Features of the multifocal electroretinogram may predict the rate of myopia progression in children.
Luu CD et al(Singapore)
Ophthalmology 114(8): 1433-8, 2007
・小児の近視の進行具合を multifocal Electroretinogram(mfERG)で検討した。
・81人の9歳から11歳の児童にサイプレ屈折検査、mfERGや眼軸長などを2002年に行い、2年後に再検した。
・81眼の内、12眼は1Dを超える近視進行があり、44眼は中等度の進行(0.25Dを超え1D以下)、25眼は軽度進行あるいは進行なし(0.25D以下)。
・高度進行群では中心5度以内のmfERGのP1振幅が中度進行群あるいは軽度進行群に比して有意に小さかった(p=0.023, p=0.030)。
・ 中心5度以内の他のmfERGパラメータ、あるいはその外のmfERGパラメータはいずれも優位差はなかった。
Intravitreal bevacizumab for treatment of uveitic macular edema.
Coma MC et al(MA USA)
Ophthalmology 114(8): 1574-9, 2007
・様々なブドウ膜炎に続発した、治療に抵抗する嚢胞様黄斑浮腫13例に対し、硝子体内bevacizumab 2.5mgを片眼に投与し、その後の12週間の短期安全性と効果について検討。
・6眼(46%)では黄斑厚み減少、5眼(38%)では視力の2ライン上昇。
・黄斑厚みは有意に減少したが(p<0.02)、視力の有意な上昇はなかった(p>0.05)。
・今後の更なる検討が必要
Evaluation of Medicare costs of endophtalmitis among patients after catract surgery.
Schmier JK et al(USA)
Ophthalmology 114(6): 1094-9, 2007
・1997-2001年の Medicareの受給者ファイルから白内障術後の眼内炎発症例について調査。
・139,558例は術後眼内炎を未発症で、417例が発症した。発症率は417/139,975=0.30%
・費用の平均は発症者で $20,590、コントロールで $8,012、支払額の平均は発症者で$5,798、コントロールで $2,334であった。
Effect of laser trabeculoplasty on nocturnal intraocular pressure in medically treated glaucoma patients.
Lee AC et al(CA USA)
Ophthalmology 114(4): 666-70, 2007
・点眼治療中の18例28眼のPOAGで、LTPが24時間眼圧IOPに及ぼす影響について検討した。
・LTP術前とLTP治療の45日から80日後の24時間IOPを測定した。
・覚醒中の16時間は座位と仰臥位の両方のIOP、夜間睡眠中の8時間は仰臥位のIOPを血圧、心拍数と一緒に2時間おきにPneumatonometer (Model 30 Classic)で測定した。
・覚醒中の眼圧は座位でも仰臥位でも、術前とLTP後の眼圧に有意差はなかったが、夜間の仰臥位での眼圧はLTP後に有意に低下していた。
・24時間のhabitual IOP(覚醒中は座位、睡眠中は仰臥位)の平均ならびに最高眼圧はLTP後に有意に低下していた。
・また、仰臥位での24時間の平均眼圧もLTP後に有意に低下していた。
Intravitreal long-acting gas in the prevention of early postoperative vitreous hemorrhage in diabetic vitrectomy.
Yang CM et al(Taiwan)
Ophthalmology 114(4): 710-5, 2007
・59例61眼の増殖性糖尿病網膜症の硝子体手術で、術後、網膜再剥離が3ヶ月以上なく、6ヶ月以上経過観察できた人を検討した。
・術終了時に10%C3F8を注入する群(G1)としない群(G2)にランダムに分けた。
・術2ヵ月以降に3箇所の術創をUBMで検査して増殖性変化の有無を確認した。
・硝子体が清浄になるまでの時間(ITVC)はG1では13.2±9.6日、G2では11.3±11.1日で有意差はなく、ITVCが5週間を超えた人はG1では1/31例、G2では2/30例であった。
・術後早期の硝子体再出血はG1では0/31、G2では5/30であり(p=0.02)、両者をあわせたものはG1では1/31、G2では7/30であり、有意差があった(p=0.02)。
・両群ともUBM検査では創口への血管新生はなかったことから、10%C3F8の注入は術後再出血予防に有用である
Prevalence and long-term natural course of retinoschisis among elderly indivisuals.
The Copenhagen City Eye Study.
Buch H et al(Denmark)
Ophthalmology 114(4): 751-5, 2007
・CopenhagenのOsterbro地区に住んでいる60歳から80歳の946名について、14年後に生存していた人の 97.3%にあたる359名について検討。
・最初の946名の内、35名が片眼あるいは両眼にretinoschisisがあり、そのうち15名が14年後に経過観察できた。
・60-80歳での頻度は3.9%(95%CI=2.6-5.2%)で、年齢、性と相関はなく、耳下側が44.4%と多かった。
・白内障手術をうけた1名に網膜剥離を発症した。
・4名が経過中に他眼にretinoschisisを発症した。
・14年間で不変が73.7%、消失は8.8%であった
Surgeon volumes and selected patient outcomes in cataract surgery. A population-based analysis.
Bell CM et al(Canada)
Ophthalmology 114(3): 405-10, 2007
・Canada Ontario州で、2001-2003年に年間50症例以上の白内障手術を行なった70施設の術者(231-243人)の術後経過について検討。
・対象は20歳以上の白内障患者 284,797眼。
・白内障術後2週間以内に発生した合併症に対する処置、手術の請求書を元にして検討した。
・請求内容は、硝子体手術、硝子体吸引や注射、硝子体置換、脱臼水晶体除去であり、術後網膜剥離、核落下、術後眼内炎を示唆するものである。
・年間の発症率は 0.33-0.41%であった。
・年間251-500例の術者は0.4%で、年間50-250例の術者(対象)の0.52(95%CI=0.39-0.69)。
・年間501-1000例の術者は 0.2%で、対象の0.31(95%CI=0.22-0.43)
・年間1000例超の術者は 0.1%で、対象の0.14(95%CI=0.09-0.23)であった。
・対象,≦500,≦1000,>1000、核落下 1:0.45:0.22:0.08、網膜剥離1:0.36:0.16:0.13、眼内炎 1:0.63:0.46:0.22
Retinal vein occlusion and vascular mortality. Pooled data analysis of 2 population-based cohorts.
Cugati S et al(Australia)
Ophthalmology 114(3): 520-4, 2007
・Beaver Dam Eye Study(BDES 1988-1990)43-86歳の4926名、Blue Mountains Eye Study(BMES 1992-1994) 49-94歳の3654名が調査開始時に登録されたデータを調査した。
・8384人の内、96名(1.14%)にRVOがあった。
・12年間の内に1312名(15.7%)が心血管病変で死亡、341名(4.1%)が脳血管病変で死亡。
・対象群との年齢調整を行なった後の死亡率はRVO群では 26.0%と5.3%、非RVO群では17.1%と4.5%であった。
・年齢、性、body-mass-index、高血圧、糖尿病、喫煙、緑内障などで調整すると、RVOと血管死亡率との間に関連はなくなったが、43歳から69歳群だけでみると、RVOは心血管病変での死亡リスクは倍になっていた
Diabetic vitrectomy. Influene of lens status upon anatomic and visual outcomes.
Schiff WM et al(NY USA)
Ophthalmology 114(3): 544-50, 2007
・糖尿病網膜症に対する1回目の硝子体手術時に水晶体を取るか否かで術後の解剖学的、機能的結果に差があるかどうかを検討。
・85例102眼の増殖性網膜症に対する手術を検討。
・術後に有水晶体眼であったものでは、有意にその後の再硝子体手術が多かった。
Effects of corneal thickness, corneal curvature, and intraocular pressure level on Goldmann applanation tonometry and Dynamic Coutour Tonometry.
Francis BA et al(CA USA)
Ophthalmology 114(1): 20-26, 2007
・平均眼圧はGATではDCTよりも全体では有意に低かった(14.4±3.2:16.0±3.6)
・GAT、DCRともにCCTが薄いと低かったが、この差はDCTよりもGATで顕著であった(p<0.0001)。
・GATとCDRの差はCCTが薄いと大きく、CCTが厚いと減少していた(p<0.001)。
・角膜曲率半径が大きいほどDCTでは眼圧測定値が高かったが(p=0.02)、GATでは相関がなかった
Detection of primary angle closure using anterior segment optical coherence tomography in Asian eyes.
Nolan WP et al(UK)
Ophthalmology 114(1): 33-9, 2007
・Singaporeのglaucoma clinicに通院中の患者で、偽水晶体眼、緑内障手術既往眼を除いた200名342眼で、その内、70.9%が臨床的にPAGと診断されているアジア人で検討。
・下耳鼻側の隅角をAS-OCTで暗所と明所で測定し、薄明下での隅角鏡検査を行った。
・1象限以上の隅角閉鎖は、AS-OCTでは142名(71%)228眼(66.7%)、隅角鏡では99名(49.5%)152眼(44.4%)に見られた。
・両検査ともに下方隅角閉塞が一番多かった。
・暗所では、342眼中、両検査で閉塞143眼、両検査で開放105眼、AS-OCTだけで閉塞85眼、隅角鏡だけで閉塞9眼。
・明所では、両検査で閉塞127眼、両検査で開放128眼、AS-OCTだけで閉塞66眼、隅角鏡だけで閉塞21眼。
・隅角が閉塞する人で、狭隅角緑内障と診断されている人は約3人に2人で、残り1名は開放隅角と診断されている可能性がある。
Optical coherence tomography analysis of the macula after scleral buckle surgery for retinal detachment.
Benson SE et al(UK)
Ophthalmology 114(1): 108-12, 2007
・合併症のない網膜剥離手術後、18ヶ月経過観察のできた18歳以上の98例で検討。
・OCTで6週,3,6,9,19,18か月経過観察。
・98例中54例(55%)では術後6週間後にOCTで網膜下液(SRF)があり、SRFの存在は視力改善不良と関連していた。
・このうち78%のものでは術後6ヵ月後もSRFは存続し、中間値で10ヵ月後に吸収し、視力改善とも相関していた
Relationship of progression of visual field damage to postural changes in intraocular pressure in patients with normal-tension glaucoma.
Kiuchi T et al(筑波大)
Ophthalmology 113(12): 2150-5, 2006
・NTGでの視野障害の進行が姿勢変化による眼圧変動と関連があるかどうかを点眼治療中のNTG 33例60眼(平均年齢67.9歳、平均経過観察4.6年)で検討した。
・眼圧、血圧、脈拍を座位と仰臥位で測定。
・視野はHumphrey視野計による年間MD値の変化、すなわち、回帰線としてのMD傾斜線を Statpac2プログラムで求めた。
・仰臥位の眼圧は座位よりも有意に高かった(平均3.8mmHg, p<0.001)。
・MD傾斜線と座位眼圧に相関はなかったが、仰臥位眼圧との間には優位な相関があり(p=0.043)、姿勢変化による眼圧変化とMD傾斜線は有意に相関した(p<0.001)。
・仰臥位での収縮期血圧のみが眼圧の姿勢変化と関連があった(p=0.004)。
・これらのことから、NTGにおける視野変化は睡眠時に進行している可能性があると考えた
Systemic bevacizumab(Avastin) therapy for neovascular age-related macular degeneretion. Twenty-four-week results of an uncontrolled open-label clinical study.
Moshfeghi AA et al(FL USA)
Ophthalmology 113(11): 2002-11, 2006
・subfoveal CNVがあり、最高視力が 20/40-20/400のAMD患者18例。
・アバスチンを 5mg/kg静注し、2週間間隔で1,2回追加静注し、24週間経過観察した。
・重篤な合併症はなかったが、唯一の有害事象は3週目までの平均血圧の上昇であった(収縮期 +11mmHg:p=0.004, 拡張期 +8mmHg:p<0.001)が、24週目までには血圧は正常化した。
・視力上昇は2週目までに起こり、24週目まで持続した(p<0.001)。
・OCTの平均CRTは 112μ減少(p<0.001)。
・最初の2ー3回の静注後に、漏出の再発に対して追加静注が必要であったものは6/18 で、いずれも追加静注後に漏出は停止した
Risk of retinal detachment after catract extraction, 1980-2004. A population-based study.
Erie JC et al(MI USA)
Ophthalmology 113(11): 2026-32, 2006
・1980-2004までの 7137名 10,256眼の白内障術眼について検討。
・1、5、10、15、20年後の網膜剥離頻度は 0.27%, 0.71%, 1.23%, 1.58%, 1.79%であり、嚢外とPEとの間には有意差はなかった。
・20年後の網膜剥離発症頻度は、非手術眼に比して4倍(95% CI=2.6-5.4, p<0.001)であった。
Intravitreal Bevacizumab (Avastin) in the treatment of proliferative diabetic retinopathy.
Avert RL(CA USA)
Ophthalmology 113(10): 1695-705, 2006
・糖尿病による網膜 and/or 虹彩新生血管のある32例45眼に硝子体内にavastin(6.2μg-1.25mg)を注入。
・注入1週間後にFAでの新生血管からの漏出は全例で完全にあるいは、部分的に減少。
・視神経乳頭の新生血管からの漏出は19/26(73%)で完全に消滅。
・虹彩新生血管の漏出は 9/11(82%)は完全に漏出停止。
・漏出の消退は注入24時間後に起こっていた。
・2例では、注入していない他眼の網膜or虹彩新生血管からの漏出減少がみられ、全身的な薬物レベルが治療域に入っている可能性が示唆された。
・1例では2週間後に漏出の再燃があったが、それ以外は少なくとも11週間後にも漏出の再燃はなかった。
・また、使用した最小量(6.2μg)でも効果があり、1.25mgの硝子体内注入で、他眼にも影響があったことから、全身的な副作用の出る可能性は十分にあると考えられる
A pilot study of multiple intravitreal injections of ranibizumab in patients with center-involving clinically significant diabetic macular edema.
Chun DW et al(MA USA)
Ophthalmology 113(10): 1706-12, 2006
・10例10眼の糖尿病黄斑症(視力は 20/63~20/400)にranibizumb(0.3mgを5例、0.5mgを5例)を3回注入(1ヵ月後、2ヶ月後に追加)し、24ヶ月経過観察。
・3ヵ月後、中心網膜厚は0.3mg群では45.3±196.3μm、0.5mg群では197.8±85.9μm減少した。
Intraocular pressure changes and ocular biometry during Sirsasana (headstand position) in Yoga practitioners.
Baskaran M et al(India)
Ophthalmology 113(8): 1327-32, 2006
・Sirsasana(ヨガでの倒立姿勢)中の眼圧変動を熟練したヨガ行者75人で測定
・年齢 48.9±13.7歳、座位眼圧 14.2±2.9(7-24)mmHg)
・倒立前、倒立中、倒立後にTonopenで眼圧測定
・倒立直後の眼圧は 29.3±4.4(18-41)mmHg、上昇は 15.1±3.5(8-23)mmHg
5分後の眼圧は 30.1±4.8(21-44)mmHg、上昇は 15.8±4.6(6-33)mmHg
座位に戻った直後の眼圧は 17.5±4.1(10-32)mmHg
Open-angle glaucoma and cardiovascular mortality: The Blue Mountains Eye Study.
Lee AJ et al(Australia)
Ophthalmology 113(7):1069-76,2006
・OAGと9年間の死亡率との関連をみた。
・49歳から97歳の3,654名(Sydney西のBlue Mountains住民の82.4%)で検討。
・基準時(1992-1994)に、視野異常と視神経乳頭所見が一致したものを緑内障と診断し、彼らの死亡を、Australian National Death Index dataの死亡者、死亡原因と比較した
・年齢、性、DM、高血圧、心疾患、心拍、内服ベータブロッカー、喫煙歴、飲酒、近視、核白内障などが検討された
・基準時に緑内障と診断された人は108名(3.0%)。
・2002年1月までに死亡した873名(23.9%)のうち、312名(8.5%)が心血管死であった
・全原因の死亡率は緑内障者は24.3%で、非緑内障者は23.8%であったが、心血管死は緑内障者は14.6%で、非緑内障者は8.4%であった。
・調整後の緑内障者の心血管死は RR(Relative risk)= 1.46 (95%CI= 0.95-2.23)で有意差はなかった。
・75歳未満では、緑内障者の心血管死は RR= 2.78 (95%CI= 1.20-6.47)で高かった。75歳以上では RR= 1.22(95%CI= 0.74-2.01)
・新規にOAGと診断された人(53名)の心血管死は RR=0.94(95%CI= 0.44-2.02)であったが、以前にOAGと診断されていた人(55名)の心血管死は RR=1.85 (95%CI= 1.12-3.04)で、殊にチモロール点眼薬で治療を受けていた人では RR= 2.14 (95%CI= 1.18-3.89)で高かった
Fourth-generation fluoroquinolone penetration into the aqueous humor in humans.
McCulley JP et al(USA)
Ophthalmology 113(6): 955-9, 2006
・第4世代フルオロキノロンとして、0.5%moxifloxacin点眼、0.3%gatifloxacin点眼の眼内移行を他のフルオロキノロンの文献結果と比較した。
・手術1日前に4回、手術1時間前に1回点眼し、手術時に前房濃度を測定。
・この2種類の第4世代フルオロキノロン剤は、前世代のものより有意に前房濃度が高かった。
・moxifloxacin(1.86±1.06μg/ml)はgatifloxacin(0.94±0.72μg/ml)の倍の前房濃度があり、両者間にも有意差があった