSN60WFを用いてIOL挿入の向きによって症状を抑えることができるか調べた
Acryl:SN60WF 屈折率1.55 Square edge シングルピース
Silicone:LI61AO (ボシュロム) 屈折率 1.43 Round edge スリーピース
二つの手術センターで305例418眼を調査
CenterA(術者1人:アクリルIOL) 1眼目:Hapticsが耳下側になるように挿入 2眼目は6-12時でコントロールとして入れたが、その後耳下側に入れたほうがいいとのことで耳下側に挿入
CenterB(術者2人:一人はアクリル、一人はシリコン):様々な方向に入れたので今回のスタディでは耳下側と上下方向を採用して解析
418眼のうち、
アクリル319眼:42眼 耳下側方向(非無作為)、163眼耳下側(無作為)、114眼上下方向(コントロール)
シリコン99眼:すべてランダム 39眼 耳下側、60眼 上下方向
結果
Negative dysphotopsia出現率
シャープエッジのアクリル:耳下側方向:ランダム化した163眼中10眼(6%)、全症例205眼中11眼(5%)
上下方向:114眼中16眼(14%)
アクリルでは術翌日の症状で2.3倍耳下側方向の方が少なかった
術後1か月で両群に有意差はなくなった
ラウンドエッジのシリコンではNegative dysphotopsiaは生じなかった
シングルピースのシャープエッジアクリルレンズを入れる際はHapticsを耳下側方向に入れると良い(MM)
Treating capsule contraction syndrome with a femtosecond laser
Georg Gerten, Michael Schultz, Uwe Oberheide (Germany)
J Cataract Reflact Surg 2016;42(9):1255-1261
・白内障術後の高度の前嚢収縮に対して、フェムトセカンドレーザーによるCCC拡大は従来の治療(YAGレーザー、硝子体カッターやセッシによる拡大)よりも有利かもしれない(MK)
Suture-guided capsular tension ring insertion to reduce risk for iatrogenic zonular damage.
Page TP(MI USA)
J Cataract Refract Surg 41(8): 1564-1567, 2015
・CTR挿入時にはチン小体を損傷する可能性がある。
・粘弾物質で嚢を満たすことが大切である。
・いろいろな合併症を防ぐための方法として、CTRの先端に10-0ナイロン糸を通し、先端をコントロールすることによって予防することも大切である()(TY)
Dependency of endothelial cell loss on anterior chamber depth within first 4 years after implantation of iris-supported phakic intraocular lenses to treat high myopia
Mehdi Shajari, et al. (Germany)
J Cataract Refract Surg 2016(8); 42:1562-1569
目的:虹彩支持型有水晶体眼内レンズ挿入術後、角膜内皮細胞密度(ECD)に対する前房深度の影響を評価した。
対象と方法:52人95眼、術後1年と4年のECDを測定した。
全例、虹彩支持型有水晶体眼内レンズ挿入術の前にLI施行した。
結果:術前屈折 -11.06± 4.77 diopters 、術後4年 -0.42 ± 0.47 diopters
裸眼視力は72眼が0.8かそれ以上だった。
ECDは術後1年2679 ± 335 cells/ mm2、術後4年2497 ± 329 cells/mm2で、1年後より2.3%減少した。2眼が30%以上損失したが40%以上の損失した例はなかった。
全例角膜の透明性は保っていた。
ACDが3mm以下だと3.4mm以上の症例に比べ、ECDで有意差があった。(表4)
眼圧上昇はなかった。
結論:前房が狭いとECDに悪い影響を及ぼす。ACDが3mm以下の患者は適応から除外した方が良い。
これを守れば、虹彩支持型有水晶体眼内レンズは強度近視の患者にとって安全な選択肢と言える。(CH)
Descemet-stripping automated endothelial keratoplasty in eyes with transscleral-sutured intraocular lenses
Hiroyuki Yazu, et al. (東京歯科大学)
J Cataract Refract Surg 2016(6); 42:846-854
目的:眼内レンズ縫着眼に対する角膜内皮移植術(DSAEK)と通常のDSAEKの治療成績を比較検討した。
対象と方法:縫着グループとしてDSAEK+眼内レンズ縫着同時手術(11眼)又は眼内レンズ縫着後DSAEKを受けた患者(26眼)37眼
標準グループとしてDSAEK+白内障同時手術(65眼)、DSAEK単独(82眼)を受けた患者147眼
縫着の理由 同時手術では後嚢破損4眼、PE2眼、硝子体手術後や複雑な白内障手術後の無水晶対眼に対して5眼
2ステップ手術では網膜剝離硝子体手術後の無水晶対眼5眼、PE 17眼、前房または後房レンズ亜脱臼のため4眼
術前、術後1、3、6、12、24ヶ月経過観察した。
結果:視力 術後24ヶ月 縫着グループ 0.48±0.38 logMAR、標準グループ 0.17±0.25 logMAR
CDVAは術後6、12ヶ月後で縫着グループは標準グループと比べ有意に悪かった。
ECDは有意差なかった。
術後、6、12、24ヶ月で標準グループより縫着グループのほうが乱視が強かった。
合併症:縫着グループでCMEが多く認められた。全てのCMEはジクロフェナック点眼とトリアムシノロンテノン嚢下注射で治癒した。
同時手術ではグラフト脱落が13%と高かった。
縫着した眼内レンズに偏位や傾きは認められなかった。
結論:縫着グループで乱視とCMEの発生率が高かった。
前房内に入れた空気は縫着した眼内レンズには影響しなかった。
縫着の同時手術と2ステップ手術と比べ、視力、ECD、
移植片生着率、合併症の発生率に相違はなかったので、
術者や施設環境により術式を選択するとよい。(CH)
Management of subluxated capsular bag-fixated intraocular lenses using a capsular anchor.
Ton Y et al(Israel)
J Cataract Refract Surg 42(5): 653-658, 2016
・嚢内に入ったまま亜脱臼したIOLの処置のために使用する嚢固定具(AssiAnchor)の使用法を述べる。
・このanchorは前嚢縁を固定する2つの突起と強膜壁に逢着する中心部を持っており、2針で毛様溝に固定するようになっている(図)(TY)
Evaluation of intraocular lens position during phacoemulsification using intraoperative spectral-domain optical coherence tomography.
Lytvynchuk LM et al(Austria)
J Cataract Refract Surg 42(5): 694-702, 2016
・白内障手術終了時のIOLの位置をOCTで計測した。
・手術中に使用した器具はRescan 700 SD-OCT systemである。
・74例101眼、平均眼軸長は23.97(21.43-28.61)mm、IOL度数は平均20.39(6.5-27.5)Dである。
・手術終了時にIOLと後嚢は88例(87.13%)で離れており、残りの13例(12.87%)では部分的あるいは前面で接着していた。
・手術終了時に接着が得られるIOLデザイン改良が必要だろう(図)(TY)