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Ophthalmology

2009
116巻

ルセンティス硝子体内注入の網膜動脈径に与える影響

Ophthalmology 116巻 (9号) 2009

Intravitreal ranibuzumab may induce retinal arteriolar vasoconstriction in patients with neovascular age-related macular degeneration.
Papadopoulou DN et al(Switzerland)
Ophthalmology 116(9): 1755-61, 2009
・初回治療の新生血管AMD 11眼に対して、硝子体内ranibizumab(Lucentis)注入の網膜血管径に及ぼす影響について検討した。
・全眼で、3回のmonthly 注入を行い、retinal vessel analyzer(RVA)を用いて、in vivoで視神経乳頭から2乳頭径以内の網膜血管径を、初回注入前と、各回の注入後、7日目と30日目に測定した。
・注入後30日目の網膜血管径は、1,2,3回目の注入後、8.1±3.2%, 11.5±4.4%, 17.6±7.4%減少した(いずれも、p<0.01)が、網膜動脈圧(MAP)に変化はなかった。
・3回目の注入30日目の視力BCVAは ETDRS letterで 6.5±4.9上昇し、中心網膜厚は91±122μm減少した。この結果は、ranibizumab注入によって網膜動脈血管が収縮していることを示している

2009
116巻

黄斑円孔手術時の自己血液の効果

Ophthalmology 116巻 (8号) 2009

Blood-assisted internal limiting membrane peeling for macular hole repair.
Lai CC et al(Taiwan)
Ophthalmology 116(8): 1525-30, 2009
・黄斑円孔手術時に、ヘパリン化された自己全血を黄斑部に塗布し、薄い一層を残して除去。大変有用であった

2009
116巻

マルファン症候群の調節力

Ophthalmology 116巻 (7号) 2009

Accommodation measured wit optical coherence tomography in patients with Marfan’s syndrome.
Konradson TR et al(Sweden)
Ophthalmology 116(7): 1343-8, 2009
・31例31眼のマルファン症候群と31眼のコントロール眼とで調節力を比較した。
・マルファン症候群内では、レンズの亜脱臼のある群とない群とでも比較した。
・調節力はVisante OCTを用いて、装置内のターゲットをボケさせ、眼前にマイナスレンズを挿入して自覚的に測定した。
・前房深度、水晶体厚、瞳孔径も同時に測定した。
・群間で調節力、前房深度には差は見られなかった。
・マルファン群では水晶体厚は有意に厚く、瞳孔径は有意に小さかった。
・マルファン群内でのレンズ亜脱臼の有無は影響していなかった

2009
116巻

硝子体内へ注入したケナコルトのクリアランス

Ophthalmology 116巻 (7号) 2009

Triamcinolone acetonide concentration of aqueous humor after decanted 20-mg intravitreal injection.
Cheng L et al(CA USA)
Ophthalmology 116(7): 1356-9, 2009
・7例10眼で、triamcinolone 20mgを硝子体内へ注入し、1ヶ月間隔で5μlの前房水を採取し、濃度を測定した。
・TAの半減期は29.6日で、クリアランス係数は0.0234(1/日)であった。
・外挿した前房内最大濃度は3312ng/mlであった。
・20mgのTAの硝子体内注射後、前房内での治療可能濃度は150日であった

2009
116巻

黄斑前膜の複数回剥離

Ophthalmology 116巻 (7号) 2009

Double staining with brilliant blue G and double peeling for epiretinal membranes.
Shimada H et al(日大駿河台)
Ophthalmology 116(7): 1370-6, 2009
・246例の連続するERM剥離硝子体手術例について、黄斑前膜の2回剥離について検討。
・246例の内、104例はICGを用いてILMの1回剥離を行い、その他の例は、BBGを用いてILMの2回剥離を行った。
・その内訳は、初回剥離時には、46例は染色なしで剥離、42例はtriamcinolone下で剥離、54例はBBG染色下で剥離である。
・ERM再発率は全体で16.3%(17眼)で、再手術率は、1回剥離群では5.8%(6眼)、2回剥離群では0%であった。
・ERM再発率は2回剥離群で有意に少なかったが、術後視力は2群間で差はなかった。
・2回剥離群内では、ILMが残っていた比率の一番低かったのはBBG染色群で、39%(21/54眼)であった

2009
116巻

生下時体重と緑内障のリスク

Ophthalmology 116巻 (6号) 2009

Birth weight and optic nerve head parameters.
Samarawichrama C et al(Australia)
Ophthalmology 116(6): 1112-8, 2009
・子宮内での発達のマーカーとして、生下時体重、身長、頭周囲径を用い、視神経乳頭のC/D比などをZeiss Stratus OCTを用いて計測した。
・2003年から2005年にかけて、12歳の子供、2134名を調査した。
・BMIは体重Kg/(身長mの2乗)とし、低体重児とは生下時体重が2499g以下、未熟児とは在胎週数37週未満とした。
・低体重児は垂直乳頭径が30μm小さく(p=0.009)、陥凹径が44μm大きく(p=0.004)、C/D比が0.03大きかった(p<0.0001)。
・年齢、性、人種、身長、眼軸長、BMIで補正しても、生下時体重は垂直乳頭径と相関し(0.0133mm/体重1Kg, p=0.04)、垂直陥凹径(-0.0203mm/体重1Kg, p=0.02)や垂直C/D比(-0.0136/体重1Kg, p=0.002)とは負の相関があった。
・これらの関連は在胎週数33週未満の未熟児ではみられなかった。
・生下時身長や頭位径が小さい程、C/D比が大きかった。
・このことは胎生期の発達障害は視神経乳頭計測値を悪くし、ひいては、将来の緑内障のリスクを暗示するものである

2009
116巻

網膜厚みの年齢変化

Ophthalmology 116巻 (6号) 2009

Effects of age on optical coherence tomography measurements of healthy retinal nerve fiber layer, macula, and optic nerve head.
Sung KR et al(USA)
Ophthalmology 116(6): 1119-24, 2009
・視神経乳頭周囲の網膜神経線維層RNFL、黄斑部厚、視神経乳頭形状などが年齢によって変化するかどうかをOCTを用いて正常眼124例226眼を用いて検討した。
・加齢とともにRNFL厚は薄くなっていたが、耳側(8時から10時)では例外で、有意な年齢変化は見られなかった。
・最も大きな加齢変化があったのは下方(-0.36μm/yr)と上方(-0.35μm/yr)のRNFLと、1時部(上鼻側:0.45μm/yr)であった。
・黄斑部の厚みは加齢とともに優位に薄くなっており、鼻側部(-0.59μm/yr)で著明であったが、中心窩だけは例外であった。
・乳頭径は加齢変化はなかったが、加齢とともに陥凹面積が有意に増加し、リム領域は有意に減少していた

2009
116巻

OCTと蛍光眼底検査との相関

Ophthalmology 116巻 (6号) 2009

Correlation between spectral domain optical coherence tomography findings and fluorescein angiography patterns in diabetic macular edema.
Yeung L et al(NY USA)
Ophthalmology 116(6): 1158-67, 2009
・SD-OCTとFA所見をDM黄斑症で比較検討した。
・両者の所見はよく相関し、OCTでの網膜内層欠損はFSでの無血管野で重篤な虚血部位に相当した

2009
116巻

眼圧日内変動と視神経乳頭陥凹との関連について

Ophthalmology 116巻 (5号) 2009

Relationship of the 24-hour pattern of intraocular pressure with optic disc appearance in primary opne-angle glaucoma.
Deokule SP et al(CA USA)
Ophthalmology 116(5): 833-9, 2009
・45例75眼のPOAGで、眼圧の日内変動と視神経乳頭形状の関連について検討した。
・2名の観察者が視神経乳頭陥凹が同心円状か否かを判定した。
・視神経乳頭は、1:局所虚血型(上下部で2時間以内のリム消失)、2: 近視緑内障型(耳側三日月委縮を伴った近視性緑内障性の偏位した乳頭で上下リムが薄い)、3:老人性硬化型(カップが浅く、PPAと脈絡膜萎縮がある)、4:同心円陥凹型(同心円状のカップ拡大があり、リムは正常)に分け、正常型や分類不能型、進行緑内障型はこの検討からは除外した。
・視神経乳頭は、1:局所虚血型、2:近視緑内障性偏位型、3:老人性硬化型、4:同心円陥凹型に分け、正常型や分類不能型、進行緑内障型はこの検討からは除外した。
・眼圧は昼間は仰臥位と座位で、夜間は仰臥位で測定。
・9時-16時(仕事時間)、7時-23時(活動時間)、23時-7時(夜間)で、眼圧の平均、最高、最低、変動幅を検討した。
・40眼が同心円型、35眼が非同心円型に分けられた。
・夜間平均眼圧は、同心円型 24.0±3.8、非同心円型 21.9±1.9で有意差あり(p=0.004)、夜間最高眼圧も 26.0±4.2と、23.7±2.5で有意差あり(p=0.008)。
・同心円型乳頭の殆どの最高眼圧は夜間であり、非同心円型乳頭者での最高眼圧が活動時間であるのと対比していた

2009
116巻

IFISの実態について:前眼部OCT所見から

Ophthalmology 116巻 (5号) 2009

Iris morphologic changes related to α1-adrenergic receptor antagonists. Implication for intraoperative floppy iris syndrome.
Prata TS et al(NY USA)
Ophthalmology 116(5): 877-81, 2009
・α-1ARA内服者29例とコントロールの22例(いずれも、緑内障あるいは緑内障疑い)で、Heidelberg前眼部OCT(縦<25μ、横20-100μ解像度)を用い、虹彩の耳側水平断を撮影し、以下の項目を検査した。
・虹彩拡張筋部(dilator muscle region:DMR)の虹彩厚み。
・虹彩収縮筋部(sphincter muscle region:SMR)の虹彩厚みと、DMR/SMR比。
・明所視(300 lux)での瞳孔径は2.06±0.5と2.5±0.6(p=0.001)。
・SMRは473.2±76.5と460.5±99.5μm(有意差なし p=0.53)。
・DMRは354.6±83.7と446.9±92.6(p<0.001)。
・DMR/SMR比は0.75±0.2と0.98±0.1(p<0.001)。
・DMR/SMR比は、内服者の63%は正常者の2SD(±0.22:95.45%)以下であった。
・多変量解析では、α-1ARA内服期間が長いほど、DMR/SMR比が低下していた(p=0.001 r=0.47)

2009
116巻

糖尿病黄斑浮腫の新知見

Ophthalmology 116巻 (5号) 2009

Optical coherence tomographic hyperreflective foci. A morphologic sign of lipid extravasation in diabetic macular edema.
Bolz M et al(Austria)
Ophthalmology 116(5): 914-20, 2009
・糖尿病黄斑浮腫をOCTで検査すると、全眼で高反射点が網膜全層にわたってみられたが、この沈着物は赤外での画像でも、眼底写真や細隙灯検査でも、それらが融合しない限り観察できなかった。
・外顆粒層、外網状層の縁ではそれらの集合は硬性白斑として認識されるが、この物質は出血や毛細血管瘤とは関係のないものであり、これらは網膜内毛細血管瘤の壁にみられる。
・これらは溶出した lipoprotein and/or proteinで、DMEでみられる極早期の柵の破綻によるものであろう

2009
116巻

コンタクトレンズ装用とマイボーム線機能不全

Ophthalmology 116巻 (3号) 2009

Contact lens wear is associated with decrease of Meibomian glands.
Arita R et al(東大)
Ophthalmology 116(3): 379-84, 2009
・CL装用者の30%から50%がドライアイ症状を訴え、このCL関連ドライアイの原因としてマイボーム腺機能不全が考えられている。
・CL装用者121名(M:47,W:74名、年齢31.8±8.0歳)と健康なボランティア137名(M:71,W:66名、年齢31.4±15.1歳)で検討。
・非接触 Meibographyで4段階判定。Meiboscores 0:腺の喪失はない、3:66%以上の腺が喪失。
・上下左右の眼瞼で判定し、スコアを合計した。
・MeiboscoreはCL装用者では有意に高かった(p<0.0001)。
・装用者=1.75 95%CI=1.47-1.96、非装用者=0.96 95%CI=0.73-1.19で、装用者の平均は正常者の60-69歳の群と同じ程度であった

2009
116巻

生下時の季節と高度近視との関連についての再検討

Ophthalmology 116巻 (3号) 2009

Season of birth, daylight hours at birth, and high myopia.
McMahon G et al(UK)
Ophthalmology 116(3): 468-73, 2009
・Mandelら(2008)は出生時期、出生時の日照時間が中等度、高度近視と相関があることをイスラエルで報告している。
・これがUKでも適応されるかどうかを検討した。
・18歳から100歳の74,459例のオプトメトリー臨床を調査した。
・近視なし(>-0.75D)、軽度(-0.75~-2.99D)、中等度(-3.00~-5.99D)、高度(<-6.00D)に分け、ロンドンの日照時間はMandelに従って4つのカテゴリーに分けた。
・出生時の時期は高度近視とは有意に相関があったが、軽度、中等度近視ではなかった。
・高度近視は夏秋の出生は冬の出生に比較して有意に多かった。
・夏OR=1.17, 95%CI=1.05-1.30, p=0.006。秋OR=1.16, 95%CI=1.04-1.30, p=0.07。
・ただ、この関係は生下後の日照時間というよりは、季節変動のある生理的影響、例えば生下時体重などと関連しているのではないかと考えられた

2009
116巻

小児の近視に対するアトロピン点眼治療の効果

Ophthalmology 116巻 (3号) 2009

Atropine for the treatment of childhood myopia: effect on myopia progression after cessation of atropine.
Tong L et al(Singapore)
Ophthalmology 116(3): 572-9, 2009
・アトロピン点眼と中止後の近視進行について検討した。
・-1.0D~-6.0Dで、乱視が-1.5D以下の6歳から12歳の400例で検討。
・1%アトロピン点眼かプラセボー点眼を2年間就寝時に片眼のみに点眼し、終了後1年間経過観察した2重盲検試験である。
・測定はcycloplegic自動屈折検査と超音波眼軸長測定である。
・アトロピン点眼終了後の1年間の近視進行度は、アトロピン眼は-1.14±0.80D、プラセボー眼は-0.38±0.39Dで有意差(p<0.0001)であったが、全3年間でみると、アトロピン眼は-4.29±1.67D、プラセボー眼は-5.22±1.38Dで有意(p<0.0001)に近視度は弱かった。
・最終球面等価屈折度はアトロピン眼は-5.00±1.62D、プラセボー眼は-5.28±1.43Dであった。
・全3年間で眼軸長の伸びはアトロピン眼は0.29±0.37、プラセボー眼は0.52±0.45mmで有意差(p<0.0001)。
・アトロピン点眼終了後に調節力、近見視力は開始前に戻った

2009
116巻

緑内障の篩板部のOCT検査

Ophthalmology 116巻 (2号) 2009

Three-dimensional high-speed optical coherence tomography imaging of lamina cribrosa in glaucoma.
Inoue R et al(京大)
Ophthalmology 116(2): 214-22, 2009
・30例52眼の緑内障あるいは高眼圧症患者の視神経乳頭と篩状板をスペクトラルOCTで検査し、SD-OCTで測定した篩状板の厚みと自動視野計で測定したMD値との関連を検討した。
・3D像では篩状板は後極に屈曲し、低反射の多くの円形部を持つ、高反射板として検出された。
・篩状板の厚みは190.5±52.7μ(80.5-329.0μ)であり、MD値と有意な相関があった(p<0.001)

2009
116巻

急性緑内障に対する角膜圧迫処置

Ophthalmology 116巻 (1号) 2009

Corneal indentation in the early management of acute angle closure.
Masselos K et al(Australia)
Ophthalmology 116(1): 25-9, 2009
・急性緑内障7名8眼について、角膜圧迫 corneal indentation(CI)治療を行った。
・データのある7名中6名について検討した。
・CIは1966年にForbesが発表しているが、その後、顧みられていない。
・いろいろなものを使って、角膜中心部あるいはやや周辺部を圧迫し、周辺隅角を開放する方法である。
・瞳孔縁が動くのを目安として、30秒押し30秒休む事の繰り返しを3-4回行う。
・強い痛みを訴えた4名中3名はCI後に痛みは消失。
・平均眼圧下降は20.9mmHg(+1~-45)。全例、その後にLIあるいはPEAを行った。
・点眼内服を使用せずにCIを行った3名の平均眼圧下降は21mmHg(20-23mmHg)であった。
・角膜の透明性が得られ、次の治療が可能になるCIは簡易で有効な眼圧下降手段である

2008
115巻

アバスチン併用線維柱帯切除術

Ophthalmology 115巻 (12号) 2008

Evaluation of subconjunctival bevacizumab as an adjunct to trabeculectomy. A pilot study.
Grewal DS et al(India)
Ophthalmology 115(12): 2141-5, 2008
・POAGとCACGの12名に線維柱帯切除術を行った直後に、0.05ml 1.25mgのベバシズマブを瀘過泡のすぐ横の結膜下に30G針を使用して注入した。
・6か月後、全例で緑内障薬を使用せず、眼圧はコントロールできている。アバスチンは瀘過泡消失を予防するのに有効ではないか

2008
115巻

Wisconsin Study (typeⅠDM)のその後の経過

Ophthalmology 115巻 (11号) 2008

The Wisconsin epidemiologic study of diabetic retinopathy XXII. The twenty-five-year progression of retinopathy in persons with type 1 diabetes.
Klein R et al(USA)
Ophthalmology 115(11): 1859-68, 2008
・南Wisconsin州に居住しており、30歳以前にtypeⅠ糖尿病と診断され、1980-1982年に行われたbaseline検査に参加し、4, 10, 14, 25年目の検査を少なくとも1回は受けたか、あるいは4年目の第1回目の検査前に死亡(n=64)した、インスリンを使用している955名を対象とした。
・眼底写真はAirlie House分類変法とETDRS重症度で判定した。
・DRが25年間の累積で進行したものは83%、PDRまで進行したものは42%、DRの改善は18%。
・DRの進行は、DRが軽症であった者、男性、グリコヘモグロビンがより高いもの、グリコヘモグロビンレベルが上昇したもの、baselineから4年後の検査で拡張期血圧が上昇したものでみられた。
・PDR発症のリスクは、グリコヘモグロビンがより高いもの、収縮期血圧が高いもの、蛋白尿、baselineでBody Mass Indexが大きいもの、baselineから4年後の検査でグリコヘモグロビンが上昇したもので高くなっていた。
・DRの改善は、グリコヘモグロビンが低いもの、男性、baselineから4年後の検査でグリコヘモグロビンと拡張器血圧が低下したものでみられた。
・同じような糖尿病の罹患期間であっても、診断からの期間が短い方が、グリコヘモグロビンレベル、血圧、蛋白尿とは無関係に、PDRになりにくかった。これは、DM治療の進歩によると思われる

2008
115巻

夜間視症状とAMDの進展

Ophthalmology 115巻 (11号) 2008

Night vision symptoms and progression of age-related macular degeneration in the complications of age-related macular degeneration prevention trial.
Ying G et al(USA)
Ophthalmology 115(11): 1876-82, 2008
・両眼とも視力0.5以上で、10個以上の、125μを超える大きなドルーゼンのある1052例で、baselineの夜間視アンケート結果と、約6年後の視力の3段階以上の低下、CNV、geographic atrophy(GA)について検討した。
・片眼を光凝固、他眼を経過観察とした。
・10項目の夜間視アンケートは National Eye Instituteのものを基礎とした NVQ-10を用い、0から100まで程度分類した(100:訴えなし)。
・NVQ-10の結果は3-100(平均70)であり、夜間視が良好な1/4と、不良な1/4で比較した。
・夜間不良群では、視力が3段階以上低下するリスク(odd ratio)は経過観察眼では2.85(95%CI 1.85-4.39)、光凝固眼では 2.00(1.27-3.14)。
・GAの悪化は、観察眼では 4.18(1.80-9.68)、光凝固眼では 2.59(1.13-5.95)。
・CNVの発現は、観察眼では 1.99(1.12-3.54)、光凝固眼では 1.33(0.81-2.19)であった

2008
115巻

AMDに対するアバスチン後の眼内炎

Ophthalmology 115巻 (11号) 2008

Acute intraocular inflammation after intravitreous injections of bevacizumab for treatment of neovascular age-related macular degeneration.
Wickremasinghe SS et al(Australia)
Ophthalmology 115(11): 1911-5, 2008
・Australiaの2つの州で行われたAMDに対するbevacizumabの硝子体内注射後の急性眼内炎についてretrospectiveに検討した。
・12ヶ月間に1278回の注射に対し、19眼に急性眼内炎を発症。5眼は細菌性眼内炎。14眼(女11,男3)は無菌性眼内炎であった。
・以下は14眼についての検討。
・年齢83.7歳(74-98)。以前の注射回数は 2.7(1-6)回。
・多くは24時間以内に急激な視力低下で発症したが、不快感は少なかった。
・前眼部、後眼部に炎症サインがあったが、ステロイド局所治療で、7-25日で注射前の視力まで改善した

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