Chronic kidney disease and intraocular pressure. The Singapore Malay Eye Study.
Nongpiur ME et al(Singapore)
Ophthalmology 117(3): 477- 83, 2010
・Singaporeのマレー人の40-79歳の成人3,280名について、慢性腎疾患(CKD)と眼圧との関連を調べた。
・糸球体瀘過量(eGFR)と微量アルビミン尿を測定し、eGFRが60ml/min/1.73m2以下、あるいは微量アルブミン尿(+)、尿アルブミン-クレアチニン比が男で17mg/g以上、女で25mg/g以上をCKDと診断した。
・全体ではCKDは27.92%、緑内障は4.5%で、眼圧は15.41±3.7mmHgであった。
・年齢、性で補正した後の眼圧はCKDでは15.8と、CKD以外の15.3に比較して高かった(p<0.0001)。
・眼圧はeGFRが低い群で高かった(p<0.001)。
・多変量回帰分析では、CKDでは平均眼圧はCKDのない人より0.305mmHg高かったが、CKDと緑内障とは相関がなかった。
Are myopic eyes less likely to have diabetic retinopathy?
Lim LS et al(Singapore)
Ophthalmology 117(3): 524- 30, 2010
・随時血糖が11.1mmol/l以上、糖尿病薬を内服している、あるいは糖尿病と診断された人をDMと定義した。
・球面屈折度(SE)はオートレフケラトと自覚屈折度で決め、眼軸長と前房深度はIOLMasterで測定した。
・3280名の内、DMと診断された629名で解析した。
・多変量解析では、遠視(>0.5D)を1.0とした場合、正視(0.5以内)、軽度近視(-3D以内)、中等度近視(-3D越え)では、網膜症ありは、0.80(95%CI=0.61-1.06)、0.66(0.45-0.95)、0.59(0.32-1.07)で、trendはp=0.009。
・中等度網膜症は、0.69(0.40-1.18)、0.60(0.30-1.19)、0.18(0.03-1.18)で、trendはp=0.015。
・重症網膜症は、0.47(0.23-0.98)、0.44(0.18-1.12)、データなしで、trendはp=0.052であった。
・眼軸長が1mm増加するごとに、網膜症ありは0.86(0.75-0.99 p=0.041)、中等度網膜症は0.80(0.62-1.05 p=0.108)、重症網膜症は0.63(0.40-0.99 p=0.044)となった。
・近視があり、眼軸長の長い人は糖尿病網膜症のリスクは低くなっていた。
Retinopathy in persons without diabetes. The Handan Eye Study.
Peng XY et al(China)
Ophthalmology 117(3): 531- 7, 2010
・中国河北省の田園地域で糖尿病のない人の網膜症について検討した。
・30歳以上のハン族の6,830名で調査した。
・空腹時血糖が7.0mmol/l以上、糖尿病薬を内服している、あるいは糖尿病と診断された人をDMと定義。
・DMでない人で網膜症のある人は13.6%(95%CI=12.6-14.6%)あった。
・網膜症のリスクファクターは年齢(OR=1.02 95%CI=1.01-1.03 1歳増加する毎に)、男性(OR=1.27 95%CI=1.08-1.49)、空腹時血糖(OR=1.30 95%CI=1.11-1.53 1mmol/l増加毎に)、収縮時血圧(OR=1.15 95%CI=1.05-1.27 10mmHg増加毎に)、拡張期血圧(OR=1.16 95%CI=1.09-1.22 10mmHg増加毎に)。
・このことは、初期の毛細血管症は血糖や血圧が正常値上限で既に発生していることを示している
In vivo retinal morphology after grid laser treatment in diabetic macular edema.
Bolz M et al(Austria)
Ophthalmology 117(3): 538- 44, 2010
・DMEの人の初回光凝固をPASCALでグリッド凝固を行う前と凝固1日目のOCT所見を13名で検討した。
・凝固1日目には網膜外層(RPE層、視細胞層PRL、外顆粒層ONL)のみに形態的な変化が見られた。
・凝固斑は矢状ではなく、ONLを斜めに横切って外境界膜に入り、そこからは矢状(垂直)に方向を変えてPRL、RPEに入っていた。
・また、中心網膜厚の減少、殊にPRLの減少も引き起こしていた。
Cigarette smoking as a risk factor for uveitis.
Lin P et al(CA USA)
Ophthalmology 117(3): 585- 90, 2010
・Proctor Foundationで眼内炎症で経過を見ている2002-2009年の564名について、同時期の患者564名と比較検討した。
・喫煙者の眼内炎症を持っている比率は、喫煙歴のない人の2.2倍(95%CI=1.7-3.0 p<0.001)であった。
・ぶどう膜炎のタイプごとに分けると、前部ぶどう膜炎ではOR=1.7(95%CI=1.2-2.4 p=0.002)、中間部ぶどう膜炎ではOR=3.2(95%CI=1.3-7.9 p=0.014)、後眼部ぶどう膜炎では OR=3.2(95%CI=1.3-7.9 p=0.014)、汎ぶどう膜炎ではOR=3.9(95%CI=2.4-6.1 p<0.001)であった。
・汎ぶどう膜炎でCMEのある人ではOR=8.0(95%CI=3.3-19.5 p<0.001)、CMEのない人ではOR=3.1 (95%CI= 1.8-5.2 p<0.001)であった。
・中間部ぶどう膜炎でCMEのある人ではOR=8.4(95%CI=2.5-28.8 p<0.001)、CMEのない人ではOR=1.5(95%CI=0.6-3.8 p=0.342)であった。
・感染性ぶどう膜炎ではOR=4.5(95%CI=2.3-9.0 p<0.001)、非感染性ぶどう膜炎ではOR=2.1(95%CI=1.6-2.8 p<0.001)。
・このことはぶどう膜炎の喫煙者に喫煙をやめさせる大きな理由になりうる。
Infectious keratitis in 204,586 LASIK procedures.
Llovet F et al(Spain)
Ophthalmology 117(2): 232-8, 2010
・SpainのLASIK施設Bavieraで2002年9月から2008年5月までに行った107,613例204,586眼のLASIK手術のレコードを調べたところ、感染性角膜炎は63例72眼(0.035%)にみられた。
・感染の発症は術後7日以内に62.5%が発症していた。
・培養をとった54例の内、21例で菌が検出された。
・9例が表皮ブ菌で最も多かった。
・感染直後に、54例でフラップを持ち上げて抗生剤で洗浄した。
・抗生剤点眼だけで加療した18例のうち10例では後にフラップを持ち上げての洗浄が必要となった。
・1例ではフラップ壊死のためにフラップを切除した。
・最終的な最良視力は38例(52.7%)で1.0以上、67例(93.05%)で0.5以上、5例(6.94%)で0.5未満であった。
Cerebrospinal fluid pressure in glaucoma. A prospective study.
Ren R et al(China)
Ophthalmology 117(2): 259-66, 2010
・開放隅角緑内障の43例(NTG:14例、POAG:29例)と緑内障のない71例で脳脊髄圧(CSF-P)を検討した。
・CSF-Pは正常眼圧緑内障群(9.5±2.2mmHg)では、POAG群(11.7±2.7mmHg)や、コントロール群(12.9±1.9mmHg)よりも有意に低かった(p<0.001)。
・篩状板圧差(IOP-CSF圧)は正常眼圧緑内障群(6.6±3.6mmHg)やPOAG群(12.5±4.1mmHg)では、コントロール群(1.4±1.7mmHg)よりも有意に高かった(p<0.001)。
・緑内障性視野欠損の程度(dB表示)は、CSF-Pの高さと負の相関があり、篩状板圧差と正の相関があった。
・緑内障、非緑内障眼104例全部で、篩状板圧差とdB表示の視野欠損値の相関を見ると、相関係数0.69、p<0.001となった。
・コントロール群ではCSF-Pは収縮期血圧(p=0.04)、眼圧(p<0.001)と有意に相関があったが、篩状板圧差は血圧とは相関がなかった(p=0.97)
Anterior chamber depth is significantly decreased after scleral buckling surgery.
Goezinne F et al(Netherlands)
Ophthalmology 117(1): 79-85, 2010
・裂孔原性網膜剥離の38眼に輪状締結と強膜内陥を行い、前房深度と眼軸長を、術前、術後1週、1,3,6,9,12ヶ月後に測定した。
・38眼全部で、前房深度は有意に減少(前3.22±0.75mm、翌日2.78±0.71、1週間目2.99±0.70、1か月後3.05±0.67、3M後3.07±0.68、6M後3.09±0.71、9M後3.08±0.70、1年後3.16±0.81で、9か月目までは有意に浅くなっており、1年目で元に戻っていた。
・眼軸長は術前24.9±1.5mmで、術後、全ての観察期で、眼軸長が2.6±1.2D(0.75D~4.75D)延長していた。
Diurnal intraocular pressure fluctuation and associated risk factors in eyes with angle closure.
Baskaran M et al(Singapore)
Ophthalmology 116(12): 2300 4, 2009
・アジア人(89%が中国人で、女性は61%)の98例98眼の閉塞隅角眼(32例のPAC suspects、34眼のPAC、32眼のPACG)と21例21眼の正常コントロール眼で、眼圧変動を測定した。
・全ての閉塞隅角眼は事前にレーザー虹彩切開を受けているが、点眼治療などの開始前の症例である。
・8:00~17:00の間に1時間おきに眼圧測定を行い、年齢、PASの広さ、中心角膜厚、垂直C/D比、自動視野計の pattern SDとの関連を調べた。
・眼圧変動はPACG(5.4±2.4)、PAC(4.5±2.3)で有意に高かった(p=0.005、PACS:3.7±1.2、正常:3.8±1.1)。また眼圧最高値は早朝であった。
・PACG+PAC群では、PACS+正常群よりも3mmHg以上の眼圧変動が起こる確率は2倍以上であった(OR=2.38; 95%CI=1.1-5.1; p=0.025)。
・眼圧変動が大きいことは、PASの範囲(r=0.37 p=0.0001)、視野のPSD(r=0.34 p=0.0002)と関連していた。
An outbreak of post-cataract suregery endophthalmitis caused by psudomonas aeruginosa.
Pinna A et al(Italy)
Ophthalmology 116(12): 2321 6, 2009
・Indiaのある病院で2008/2/23~2008/4/2迄の間に白内障術後の術後眼内炎が20例発生し、全例から psudomonaa aeruginosaが検出された。
・検出菌は全株、多剤耐性で、6株は空調機から検出された菌と94%のsimilarityがあった。
・10例は眼球摘出あるいは眼球癆となった。
Prevalence of amblyopia and strabismus in white and african american children aged 6 through 71 months. The Baltimore Pediatric Eye Disease Study.
Friedman DS et al(MA USA)
Ophthalmology 116(11): 2128 34, 2009
・白人とAfrican Americanで、6か月から71カ月の小児の斜視の有病率、30か月から71カ月の小児の弱視の有病率を検討した。
・Baltimoreの6か月から71カ月の対象者は4132名で、2546名(62%)を検査した。
・明らかな斜視はwhiteの3.3%、Africanの2.1%で、whiteが多かった(relative prevalence RP=1.61: 95%CI=0.97-2.66)。
・両群とも内斜視と外斜視の比率はほぼ半々であった。
・6か月から11カ月では、84名のwhiteの中に1名斜視が見つかっただけであったが、60か月から71カ月では、斜視の比率は高く、whiteの5.8%、Africanの2.9%に見られ、whiteで多かった(RP=2.05: 95%CI=0.79-5.27)。
・弱視は白人の12名(1.8%)、Africanの7名(0.8%)で、PR=2.05; 95%CI=0.88-5.62であった。
・両眼弱視は1名であった。
・このことから、全米で、6-71か月の小児の667,000例が斜視で、30-71か月の小児の271,000例が弱視であろう。
Subconjunctival hemorrhage and conjunctivochalasis.
Mimura T et al(東大)
Ophthalmology 116(10): 1880 6, 2009
・結膜下出血(SCH)と結膜弛緩症(CCh)との関連を調べた。
・SCHの41歳から94歳までの104例と、年齢と性別をマッチさせた120例で検討した。
・SCHは8方向で調査し、CChは、鼻側、中央、耳側で調査した。
・CChはGrade0から4に分類。0:皺襞がない。1:1本の小さな皺襞。2:2本以上の皺襞があるが、涙液メニスカスよりは低い。3:複数の皺襞があり、涙液メニスカスよりも高い。
・CChのgradeは、SCHでは正常者よりも鼻側、中央、耳側のいずれも有意に高かった。
・下向きあるいは指で押した時のCChの変化や、表層点状角膜症の頻度はSCH患者で、正常者よりも有意に大きかった。
・SCHの発生象限数や各領域でのSCHの存在はCChに関連したパラメータと有意に相関していた(p<0.05)。
・これらの事から、CChはSCHの発生に重要な役割を果たしているだろうと考えた
Macular and nerve fiber layer thickness in amblyopia.
The Sydney Childhood Eye Study.
Huynh SC et al(Australia)
Ophthalmology 116(9): 1604-9, 2009
・34の小学校(中間年齢6歳:1395名)、21の中学校(中間年齢12歳:2134名)の3529名の生徒で調査した。
・弱視とは特に病変がなくて視力が0.3logMAR(0.5)未満、不同視とは両眼の屈折度が1D以上と定義し、黄斑部と乳頭周囲のRNFL厚みを測定した。
・弱視眼は健眼よりも5.0μm(95%CI=0.1-9.9)、正常者よりも10μm程度、中心窩RNFLは厚かった(いずれも p<0.05)。
・これは12歳児(4.2μm)よりも、6歳児(6.9μm)で顕著であった。
・視神経乳頭周囲のRNFLは、弱視眼、健眼、正常眼で有意差はなかった
Intravitreal ranibuzumab may induce retinal arteriolar vasoconstriction in patients with neovascular age-related macular degeneration.
Papadopoulou DN et al(Switzerland)
Ophthalmology 116(9): 1755-61, 2009
・初回治療の新生血管AMD 11眼に対して、硝子体内ranibizumab(Lucentis)注入の網膜血管径に及ぼす影響について検討した。
・全眼で、3回のmonthly 注入を行い、retinal vessel analyzer(RVA)を用いて、in vivoで視神経乳頭から2乳頭径以内の網膜血管径を、初回注入前と、各回の注入後、7日目と30日目に測定した。
・注入後30日目の網膜血管径は、1,2,3回目の注入後、8.1±3.2%, 11.5±4.4%, 17.6±7.4%減少した(いずれも、p<0.01)が、網膜動脈圧(MAP)に変化はなかった。
・3回目の注入30日目の視力BCVAは ETDRS letterで 6.5±4.9上昇し、中心網膜厚は91±122μm減少した。この結果は、ranibizumab注入によって網膜動脈血管が収縮していることを示している
Blood-assisted internal limiting membrane peeling for macular hole repair.
Lai CC et al(Taiwan)
Ophthalmology 116(8): 1525-30, 2009
・黄斑円孔手術時に、ヘパリン化された自己全血を黄斑部に塗布し、薄い一層を残して除去。大変有用であった
Accommodation measured wit optical coherence tomography in patients with Marfan’s syndrome.
Konradson TR et al(Sweden)
Ophthalmology 116(7): 1343-8, 2009
・31例31眼のマルファン症候群と31眼のコントロール眼とで調節力を比較した。
・マルファン症候群内では、レンズの亜脱臼のある群とない群とでも比較した。
・調節力はVisante OCTを用いて、装置内のターゲットをボケさせ、眼前にマイナスレンズを挿入して自覚的に測定した。
・前房深度、水晶体厚、瞳孔径も同時に測定した。
・群間で調節力、前房深度には差は見られなかった。
・マルファン群では水晶体厚は有意に厚く、瞳孔径は有意に小さかった。
・マルファン群内でのレンズ亜脱臼の有無は影響していなかった
Triamcinolone acetonide concentration of aqueous humor after decanted 20-mg intravitreal injection.
Cheng L et al(CA USA)
Ophthalmology 116(7): 1356-9, 2009
・7例10眼で、triamcinolone 20mgを硝子体内へ注入し、1ヶ月間隔で5μlの前房水を採取し、濃度を測定した。
・TAの半減期は29.6日で、クリアランス係数は0.0234(1/日)であった。
・外挿した前房内最大濃度は3312ng/mlであった。
・20mgのTAの硝子体内注射後、前房内での治療可能濃度は150日であった
Double staining with brilliant blue G and double peeling for epiretinal membranes.
Shimada H et al(日大駿河台)
Ophthalmology 116(7): 1370-6, 2009
・246例の連続するERM剥離硝子体手術例について、黄斑前膜の2回剥離について検討。
・246例の内、104例はICGを用いてILMの1回剥離を行い、その他の例は、BBGを用いてILMの2回剥離を行った。
・その内訳は、初回剥離時には、46例は染色なしで剥離、42例はtriamcinolone下で剥離、54例はBBG染色下で剥離である。
・ERM再発率は全体で16.3%(17眼)で、再手術率は、1回剥離群では5.8%(6眼)、2回剥離群では0%であった。
・ERM再発率は2回剥離群で有意に少なかったが、術後視力は2群間で差はなかった。
・2回剥離群内では、ILMが残っていた比率の一番低かったのはBBG染色群で、39%(21/54眼)であった
Birth weight and optic nerve head parameters.
Samarawichrama C et al(Australia)
Ophthalmology 116(6): 1112-8, 2009
・子宮内での発達のマーカーとして、生下時体重、身長、頭周囲径を用い、視神経乳頭のC/D比などをZeiss Stratus OCTを用いて計測した。
・2003年から2005年にかけて、12歳の子供、2134名を調査した。
・BMIは体重Kg/(身長mの2乗)とし、低体重児とは生下時体重が2499g以下、未熟児とは在胎週数37週未満とした。
・低体重児は垂直乳頭径が30μm小さく(p=0.009)、陥凹径が44μm大きく(p=0.004)、C/D比が0.03大きかった(p<0.0001)。
・年齢、性、人種、身長、眼軸長、BMIで補正しても、生下時体重は垂直乳頭径と相関し(0.0133mm/体重1Kg, p=0.04)、垂直陥凹径(-0.0203mm/体重1Kg, p=0.02)や垂直C/D比(-0.0136/体重1Kg, p=0.002)とは負の相関があった。
・これらの関連は在胎週数33週未満の未熟児ではみられなかった。
・生下時身長や頭位径が小さい程、C/D比が大きかった。
・このことは胎生期の発達障害は視神経乳頭計測値を悪くし、ひいては、将来の緑内障のリスクを暗示するものである
Effects of age on optical coherence tomography measurements of healthy retinal nerve fiber layer, macula, and optic nerve head.
Sung KR et al(USA)
Ophthalmology 116(6): 1119-24, 2009
・視神経乳頭周囲の網膜神経線維層RNFL、黄斑部厚、視神経乳頭形状などが年齢によって変化するかどうかをOCTを用いて正常眼124例226眼を用いて検討した。
・加齢とともにRNFL厚は薄くなっていたが、耳側(8時から10時)では例外で、有意な年齢変化は見られなかった。
・最も大きな加齢変化があったのは下方(-0.36μm/yr)と上方(-0.35μm/yr)のRNFLと、1時部(上鼻側:0.45μm/yr)であった。
・黄斑部の厚みは加齢とともに優位に薄くなっており、鼻側部(-0.59μm/yr)で著明であったが、中心窩だけは例外であった。
・乳頭径は加齢変化はなかったが、加齢とともに陥凹面積が有意に増加し、リム領域は有意に減少していた