Endophthalmitis. A review of current evaluation and management.
Lemley CA et al(WI USA)
Retina 27(6): 662-80, 2007
・白内障術後、硝子体内注射、外傷、全身的な感染症後に発症する眼内炎の治療のレビュー。
Topical Subconjunctival Intravitreal
Amikacin 20 mg/mL 40 mg 400 μg
Amphotericin B 0.15-0.5% 5-10 μg
Ampicillin 50 mg/mL 100 mg 5 mg
Cefamandole 50 mg/mL 75 mg 2 mg
Cefazolin 50 mg/mL 100 mg 2.25 mg
Ceftazidime 50 mg/mL 100 mg 2.25 mg
Ciprofloxacin 0.3% solution 1 mg* 100-500 μg*
Clindamycin 30 mg 250 μg
Fluconazole 0.2% solution 2%-1 mL 10-100 μg*
Gatifloxacin 0.3% solution 400 μg*
Gentamicin 10-20 mg/mL 20 mg 200 μg
Levofloxacin 0.5% solution 625 μg*
Linezolid 400 μg*
Methicillin 1 % solution 100 mg 2 mg
Miconazole 10 mg/mL 5 mg 25 μg
Moxifloxacin 0.5% solution 400 μ g*
Tobramycin 8-15 mg/mL 20 mg 200 μg
Vancomycin 50 mg/mL 25 mg 1 mg
Voriconazole 1-2% solution 100 μg
*Extrapolated from animal studies.
Prolongation of choroidal hypofluorescence following combined verteporfin photodynamic therapy and intravitreal triamcinolone acetonide injection.
Luttrull JK et al(CA USA)
Retina 27(6): 688-92, 2007
・加齢黄斑変性症の中心窩下脈絡膜新生血管(CNVM)に対し、PDTに硝子体内トリアムシノロン注入を併用した時の(PDT+IVTA)、FAでの脈絡膜の低蛍光(PCH)の持続状態を調べた。
・2003.12~2004.11に行った PDT+IVTA群(46例53眼)を、PDT後1週、3ヶ月にFAを行い、3ヵ月後のPCHを1週間後のものと比較した。
・PDTだけ行った27眼をコントロールとした。
・PDT+IVTAでは、37/53(70%)でPCHがみられたが、コントロール群では、3/27(11%)でPCHが見られただけであった(P<0.0001)。
・このことはIVTAはPDT単独の効果を延長させる効果があることを示唆する。
Short-term effects of intravitreal bevacizumab for subfoveal choroidal neovascularization in pathologic myopia.
Hernandez-Rojas ML et al(Mexico)
Retina 27(6): 707-12, 2007
・14例(53.9±16.3歳)の病的近視(-13.9±3.7D:-7.25~-20.5D)のCNVに対して、2.5mgのbevacizumabの硝子体内注入を行い、3ヶ月経過観察。
・視力は 20/200→20/100(2W)→20/80(4W)→20/60(8,12W)で、いずれも有意に改善(p=0.007, 0.001, 0.005, 0.001)。
・黄斑厚みは 385.4±125.8μm→257.6±76.6(1M)→194.5±54.4(3M)と有意に低下(p=0.001)。
Retinal toxicityo of intravitreal kenalog in albino rabbits.
Lang Y et al(Israel)
Retina 27(6): 778-88, 2007
・43頭の albino rabbitsの硝子体内へ、右眼は0.1mlのKenalog、左眼は0.1mlの生食を注入した。
・A群(n=28)は4mg/0.1mlのそのままのKenalog懸濁液
・B群(n=8)はKenalogの媒体のみを0.1ml。Kenalog媒体は benzyl alcohol, sodium carboxymethylcellulose, polysorbate, sodium chlorideと水である。
・C群(N=7)はtriamcinolone acetonide(TA)の4mg/0.1mlを注入。TA分離は15分間沈降させて上澄みを除去し、同量の生食を注入して作成した
・38頭で4週目を観察、29頭で8週目を観察、3頭で17週まで観察。
・KenalogそのままのA群と媒体だけのB群では、最終観察時にERGのb波がほぼ半分に減弱。
・TA分離のC群ではERGのb波減弱は最高でも14%までであった。
・A群、B群では注入部に近い部位では網膜全層の重篤な障害が組織学的に認められた。
Tears of the retinal pigment epithelium. An old problem in a new era.
Chang LK et al(CA USA)
Retina 27(5): 523-34, 2007
・PubMedデータベースで、RPE裂孔tearあるいは裂け目ripsについての論文を検索した。
・pegaptanib, bevacizumab, ranibizumab治療後の RPE tearは33例が発表されており、その内の詳細のわかる25例に、筆者らが5例を追加し、合計30例について解析した。
・年齢が高いこと、繊維血管性のPEDあるいはCNVに伴ったPEDがあること、裂孔発生は硝子体内注入後4週から8週で発症していた。
・高齢で、CNVに伴った大きな不規則なPEDのある症例では、このような視力予後の悪いRPE tearを発症しやすいので注意が必要。
Retinal pigment epithelium teas after intravitreal injection of bevacizumab (avastin) for neovascular age-related macular degeneration.
Ronan SM et al(CA USA)
Retina 27(5): 535-40, 2007
・4つの施設での retrospective調査である。
・9ヶ月の調査期間中に新生血管AMDに対して 1.25mg bevacizumabの注射が1,455回行われ、12眼(0.8%)に4日から8週目(24.3±15.2日目)に RPE tearsが発生した。
・RPE tears発生の前にRPE剥離が発生しており、漿液性RPE剥離のある症例では注意が必要
Retinal pigment epithelial tears after intravitreal bevacizumab injection for neovascular age-related macular degeneration.
Chan CK et al(CA USA)
Retina 27(5): 541-51, 2007
・RPE tearを発症する血管新生PEDと、発症しない血管新生PEDの違いを検討した。
・1,064眼に2,785会のbevacizumab注射を行い 22例22眼(2.2%)にRPE tearsが発症した。
・血管新生PEDはRPE tearsを発症した22例中、21例に存在した。
・発症までの期間は 37.3日であった。
・中心窩下PEDの大きさは、tearsを発症した方が大きかった(13.97mm2 vs 9.9mm2, p=0.005)。
・tearsを発症した群では、CNV/PED大きさ比が発症しない群より小さかった(27.9% vs 67.6%, p=0.005)
・bevacizumab注入前の平均視力は 20/162であり、tear発症後は 20/160であり(p=0.48)、tear発症後も視力は維持されていた
Trans-luminal ND:YAG laser embolysis for branch retinal artery occlusion.
Mason III JO et al(AL USA)
Retina 27(5): 573-7, 2007
・栓子が見えて視力低下の強い新鮮な網膜動脈分枝閉塞症に対し、管腔を横切っておこなう、transluminal YAG laser embolysis (TYE)の有用性について5例で検討した。
・5例の術前の視力は、5/400, CF, CF, 20/800, 20/200である。
・5例全例で、TYE翌日には視力改善があり、FAでは閉塞が除去されていた。
・1例では網膜下出血があったが、硝子体手術を行い改善した。
・5例の最終視力は順に 20/30, 20/25, 20/40, 20/30, 20/40であった。
・YAGレーザーのパワーと数は 2.1mJx8発、2.6mJx10発、0.8mJ→2.9mJ x7発、1mJ→2.2mJ x7発、0.9mJ→0.0mJ x8発。
Full-thickness macular hole formation in idiopathic parafoveal telangiectasis.
Koizumi H et al(NY USA)
Retina 27(4): 473-6, 2007
・IPTの2例4眼。1例はILMのみ残り、ほぼ全層孔であったが視力は20/60。2例目は大きな全層孔であったが視力は20/40。
・両例とも他眼は非常に薄いILMが残っているが中心の空洞化が見られた。
・空洞化はミュラー細胞の消失によるものであろう。
・視力が良いのは、中心窩で視細胞が分割されてはいるものの、視細胞の萎縮はないからであろう
Anticoagulation with warfarin in vitreoretinal surgery.
Fu AD et al(CA USA)
Retina 27(3): 290-5, 2007
・ワーファリン内服使用している49歳から81歳の25例で網膜硝子体手術を行った。
・PPV:20例、SB:4例、PPV+SB:1例。
・強膜内陥、網膜下液排除を行った1例で術中の網膜下出血が起こったため、出血の除去を行ったが、その他の例では、通常以上のoozingはあったが、問題となる術中合併症はなかった。
・ワーファリン内服中であっても網膜硝子体手術は問題なく施行可能である
Macular hole repair with limited nonsupine positioning.
Merkur AB et al(Canada)
Retina 27(3): 365-9, 2007
・72眼の1年未満の黄斑円孔患者に硝子体手術を行った。
・広くILMを除去(耳側はdisk-foveaの2倍、上下はarcadeまで、鼻側は視神経乳頭まで)し、12%C3F8を注入。
・術後24時間は上向きだけ避けるが、その後の姿勢制限はしない。
・再手術時は12%C3F8を注入し、術後24時間のみうつ伏せ姿勢をとるが、その後の姿勢制限はしない。
・初回手術の成功率は66/72=92%、2回目の手術で全例閉鎖。
Indocyanine green and trypan blue.
Hirasawa H et al(東京大)
Retina 27(3): 375-8, 2007
・in vitroで、ヒトRPE細胞(ARPE19細胞)にICGの0.01%, 0.05%, 0.25%と、TBの0.06%, 0.15%, 0.25%を15秒、30秒、5分暴露させ、細胞内取り込みをspectrophotometerで測定。
・ICGはARPE19細胞に、0.01% 5分、0.05% 30秒、0.25% 15秒で取り込まれたが、TBはこの条件では取り込まれなかった。
・ICGは通常使用濃度(5mg/ml=0.5%)でよりも低い濃度で取り込まれるので要注意である
Triple therapy for choroidal neovascularization due to age-related macular degeneration . Verteporfin PDT, Bevacizumab, and Dexamethasone.
Augustin AJ et al(Germany)
Retina 27(2): 133-40, 2007
・104眼に光量を減らしたPDT(50→40J/cm2, 83→70秒照射)を行い、大体16時間後に25G硝子体カッターで少量の硝子体切除を行った後に、dexamethason 800μg/0.2ml とbevacizumab 1.5mg/0.06ml を硝子体内注入した。
・6週間ごとに経過観察。5眼はCNV活動が残っており、再度 triple処置を行なった。
・18眼(17.3%)では bevacizumabの追加注入を行なった。
・平均観察期間は40週で、視力改善は 1.8 line(p<0.01)、平均網膜厚減少は182μm(p<0.01)であり、合併症はなかった。
・triple治療はたいていの場合は1回で済み、費用も安く、安全である
Intravitreal anti-vascular endthelial growth factor therapy with pegaptanib for advanced von Hippel-Lindau disease of the retina.
Dahr SS et al(ML USA)
Retina 27(2): 150-8, 2007
・von Hipple-Lindau (VHL)病の強い浸出のある患者5名で pegaptanib 3mg/0.1mlを6週間毎に最低6回、硝子体内注入を行い、有効であった
No association of complement factor H gene polymorphism and age-related macular degeneration in the Japanese population.
Uka J et al(広島大)
Retina 26(9): 985-7, 2006
・complement factor H(CFH)の遺伝的多形が日本人のAMDに関連しているかどうかを検討。
・日本人のAMD 67名と107名のコントロールで、exon 9上にある TT/TC/CC 遺伝子型を調べた。
・AMD群のCFH遺伝子型(TT=76%, TC=19%, CC=5%)と、コントロール群(TT=80%, TC=17%, CC=3%)には有意差はなかった。
・対になる遺伝子のうちのTとCのalleleの頻度は、AMDでは A=86%, C=14%、コントロールではA=89%, C=11%であり、日本人では CFH遺伝的多形がAMDとは関連がなく、また、日本人ではC対立遺伝子の頻度は少なかった。
Combined photodynamic therapy with verteporfin and intravitreal bevacizumab for choroidal neovascularization in age-related macular degeneration.
Dhalla MS et al(USA)
Retina 26(9): 988-93, 2006
・AMDによる傍中心窩ならびに中心窩下CNVに対して、PDTと硝子体内bevacizumab 1.25mg注入の両者を14日以内に行なった24眼の7ヶ月経過観察。
・全例が初回治療である。
・7ヶ月目の視力変化では、67%は改善、17%で悪化。
・全例の平均視力は Snellen で2.04 line上昇。
・63%では追加治療は不要であり、全例で副作用はなかった。
Visual improvement following intravitreal bevacizumab(avastin) in exudative age-related macular degeneration.
Yoganathan P et al(NY USA)
Retina 26(9): 994-8, 2006
・浸出性AMDに対し硝子体内アバスチン 1.25mg(0.05ml)注入を行なった48例50眼につき、20-50週(平均34週)経過観察。
・36眼(72%)は以前にMacugen,PDTなどの治療を受けており、14眼(28%)が無治療。
・ETDRS chartでの視力は、avastin治療の4週間後は6.5文字上昇(p<0.001)、24週後は5.3文字上昇(p<0.001)。
・24週後の視力は、無治療群では 14.2文字、既治療群では2.8文字上昇。
・最終経過観察日のOCTの平均黄斑厚みは73μm減少、平均黄斑容積は1.0mm3減少(いずれもp<0.001)。
・平均3.5回の注入で、再発は平均1.08回であり、重篤な視力低下や副作用はなかった。
・以前にMacugen治療やPDT治療を受けていない方が、avastin治療効果は大きかった
Photic retinopathy after cataract surgery in diabetic patients.
Getinkaya A et al(Turkey)
Retina 26(9): 1021-8, 2006
・2573例の白内障手術の中に、術後の光障害(PR)は16例(0.62%)、DMは382例(14.85%)あった。
・PRの内、7例(43.75%)はDMであり、PRはDM者では非DM者よりも有意に多かった(7/382 vs 9/2191, p=0.001)。
・PR発生者の平均手術時間はDMでは 29.9±9.9分、非DMでは 38.2±5.3分であった。
・PRで視力障害を来たしたものはなかったが、DM者では光障害に弱いことを認識すべきである
A method to free retina and vitreous from intraoperative incarceration in the sclerotomy.
Stopa M et al(NC USA)
Retina 26(9): 1070-1, 2006
・1mlか3mlの注射器に雌雌アダプターをつけて、強膜創にかぶせて、水圧で戻すのが良い。
・注射器先端の内径は 1.8mmであるが、雌アダプターの内径は 3.8mmである
Avastin and new treatments for AMD: where are we? (Editorial)
Freeman WR et al(CA USA)
Retina 26(8): 853 -8, 2006
・2000年に始まったAMDに対するVisudyne治療は、視力が0.1どまりで、満足できるものではない。
・2005年にMacugen治療が始まったがこれも2年にわたって6週おきに注入してもやはり視力は0.1止まり
・Avastin(bevacizumab), Lucentis(Ranibizumab)は 視力を改善させる最初の薬であり、AMDの初期に使用すれば視力0.5以上が得られ、またAvastinは安価である。
・MacugenやPDTは1回に$1,000で全部で1眼$20,000になる。
・Lucentisも1回$2,000で、2年間使用すれば総計$48,000になる。
・Lucentisは米国では2006.6.30にFDA認可されたが、LucentisとAvastinの比較資料はまだなく検討が必要。
・Avastinの分子量は 149,000で、Lucentisは 48,000と1/3であり、網膜全層に浸透しやすい。
・網膜へ浸透する分子量の限度は70,000といわれているが、浮腫のある網膜ではAvastinも十分浸透しうる
・Lucentisは障害が少く、浮腫の少ない網膜では有利だし、分子量が少ないことでぶどう膜炎の発症も少ないだろう。
・ただ、Avastinは安価で治療回数が少なくてすみそうである。