Diffuse lamellar keratitis asociated with tabletop autoclave biofilms: case series and review.
Sorenson AL et al(CA USA)
J Cataract Ref Surg 46(3): 340-349, 2020
・STATIMオートクレブのタンクのbiofilmに起因したdiffuse lamellar keratitis(DLK)のクラスターについて検討した。
・2010/1から2014/12の5年間に1,115眼のLASIKを行ない、その間、手順変更を行った。
・2010/9-2012/6には147/395眼(37.2%)にDLKが発生したため、STATIM2000を更新し、タンクの滅菌を始めた所、その後の30ヶ月ではDLKの発症は14/632(2.2%)に減少した(p<0.0001)。
・旧タンク壁を培養した所、Pseudomonas、Burkholderiaが培養された。
・タンクには病原性をもつbiofilmが発生し、DLKやTASSの温床になるので、タンクの厳格な管理が必要である。
・新品のタンクを使用し、使用後に乾燥させたとしても20日間使用するとbiofilmが培養される。
・沸騰した湯で清浄することが必要である。
・以下が推奨である。
1)スイッチをoff、
2)タンクの蓋とフィルタ-を外す、
3)排出管でタンクを完全に乾かす、
4)約4リットルのタンクを煮沸した蒸留水で満たす。水道水では駄目である、
5)煮沸蒸留水を2-3分間、満たしておく、
6)次回使用迄、タンクは乾燥させておく、
7)次回の使用時にタンクを室温蒸留水で満たす、
8)電源をonにして使用する。
参照:Sorenson AL et al,Toxic anterior segment syndrome caused by autoclave resorvoir wall biofilms and their residual toxins.J Cataract Refract Surg 42:1602,2016(TY)
Assessment of the accuracy of new and updated intraocular lens power calculation formulas in 10930 eyes from the UK National Health Service.
Darcy K, Kane JX et al(Australia)
J Cataract Refract Surg 46(1): 2-7, 2020
・眼内レンズ度数計算の新しい計算式(Kane, Hill-RBF2.0, 眼軸長補正Holladay2)と現在汎用されている計算式(Barrett Universal2, Olsen, Haigis, Holladay1, Hoffer Q, SRK/T)とを比較検討した。
・10930眼に使用した眼内レンズは4種類で、眼軸長毎に検討した。
・その結果、Kane式が平均予測誤差(MAE:mean absolute prediction error)が有意に小さかった(p<0.001)。
・Kane式に次いで、Hill-RBF2.0、Olsen、Holladay2、Barrett Universal2、Holladay1、SRK/T、Haigis、Hoffer Qであった。
・予測値が±0.5D以内の比率はKane:72.0%, Hill-RBF2.0:71.2%, Olsen:70.6%, olladay2 :71.0%, Barrett2:70.7%, SRK/T:69.1%, Haigis:69%, Hoffer Q:68.1%であった。
・Kane式は眼軸長の短、中、長の全ての群、IOLの4種全てで誤差が最小であった。
・Holladay2と、Hill-RBF2.0式は前のversionより予測度が改善していた。(TY)
Endophtalmitis reduction with intracameral moxifloxacin in eyes with and without surgical complications: results from 2 million consecutive cataract surgeries.
Haripriya A et al(India)
J Cataract Refract Surg 45(9): 1226-1233, 2019
・スタッフと研修医での後嚢破損PCRに頻度、合併症なし眼とあり眼での術後眼内炎の頻度を前房内moxifloxacin(ICMP)投与群となし群で検討した。
・白内障手術は超音波乳化吸引手術あるいは小切開manual白内障手術(M-SICS)を行った。
・10ヶ所の病院で8年間に行った2,062,643眼を対象として検討した。
・全術後眼内炎頻度はICMP投与群では692/993,009(0.07%)から185/1,069,634(0.02%)に有意に減少しており(p<0.001)、PE手術でもM-SICSでも同じ傾向であった。
・PCR発生率は28,352/2,062,643(1.37%)で研修医でより多かった(p<0.001)。
・ICMP処置をしない場合、PCR発生は術後眼内炎の発症率を7倍(63/14,505 0.43%に上昇させたが、ICMP処置を行った場合、25/13,847(0.18%)に減少させることができた(P=0.002)。
・術後眼内炎発症率はIOL2次移植時に殊に高く、ICMPなしで0.90%、ICMP処置でも0.34%であった。(TY)
Comparison of eye-rubbing effect in keratoconic eyes and healthy eyes using Scheimpflug analysis and a dynamic bidirectional applanation device.
Henriquez MA et al(Switz)
J Cataract Ref Surg 45(8): 1156-1162, 2019
・31名の円錐角膜患者と30名のCtrl者で眼瞼を擦った影響をScheimpflug、角膜形状、角膜厚等で測定した。
・眼瞼を1分間擦り、5分の間隔を開けて再度1分間擦り、その直後、7分後、14分後に測定した。
・眼瞼を擦った直後の変化を円錐角膜とCtrlで比較すると、角膜前面強主経線-0.03±0.32:0.07±0.15D、角膜後面乱視0.14±0.50(p=0.03):-0.01±0.08D、前房容積ー5.09±8.45(p=0.0003):0.03±7.06mm3、角膜後面弱主経線0.03±0.06:ー0.001±0.04mm、眼圧ー1.61±1.41(p=0.001):-1.21±1.99mmHgであった(有意差あったものにはp値添付)。(TY)
Comparison of eye-rubbing effect in keratoconic eyes and healthy eyes using Scheimpflug analysis and a dynamic bidirectional applanation device
MA Henriquez, et al. (Peru)
J Catacact Refract Surg 2019;45(8):1156-1162
・健常者30眼、円錐角膜31眼
・眼を1分間こすり、5秒の休憩の後さらに1分間こすった
・こする前、こすった直後・7分後・14分後に、Scheimpflug カメラ(ペンタカムHR)およびOcular Response Analyzerで角膜・眼圧パラメーターを測定
・円錐角膜眼ではこすった後に角膜後面乱視・前房体積(ACV)・ゴールドマンで補正した眼圧(IOPg)が有意に変化
・健常眼では各パラメータとも有意な変化みられず(MK)
A modified intraocuar lens design to reduce negative dysphotopsia.
Erie JC et al(CA USA)
J Cataract Ref Surg 45(7): 1013-1019, 2019
・Negative dysphotopsiaを軽減するためのIOLデザインを光線追跡ソフトを用いて検討した。
・通常の高屈折率IOLでは光が入らない鼻側網膜は85度から93度に発生するが、周辺部後面が凹となったIOLでは暗くなる部位へも光が入るようになっていた。
・この様なデザインのIOLを使用すればnegative dysphotopsiaを減らす事ができる。(TY)
The impact of glistenings on the optical quality of a hydrophobic acrylic intraocular lens
Jan N.Weindler, et al. (Germany)
J Cataract Refract Surg 2019; 45(7):1020-1025
【目的】
疎水性アクリルIOLのグリスニングが視機能に与える影響をin vitroで検証
【対象と方法】
・AcrySof SA60AT 38枚を45℃まで温め(2h-100日)、その後37℃まで冷やす
・光学顕微鏡写真でmicrovaculoles(MV)の大きさと数を計測、1平方mmあたりのMV数でグレード分け;0(なし)、1(1-100)、2(101-200)、3(201-500)、4(500-)
・Automated IOL test stationにてグリスニング発生前後のIOLの光学的な質を評価
【結果】
・全てのIOLでグリスニングが発生
・グレード1-3では発生前後で光学的質の低下は見られず、グレード4では変調伝達関数(MTF)とStrehl比が有意に低下
【結論】
・500MV/mm2以下の限定的なグリスニングでは視機能に影響を及ぼさない
・グレード4では光学的質の低下はみられるも、その影響は小さく視機能には影響を及ぼさないだろう(MK)
Clinical and experimental evaluation of new back-flow hydrodissection technique
Atsushi Hirota, Tetsuro Oshika,et al.(広田眼科・筑波大)
J Cataract Refract Surg 2019; 45(7):1280-1284
・IAハンドピースの吸引側にメス-メスコネクターを介して灌流チューブを接続、灌流側は開放
・IAチップをCCC下にもぐらせ吸引口を周辺部に向け灌流
・200眼を従来ハイドロ法と本法にランダムに分け比較、ハイドロ成功率・手術時間・合併症率に有意差なし
・従来ハイドロ法ではフルオ染色した粘弾性物質がすぐに流出、本法では流出わずか
・内視鏡観察;従来ハイドロ法では急激な後嚢突出、本法では軽微
・IAハンドピースを用いたBack-flowハイドロ法は、レンズを嚢より確実に分離する、安全で効果的な方法である(MK)
Comparative evaluation of femtosecond laser-assisted cataract surgery and conventional phacoemulsification in eyes with a shallow anterior chamber
Viraj A. Vasavada, et al. (India)
J Cataract Refract Surg 2019(5); 45:547-552
目的:浅前房眼に対するフェムトセカンドレーザー白内障手術(FLACS)と従来の水晶体超音波乳化吸引術の術中、術後成績を比較する。
方法:浅前房眼(<2.5mm)で白内障手術を受ける患者を、FLACS(FLACS群)または従来の水晶体超音波乳化吸引術(Phaco群)を受けるように無作為に振り分けた。
患者を術後1日、1週間、1、3、6ヶ月後に追跡調査した。
中心角膜厚(CCT)、1週間後の角膜の透明度、前房細胞とフレア、角膜内皮細胞密度(ECD)、矯正していない遠見視力(UDVA)を比較検討した。
結果:FLACS群91眼、Phaco群91眼の全182眼。
術後1日および1週間で両群ともベースラインと比較してCCTが増加した。しか、平均CCTは、FLACS群と比較してPhaco群で有意に高かった(P <0.05)。 CCTは両群とも術後1ヶ月でベースライン時に戻った。(表3)
前房細胞とフレアは、術後1日、1週間で、白内障グレード2以上のFLACS群で有意に低い割合を示した。しかし術後1ヶ月で、両群とも検出可能な細胞またはフレアはなかった。(表4)
術前平均ECDは両群間で有意差はなかった。術後6か月までECDは両群で術前より低かった。術後6か月ECD減少率はFLACS群7.55%、Phaco群8.20%だった。両群間で有意差はなかった。(表5、6)
術前UDVAの平均値は、FLACS群0.67±0.05 logMAR、Phaco群0.72±0.67 logMARであり、群間で統計的な有意差はなかった(P = 0.56)(表7)。術後1週ではFLACS群0.18±0.31 logMAR、Phaco群0.27±0.65 logMARで有意差を認めた(P = 0.042)。しかし、その後は両群間で差はなかった。(表7)
結論:浅前房眼では従来の水晶体超音波乳化吸引術後の角膜浮腫および炎症の危険性が高い。
FLACSは特に術後早期の角膜浮腫および炎症の改善をもたらした。従来の白内障手術と同等の安全性と有効性を示した。(CH)
Role of anterior segment optical coherence tomography for safer management of mature white cataracts
A Dhami, et al. (India)
J Catacact Refract Surg 2019;45(4):480-484
・成熟白内障の術前にAS-OCTを施行
・前嚢下にfluid pocketsが存在(Group1):CCC前に30G針で液体を吸引
・前嚢下に液体が存在しない(Group2):Utrata鑷子でのCCC
30例30眼
・Group1 (15眼)中13眼でCCC完遂、2眼でCCC流れる
・Group2(15眼)中13眼でCCC完遂、2眼で後嚢破損
【結論】
成熟白内障の術前にAS-OCTで前嚢下の液体層を確認し、30G針での吸引を計画することは、CCCが流れる合併症を軽減させるのに有用(MK)
A comparison of two methods to calculate axial length.
Cooke DL et al(MI USA)
J Cataract Refract Surg 45(3): 284-292, 2019
・9つの計算式を検討した。
・超音波計測でのSRK/T、Holladay 1 & 2、Hoffer Q、Haigis、光学的計測でのBarrett、OKULIX、Olsenで検討した。
・短眼軸は22.0mm未満、長眼軸は26mm以上とした。
・結果の1位、2位は、短眼軸ではOKULIXとOlsen(PhacoOptics)、長眼軸ではHaigisとOlsen(Lenstar)、全眼軸ではOKULIXであった。(TY)
Effect of topical steroid instillation on central corneal thickness in eyes with bullous keratopathy.
Ono T et al(宮崎)
Jpn J Ophthalmol 63(3): 229-233, 2019
・水疱性角膜症に対する0.1% ベタメサゾン点眼と5%塩化ナトリウム液(高調食塩水)とを各18例18眼で比較した。
・治療前の中心角膜厚CCCは両群で有意差はなかったが、ベタメサゾン群でのCCCの変化は2週間目(p=0.002)、1ヶ月目(p=0.02)、3ヶ月目(p=0.001)で高調食塩水よりも有意に減少していた。(TY)
Haptic tuck for reverse optic capture of a single-piece acrylic toric or other single-piece acrylic intraocular lenses.
Gimbel HV et al(Canada)
J Cataract Refract Surg 45(2): 125-129, 2019
・大きな後嚢破損が発生した時の、1-piece acrylic toric IOLや他の1-piece acrylic IOLについて、新しい囊固定法について述べる。
・厚いhapticsをsulcusから離すために、hapticsを囊の下にしてoptic縁を囊の上に置くreverse optic captureが必要である。
・optic縁を囊上に残したまま、両方のhapticsをそれぞれCCCを通して下に押し込む。
・この方法をわれわれは「haptic tuck for reverse optic capture」と名付けた。(TY)
Iris hooks versus a pupil expansion ring: operating times, complications, and visual acuity outcomes in small pupil cases.
Nderitu P et al(UK)
J Cataract Refract Surg 45(2): 167-173, 2019
・9552例の白内障手術のうち425例(4.4%)が小瞳孔であり、そのうち95例のiris hookと314例の瞳孔拡張器(Malyugin ring)とを比較した。
・平均手術時間は熟練者で16分、未熟者で26分であったが、Iris hookは熟練者では+14分、未熟者では+24分、余計に時間がかかったが、Malyugin ringでは、それぞれ+4分と+6分であった。
・術中合併症は両者とも特にふえることはなかったが、Malyugin ringは術後の前眼部ぶどう膜炎や角膜浮腫の率が高くなっていたので、挿入時や摘出時に注意が必要である。(TY)
In vitro and schematic model eye assessment of glare or positive dysphotopsia-type photic phenomena: comparison of a new material IOL to other monofocal IOLs.
Das KK et al(UT USA)
J Cataract Refract Surg 45(2): 219-227, 2019
・5種類の眼内レンズを用いてグレアあるいはpositive dysphotopsia現象を検討した。
・使用したIOLはClareon CNA0T0(Alcon)、Tecnis XCB00(AMO)、enVista MX60(B&L)、Eternity W60(Santen)、Vivinex XY1(Hoya)であり、使用した度数は25Dである。
・光線追跡法でIOL縁によるedge-transmitted glareとreflected glareを検討した。
・ClareonとVivinexは無視できる程度で、TecnisとenVistaは45度以上の軸外入射光線に対してグレアが発生。
・Eternityはこのグレアが最大であった。(TY)
Haptic tuck for reverse optic capture of a single-piece acrylic toric or other single-piece acrylic intraocular lenses
Howard V. Gimbel, Hala A. Marzouk(Canada)
J Catacact Refract Surg 2019;45(2):125-129
・1ピース アクリルIOLをsulcus固定またはCCCにopticキャプチャー→厚みのある角状のhapticsが虹彩裏面や毛様帯に接触、過去には虹彩上皮ダメージや色素性緑内障(参考論文A)、虹彩萎縮や前房・硝子体出血、Uveitis-glaucoma-hyphema(UGH)症候群(参考論文B)などの報告
・通常は1ピース アクリルIOLの嚢内固定か、3ピースIOLに変えてsulcus固定またはopticキャプチャー
・本論文では1ピース アクリルIOLを逆にopticキャプチャーさせる方法を紹介
・破嚢時のトーリックIOLの固定などに有用(MK)
The role of sex in intraoperative floppy-iris syndrome.
Tzamalis A et al(Greece)
J Cataract Refract Surg 45(1): 41-47, 2019
・4年間で行った3213例3811眼の超音波乳化吸引術中にIFISを発症した症例の男女差を検討した。
・予防的にphenylephrineやadrenaline、虹彩フックやリングを使った症例は除外した。
・女性1678例(50.8%)-1937眼(72.04±7.1歳)でIFISは25眼1.29%で発生、男性では1535例(49.2%)-1874眼中(72.92±6.5歳)、IFISは97眼5.17%で発症し、有意に多かった(p<0.0001)。
・男性97眼中、α1遮断剤内服者は70例(72.2%)であったが、女性は0名だった。
・後嚢破損は女性25眼中7例(28%)で発症したが、男性では97眼中9例(9.28%)であり、硝子体脱出は女性25眼中7例(28%)で発症、男性では97眼中7例(7.22%)であり、いずれも有意差があった(p=0.01)。
・後嚢破損と最終視力は、女性ではIFISの強さに相関していた。
・文献上では不意のIFIS発症での後嚢破損の合併症は7-12%とされているが、十分な注意や対策を取れば後嚢破損の合併症はほぼ0にすることができるとされている。
・女性の症例ではIFISに対する対策がされていないため、女性でのIFIS発症時の合併症が増えたと考えられる。(TY)
The role of sex in intraoperative floppy-iris syndrome
Argyrios Tzamalis, Artemis Matsou, Maria Dermenoudi, Periklis Brazitikos, Ioannis Tsinopoulos(Greece)
J Catacact Refract Surg 2019;45(1):41-47
・3213例3811眼(男性1874眼、女性1937眼)の白内障手術患者
・女性のIFIS発症は25眼(1.29%)と男性の97眼(5.17%)より有意に低い(P<0.001)
・IFIS発症の平均年齢は男女間で有意差なし(72.92歳 vs. 72.04歳、P=0.56)
・α1ブロッカー内服:男性70/97眼(72.2%)、女性0/25眼(0%)
・IFIS眼での後嚢破損の合併症は女性(7/25眼、28%)が男性(9/97眼、9.28%)より有意に高い(P=0.02)*全体では男女差なし(P>0.05)
・女性において、後嚢破損の合併率および最終視力はIFIS重症度と有意に関連(それぞれP<0.001、P=0.02)
【結論】女性患者ではIFISの合併はまれであるが、その重症度に応じて術中合併症のリスクが増加し最終視力も低くなる傾向がある。(MK)
Phacoemulsification and endocyclophotocoagulation in uncontrolled glaucoma: Three-year results.
Smith M et al(UK)
J Cataract Refract Surg 44(9): 1097-1102, 2018
・以前に濾過手術を行っていないコントロールが困難な緑内障に白内障手術と360度眼内光凝固を84例84眼に行った結果を報告する。
・失敗の基準は1)眼圧が21mmHg以上か、6mmHg以下か、20%以上下がらなかった場合、2)追加の眼内光凝固あるいは手術が必要だった場合とした。
・術前眼圧と薬剤数は18.7±4.8(2.6±0.3)であったものが1年後13.3±3.3(2.5±1.0)、2年後13.8±3.8(2.4±1.1)、3年後14.0±3.9(2.5±1.1)まで低下した。
・9例(10.7%)で合併症がみられたが、緩解した。
・7例がCME、1例が持続する角膜浮腫、1例がIOL捕捉であった。
・3年後の手術の成功率は約40%であった。(TY)
Microinterventional endocapsular nucleus disassembly for phacoemulsificatio-free full-thickness fragmentation.
Ianchulev T et al(NY USA)
J Cataract Refract Surg 44(8): 932-924, 2018
・水晶体核を分割する小さな器具について報告する。
・この器具は超弾性のあるニッケルとチタンの記憶形状合金の細い線維(miLOOP)からできている。
・通常の前嚢切開、hydrodissection後に、2.3mmの角膜切開創から挿入し、折りたたまれたmicroloopを伸ばして水晶体前面から前嚢下に入り、水解離部を垂直に回転しながら核全体を包み込む。
・Loopを機械的に引っ張ることによって核分割ができる。
・2分割、4分割あるいはそれ以上の分割が可能である。この方法は核の硬さにかかわらず可能であり、超音波乳化やfemotosecondでの分割が不要となる(TY)